今回の耐寒性は、セダム属をピックアップします。
寒さに強く、グランドカバーとして使われるタイプから、
オシャレな多肉っぽい感じのタイプまで、
幅広く流通しています。
色々とありますが… すべてのセダムが、
寒さに強いわけではありませんので、注意が必要です。
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▼ 寒さに強いランキング
セダム属は、多肉植物の中でも、
原種・品種ともに数が多いグループです。
管理人の主観となりますが…
寒さのレベル合わせ、3つのカテゴリーに分けて紹介します。
カテゴリーは、こちら
安全目安 | 限界目安 | |
---|---|---|
❶ 普通 | -3℃ | -5℃ |
❷ やや強い | -5℃ | -7℃ |
❸ とても強い | -15℃ | -15℃+α |
全体的に多肉は、寒さに強い植物ですので、
一番、寒さに弱いセダムでも…
「-3℃」までは、そこそこ安心できます。
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それでは、1グループづつ紹介します。
❶ 普通タイプ
普通タイプは「多肉植物の中では… 寒さに弱い」とされるカテゴリーです。
他のグループと比較するなら、アエオニウム属や、
クラッスラ属、カランコエ属と、同じくらいと考えてよさそうです。
ダメージの目安
安 全 | ~ -3℃ | 水分が多めでも、傷みなし |
注 意 | -3℃ ~ -5℃ | 一部、傷む可能性あり |
危 険 | -5℃ ~ | 一部 ~ 全体の傷み。全損の可能性あり。 |
「-5℃」までが、無傷の限界
普通タイプのセダムは「-3℃」までが安全ラインです。
無傷を保つなら、
「-5℃」が限界ラインだと感じます。
ダメージを負った状態
品種は色々とありますが、まず先に…
凍結して、ダメージを負った状態を紹介します。
- 下記の写真は「-7℃」を記録した後の状態です。
- 写真は、凍結した当日や、数日後の状態も混ざっています。
● クラバツム
▲ 再起不能
▲ 存命中
葉が、妙に透明で白っぽかったり…
赤みが消えていたら、だいたい… 息絶えています。
透明感のある葉っぱには、要注意です。
● 松の緑
▲ 凍結から2週間程度の様子
▲ 存命中
「松の緑」は地味な名前で、損をしているセダムだと思います。
名前が似ている「松姫」も同じ原種で、
丸葉が前者となり… 尖った葉が後者となります。
● 春萌
▲ これくらいのダメージなら…
▲ 春になれば、気にならない
凍結して、葉の表面が傷つくことがあります。
その場合でも、成長点が無事ならOKで…
これ以上、追加ダメージを負わないように管理します。
親は、クラバツムと松姫
春萌は、最初に紹介した…
「クラバツム」と「松姫」のハイブリッドです。
そのため、耐寒性も同じくらいになります。
● スプリングワンダー
▲ 再起不能
▲ 元気な状態
スプリングワンダーは、セダムでは珍しいフサフサタイプです。
写真では分かりづらいですが、
葉が黄色に変色しているのも危険サインです。
● 月の王子
▲ 再起不能
月の王子(黄麗)も、定番のセダムで、
同じタイプの「銘月」や「サンライズマム」も注意です。
似たような「ヌスバウメリアナム」も同様です。
徐々に、枯れていく
完全に透明になった葉は、
徐々に水分が抜けてゆき… やがて枯葉となります。
● ビアポップ
▲ 所々… 凍結
▲ 生き残る株もある
なかには… 部分的に、透明な箇所が混じることもあります。
この程度の凍結では、程度にもよりますが…
復活することもよくあります。
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注意したい、原種・品種
上記で紹介した種類を含め…
まず、寒さに注意したいセダムを、
知っている限り、まとめてみました。
・銘月 | ・月の王子(黄麗) |
・春萌 | ・サンライズマム |
・松の緑 | ・松姫 |
・トレレアシー(天使の雫) | ・クラバツム |
・ロッティ | ・コミックトム |
・ビアポップ | ・玉つづり |
・スプリングワンダー | ・ジョイスタロック |
傾向としましては… 葉が中粒~大粒で、
しっかりとした肉厚タイプほど危険です。
まずは… 警戒したいセダム群になります。
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❷ やや強いタイプ
続いて…「やや強いタイプ」の紹介です。
こちらも個人の主観ですが… 普通タイプに比べると、
さらに「2℃」ほど下がっても、耐える感じがします。
原種・品種は、こちら
・タイトゴメ | ・パープルヘイズ |
・マジョール | ・クリーム玉蛋白 |
・リトルゼム | ・八千代 |
・玉葉 | ・ジェットバーツ |
・玉蓮 | ・レッドベリー |
・虹の玉 | ・オーロラ |
・乙女心 | ・恋心 |
・スアベオレンス | ・薄化粧 |
・ペレスデラロサエ | ・プロリフェラ |
写真と特徴を紹介
やや強いタイプのセダムですが、
管理人の環境下では… 最低気温となる「-7℃」でも、
その多くが… 凍結を確認していません。
参考程度にお考えください
これらのセダムは、「-7℃」まで下がっても、
恐らく… 耐えてくれると思いますが、
水やり直後では… ダメージを負ってしまうかもしれません。
また、反対に…
「-7℃」より冷えても、大丈夫なセダムも混じっていると思います。
● ジェリービーンズ系
左:レッドベリー / 右:虹の玉
セダムの人気品種になります。
どちらも、似ており…
「虹の玉」を小型化したのがレッドベリーです。
また「虹の玉」の、斑入り品種が「オーロラ」となります。
水を吸わせると弱い感じ…
ジェリービーンズ系のセダムは、
