今回は、多肉植物が凍った際に、ダメージを負う気温…
その目安について紹介します。
多肉には、たくさんの種類がありますので、
この記事では、
下記のグループに属する「原種・品種」をピックアップします。
- アエオニウム属
- カランコエ属
- クラッスラ属
- コチレドン属
その他のグループは、こちら
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◆ はじめに…
まず、共通事項として…
いくつかの内容を、まとめています。
❶ どんな多肉でも「-2℃」は安全ライン
個人で行った、実験結果からしますと…
「-1℃」程度で、ダメージを負った多肉は確認していません。
水やり後でも「-3℃」なら、まぁまぁ安心でき…
「-5℃」では、ちょっと心配…
「-7℃」だと、かなり厳しい… といった感じです。
❷ 霜除けは、必須
なかには、氷点下の気温に耐えられても、
霜に当てると… 傷む場合があります。
細かく実験していないので、何とも言えませんが、
とりあえず… すべての多肉に、霜対策をしておくのが無難です。
❸ 寒さに慣らすのも、寒さ対策
植物は、環境の急な変化に弱いとされています。
そのため、気温が低下しても…
「0℃」程度までは、屋外で管理したほうが、
その後の、温度低下にも強くなると感じます。
心配なら、屋内へ移動
初めての栽培では、不安もあるかと思いますので…
無理をせず、屋内へ移動させてOKです。
チャレンジャーな人は、
「-4℃… -5℃」まで、粘って頂ければと思います。
❹ 凍結の気温は、おおよその目安
目安となる気温を掲載していますが、
必ずしも… その気温になると、傷み始めるとは限りません。
同じ多肉でも、個体差や水分量など…
いくつかの要素が重なって、ダメージが表面化します。
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時間が無い人の、まとめ
多肉植物には、たくさんの種類がありますが…
「寒さに弱い」といわれている品種でも、
ダメージを負わない安全ラインは、「-3℃」です。
「-2℃」なら、なおさら安心なので、
このラインを守っていれば、グループや品種に関係なく…
どんな多肉植物(主にベンケイソウ科)でも、冬を越せます。
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それでは… グループ別に、順を追って紹介します。
◆ アエオニウム属
原種 & 品種の紹介
・黒法師 | ・カシミアバイオレット |
・夕映え(キウイ) | ・サンバースト |
・愛染錦 | ・ドドランタリス |
・八咫の鏡 | ・オーレウム |
・小人の祭り | ・伊達法師 |
・マルディグラ | ・フェスティバル錦 |
などなど…
アエオニウム属の、ダメージ目安
安 全 | ~ -3℃ | 水分が多めでも、傷みなし |
注 意 | -3℃ ~ -5℃ | 一部、傷む可能性あり |
危 険 | -5℃ ~ | 一部 ~ 全体の傷み。全損の可能性あり。 |
「-5℃」までが、無傷の限界
アエオニウム属の多肉では…
「-3℃」までが安全ラインです。
無傷を保つなら「-5℃」が限界ラインだと感じます。
どの種も、さほど変わらない
グループ内の品種でも、寒さに強いタイプ…
または、弱いタイプがあったりしますが、
アエオニウム属においては、
どれも、同じくらいだと感じます。
凍結した状態
- 下記の写真は「-7℃」を記録した後の状態です。
- 写真は、凍結した当日や、数日後の状態も混ざっています。
● 黒法師
▲ 大ダメージ
葉の8割が凍結。
茎と成長点が生きていたため、春に回復。
● エメラルドアイス
▲ 再起不能
成長点まで凍結したため、再起不能。
● 八咫の鏡
▲ 中ダメージ
葉の外側が、主に凍結。
茎と成長点が生きていたため、春に回復。
● 小人の祭り
▲ 大ダメージ
株の7割が凍結。
残りが生きていたため、春に回復。
● 夕映え(キウイ)
▲ 凍結の当日
▲ 凍結から2週間後
再起不能の状態です。
凍結の当日は、余り変化が見られない場合もあります。
凍結具合にもよりますが、
日に日に、葉がしなびれて枯れていきます。
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◆ カランコエ属
原種 & 品種の紹介
・月兎耳 | ・白うさぎ |
・福兎耳 | ・黒ウサギ |
・テディベア | ・パンダウサギ |
・ロンボピロサ | ・ミロッティ |
・唐印 | ・子宝草 |
などなど…
カランコエ属の、ダメージ目安
安 全 | ~ -3℃ | 水分が多めでも、傷みなし |
注 意 | -3℃ ~ -5℃ | 一部、傷む可能性あり |
危 険 | -5℃ ~ | 一部 ~ 全体の傷み。全損の可能性あり。 |
「-5℃」までが、無傷の限界
カランコエ属の多肉では…
「-3℃」までが安全ラインです。
無傷を保つなら「-5℃」が限界ラインだと感じます。
どの種も、さほど変わらない
カランコエ属といえば…
ウサギシリーズと、子宝草シリーズがよく知られています。
ほかにも、いくつかありますが…
どれも、同じくらいの耐凍性だと感じます。
凍結した状態
- 下記の写真は「-7℃」を記録した後の状態です。
- 写真は、凍結した当日や、数日後の状態も混ざっています。
● ウサギ・シリーズ
▲ 月兎耳(再起不能)
▲ 黒ウサギ(再起不能)
品種を含めると… 豊富なウサギ・シリーズですが、
どれも、寒さには強くありません。
ウサギっぽいフォルムの多肉には注意します。
流血したかのような… 福兎耳
▲ 初見では、ちょっとしたホラー
凍結の後… 赤い液体が、点々と付着していた福兎耳。
アントシアニンの色でしょうか…?
ちなみに… pHによって色は変わるようで、
アルカリ性ほど、紫色から青になるそうです。
● 冬もみじ
▲ 再起不能
子宝草のようなタイプも同様です。
「不死鳥」や「胡蝶の舞」など、
いくつかの品種があるので、似ているものは注意します。
● ロンボピロサ(姫宮)
▲ やや、寒さに強い感じ…
ロンボピロサは、黒と灰の2タイプがあるようです。
これまでのウサギシリーズや、
子宝草シリーズと比べると… やや強いと思います。
水分量・個体差で、凍ってしまう場合もある
左:再起不能 / 右:無傷
▲ 左:再起不能のポット
最低気温は「-7℃」ほどだったと思いますが、
左のポットは再起不能で…
右のポットは、無傷でした。
並べて置いておいても… 片方だけ凍結することもあります。
また、同じポットに複数の株が植えられた状態では、
その中の1株だけが、ダメージを負う場合もあります。
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◆ コチレドン属
原種 & 品種の紹介
・熊童子 | ・子猫の爪 |
・福娘 | ・ペンデンス |
・ふっくら娘 | ・オルビキュラータ |
・銀波錦 | ・チョコライン |
などなど…
コチレドン属の、ダメージ目安
安 全 | ~ -3℃ | 水分が多めでも、傷みなし |
注 意 | -3℃ ~ -5℃ | 一部、傷む可能性あり |
危 険 | -5℃ ~ | 一部 ~ 全体の傷み。全損の可能性あり。 |
「-5℃」までが、無傷の限界
コチレドン属の多肉では…
「-3℃」までが安全ラインです。
無傷を保つなら「-5℃」が限界ラインだと感じます。
オルビキュラータ系は、未確認
コチレドン属には、「福娘」や「銀波錦」といった、
全体がパウダーで覆われ…
あずき色のエッジを持った多肉が、いくつかあります。
このタイプも、たいして変わらないと思いますが… 凍る目安は未確認です。
凍結した状態
- 下記の写真は「-7℃」を記録した後の状態です。
- 写真は、凍結した当日や、数日後の状態も混ざっています。
● 熊童子
▲ 再起不能
株全体が凍結。
うつむいていたら… 望み薄。
● ペンデンス
▲ 大ダメージ
株の7割が凍結。
残りが生きていたため、春に回復。
春から、回復する様子
▲ 4月の様子
▲ 6月 ハイポネックスも使う
▲ 9月の様子
4月に、元肥入りの土に植え替え…
さらに、液肥(ハイポネックス)を、ちょこちょこ使っていました。
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◆ クラッスラ属
原種 & 品種の紹介
・ルペストリス | ・花月(シリーズ) |
・ペルシダ | ・パンクチュラータ |
・ゴーラム | ・ブロウメアナ |
・舞乙女 | ・リトルミッシー |