水を溜め込んで、葉が膨張しやすいタイプです。
カラカラの状態から比較すると… 特に違いを感じらます。
そのせいか… 水やりの後は、
格段に凍りやすくなるような感じです。
● ジェリービーンズ系 その2
左:乙女心 / 右:八千代
こちらも、ジェリービーンズ系で人気の「乙女心」と、
フォルムが似ている「八千代」になります。
「虹の玉」と同様に、水やりの後は注意したほうが無難です。
● 肉厚・小型系のセダム
左:ペレスデラロサエ / 右:プロリフェラ
エケベリアのようなロゼットを持つ、
小型で肉厚なタイプです。
こちらも、水やり次第で「-7℃」だと…
部分的に凍ってしまうかもしれません。
プロリフェラの現在は… エケベリア属
プロリフェラはセダム時代の旧名で…
現在は、エケベリア属に転属し、
「プロリフィカ」という名前に変わっています。
「プロリフェラ」も「プロリフィカ」も同じ多肉となります。
● レア系のセダム
左:スアベオレンス / 右:薄化粧
薄化粧は、セダムのわりに… 葉が薄く、
スアベオレンスは、エケベリアにしか見えないセダムです。
どちらも、寒さには強いと感じます。
● やや小粒のセダム
左:玉葉 / 右:玉蓮
▲ リトルゼム
小さ過ぎない… やや小粒のセダムです。
こちらも、寒さに強いタイプかと思います。
リトルゼムの正確なグループは、クレムノセダムになります。
● 小粒系のセダム
左:パープルヘイズ / 右:タイトゴメ
セダムの中では、最も小粒の葉をしています。
性質なのか… 水分量が少ないのか…
よくわかりませんが、比較的… 強めだと感じます。
「-5℃」も大丈夫
▲ クリーム玉蛋白
▲ 耐寒性は「-5℃」
見た目は、寒さに弱そうなクリーム玉蛋白ですが、
耐寒性は「-5℃」となっています。
小粒系のセダムなら…
実際のところ「-10℃」までは、耐える気がします。
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❸ とても強いタイプ
最後に、グランドカバーのカテゴリーで販売されている、
猛烈に強いセダムを紹介します。
「-15℃」以上に耐えるタイプ
管理人の環境下では「-15℃」まで下がりませんが、
タグの表記上… それくらいまで耐えるセダム群です。
● マンネングサ
▲ 耐寒性は「-15℃」
数多くの種類があり、
ホームセンターで販売されているセダムといえば…
マンネングサ関係が、ほとんどだと思います。
増えすぎて… 雑草扱いされることもあるようです。
● スパツリフォリウム
白雪ミセバヤ / パープレウム
▲ 耐寒性は「-20℃」
スパツリフォリウムという原種の2タイプ。
どちらとも、セダムでは珍しいパウダーが魅力的です。
「白雪ミセバヤ」はケープブランコとも表記され、
ミセバヤとは関係ない種となります。
● ドラゴンズブラッド / トリカラー
トリカラー / ドラゴンズブラッド
▲ 耐寒性は「-20℃」
「ドラゴンズブラッド」と「トリカラー」も、
マンネングサに、よくカテゴライズされていますが、
現在では… セダム属ではなく、
フェディムス属のスプリウスという種になっています。
冬は、自然と枯れて休眠
冬になると、地上部は枯れてしまいますが…
冬越しして、春になると元気に成長します。
● アトランティス
▲ 耐寒性は「-25℃」
ここ数年で見かけるようになったアトランティスですが、
こちらも、耐寒性は抜群です。
ドラゴンズブラッドなどと同様に、
現在では、フェディムス属となっています。
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【補足】似たような交配種
セダム属も、少しですが… 新しめの栽培品種を見かけます。
その多くが、普及種のハイブリッドだと感じますので、
親と、見た目が似ていたら注意します。
● シャングリラ
シャングリラは、不明のハイブリッドで…
お店によって、セダム属、エケベリア属、
セデベリアにカテゴライズされていますが、
おそらく… セダム属だと思います。
見た目で… 親の検討が付く
見た目は、「春萌」に近く…
エッジは「虹の玉」や「松の緑」のように赤く染まります。
ということで…
(松姫 / 春萌)×(虹の玉 / 松の緑)
このあたりのハイブリッドだと思います。
「-7℃」は、ダメっぽい
シャングリラの親も、
普通タイプのセダムだと思いますので、
下がっても「-5℃」までが無難だと感じます。
● ジョイスタロック
ジョイスタロックも、いくつかの名前があったり…
グループにも違いがあり、
統一感の無いハイブリッドです。
「I.C.N」には、登録されている
「I.C.N」によると、交配は下記です。
♀:スプリングワンダー
♂:松姫
「-7℃」は、ダメっぽい
ジョイスタロックも、シャングリラと同様に…
親は、普通タイプのセダムなので、
下がっても「-5℃」までが無難だと感じます。
● 春霞
名前からして…「春萌」とのハイブリッドだと思います。
相手はスプリングワンダーという情報が有りますが、
ジョイスタロックほど、面影は感じられません。
どちらにせよ… 寒さには強くない組み合わせとなります。
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最後のまとめ
セダム属は、マンネングサとも呼ばれているので、
どんなセダムでも、
寒さに強いと思われがちだと思います。
色々なタイプがあるので、臨機応変に…
寒さに弱いセダムを凍らせてしまったり…
寒さに強いセダムを、
過保護に管理してしまう場合も、よくあります。
弱いセダムに合わせると…
「-3℃」が、安全ラインとなりますが、
臨機応変に、管理してい頂ければと思います。
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以上… セダム属の紹介でした。