・レモータ | ・ワテルメイエリー |
などなど…
クラッスラ属の、ダメージ目安
安 全 | ~ -3℃ | 水分が多めでも、傷みなし |
注 意 | -3℃ ~ -5℃ | 一部、傷む可能性あり |
危 険 | -5℃ ~ | 一部 ~ 全体の傷み。全損の可能性あり。 |
「-5℃」までが、無傷の限界
クラッスラ属の多肉では…
「-3℃」までが安全ラインです。
無傷を保つなら「-5℃」が限界ラインだと感じます。
凍結した状態
- 下記の写真は「-7℃」を記録した後の状態です。
- 写真は、凍結した当日や、数日後の状態も混ざっています。
● リトルミッシー
▲ 再起不能
株全体が凍結。
「リトルフロッジー」や「サルメントーサ」も注意。
● ブロウメアナ
▲ 再起不能
株全体が凍結。
● ワテルメイエリー
▲ 大ダメージ
株の7割が凍結。
残りが生きていたため、春に回復。
● 舞乙女
▲ 再起不能
株全体が凍結。 薄いオレンジに変色しやすい。
斑入りの「ファンタジー」や、
見た目が似ているタイプも注意。
● 小米星
▲ 再起不能
株全体が凍結。
斑入りの「パステル」や、
「愛星」、「ルペストリス」も注意。
● 星の王子
▲ 再起不能
株全体が凍結。
「ペルシダ」、「シンガールブラ」も注意。
● 姫黄金花月
▲ 再起不能
株全体が凍結。
花月錦や姫花月など… ほかの花月シリーズも注意。
▼ 若干… 強いタイプかも…
クラッスラ属は、種類が多いので…
すべては把握してませんが、
下記の種は、リトルミッシーなどと比べると、
若干… 寒さに強い感じがします。
❶ 火祭り・紅葉祭り
「赤鬼城」も、同様だと思います。
❷ ムスコーサ・若緑
「テトラゴナ」も、同様だと思います。
❸ レモータ・ロゲルシー
「静の舞」「天狗の舞」も、同様だと思います。
他のクラッスラは、よくわかりません
他にも「紀の川」や「玉稚児」など…
変わったフォルムのクラッスラがありますが、
そのあたりは、よくわかりません。
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【参考】アロマティカス
▲ シソ科 プレクトランサス属
肉厚な葉っぱと、爽やかな香りを楽しめるアロマティカスですが、
こちらも「-3℃」程度なら… 十分に耐えられます。
最悪… 小ダメージくらいの凍結だと思いますので、
余裕を持って「-2℃」が安全ラインとなります。
再起不能までの様子
▲ -4℃前後では、凍らず
ほぼ毎日…「-3℃ ~ -5℃」あたりの気温でしたが、
特に、ダメージは確認していません。
「-7℃」で、撃沈
このまま、大丈夫かと思いきや…
「-7℃」まで下がった日に、再起不能となりました。
霜には、注意
予報が「0℃」でしたので、霜除けを設置せず… 屋外で過ごさせたら、
葉っぱの所々で… 痛みが発生していました。
霜は「3℃」予報でも、降りる場合があるので注意です。
理屈はわかりませんが、霜に当てないほうが無難
- 「-4℃」&「霜除け:有り」= 無傷
- 「 0℃」&「霜除け:なし」= 小ダメージ
霜だと、葉が傷んでしまう理由は謎ですが、
とりあえず、寒さに強くても… 霜除けを設置するか、
軒下に移動させておくのが、無難だと感じます。
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【まとめ】多肉植物は「-3℃」が目安
植物全体で比べると…
多肉植物は、寒さに強いグループだと感じます。
目安の気温が「5℃」前後の情報も見られますが、
おそらく、霜が降りない青空での数字だと思います。
実際に育ててみると…
霜対策をすれば「-5℃」までイケる感じです。
マージンを取れば「-3℃」になります。
多くの多肉植物が該当
「-3℃」を目安にするのは、
メジャーなベンケイソウ科の多肉なら…
7割以上が、該当すると思います。
残りの3割は… より寒さに強いタイプなので、
「-3℃」を基準にしていれば、
どんな多肉植物でも、深刻なダメージは負いません。
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最後になりますが、
多肉植物は、寒さに強い植物です。
まずは「0℃」まで、霜対策をして…
屋外で管理してみてはいかがでしょうか。