【よく解る】はじめての多肉植物と、楽しみ方

この記事は、多肉植物に興味があるけど…

そのまえに、

「多肉栽培のポイントを、ざっくりと知りたい…」

という皆様に向けた内容になります。

また、よくスルーされがちな…

多肉植物に対してのイメージと…

実際のギャップについても、詳しく紹介します。

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 はじめに

多肉植物といっても、色々とありますが、

今回、紹介するのは…

上の写真のような、セダムやエケベリアといった多肉植物になります。

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▼ 3つの特徴と、楽しみ方

ご覧の通り…

独特の存在感を持っている多肉植物になりますが、

特徴や楽しみ方を、3つ厳選すると… 下記になります。

  • ユニークなフォルム
  • 常緑と紅葉
  • 増やしやすい植物

❶ ユニークなフォルム

特徴的なのは、やはり「肉厚の葉っぱ」です。

「葉っぱ = 薄いモノ」という概念があるので、

多肉が持つ、肉厚な葉はインパクトが絶大です。

日本の慣習・文化では、出会えない植物

サボテンは、江戸時代から観賞されていたようですが、

それでも… 日本の慣習・文化では、

多肉に触れる機会は、ほとんど無いと思います。

非日常を楽しめる植物

多肉は、日常的に見るものでもないので、

既視感もなく… すべてが新鮮に映り、

「多肉植物なら育ててみたい」と感じる人も多いかと思います。

近くで観賞するのがオススメ

実際、手に取って見てみるとわかりますが、

意外と、多肉は小さいことに気付くと思います。

1ポットで、直径6cm ~ 8cm ほどの大きさです。

20cm ~ 50cmの距離がベストポジション

多肉の葉っぱは、近くで観るほど奇麗で、

粉が吹いているタイプもあれば、

艶のあるタイプ…

また、グラデーションが掛かっていることもあります。

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❷ 常緑と紅葉

▲ 2月の多肉植物

多肉植物は、基本的に常緑多年草なので、

1年を通して楽しめます。

葉の入れ替わりはありますが…

落葉樹のように、一度に葉を落とすことはありません。

 半永久的に、育てられる

常緑多年草の多肉は、

観葉植物と同じように、病気や水切れを起こさない限り、

枯れることはなく… 半永久的に楽しめます。

鑑賞のメインは、葉っぱ

多肉植物も、奇麗な花を咲かせますが…

鑑賞のメインは、葉っぱなので…

花芽が伸びたら、早めに摘んで、

栄養を葉に回すことも、よくあります。

紅葉が楽しめる植物

日本で紅葉が楽しめる植物といったら、

モミジやカエデ…

イチョウといった、いくつかの広葉樹しか思い当たりません。

多肉なら、自宅で紅葉が楽しめる

多肉植物の多くは、夏場はグリーンですが…

秋以降になると、奇麗に紅葉します。

自宅で育てれば…

毎日のように、紅葉した多肉を鑑賞できます。

紅葉のあとでも… 落葉しない

紅葉のあとは、

落葉してシーズンの終わり… というイメージがありますが

多肉植物は、葉が落ちることはなく、

フォルムをキープしたまま、春頃まで紅葉が続きます。

❸ 増やしやすい植物

植物には、球根や種まき、挿し芽といった…

いくつかの増やし方がありますが、

多肉には、多肉らしい増やし方もあります。

「葉挿し」という方法

多肉植物は… 葉っぱだけで、

親株と同じ姿に成長できる…

「葉挿し【はざし】」という繁殖方法があり、

これも、多肉植物の醍醐味となります。

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ざっくりですが… 以上の3つが、

多肉植物の特徴と楽しみ方となります。

特に、四季を感じる多肉の紅葉は… 

毎年の楽しみになるのではないかと思います。

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▼ イメージと現実の乖離

ここまでは、多肉植物の面白さやメリットを紹介してきましたが、

これから先は… 

多肉植物で苦労するポイントや、

多肉が持つイメージと、現実のギャップについて紹介していきます。

❶ こんな栽培は、厳しい

多肉に限らず、植物というと…

いつでも、元気に育つイメージがあり、

楽しい庭づくりなんかを、思い浮かべてしまいます。

ですが… 植物にも向き・不向きがあり、

その特性に合わせて、管理する必要があります。

 多肉植物では、特に厳しい内容

  1. 観葉植物の感覚で飾る、インテリアとしての多肉
  2. 多肉植物が盛り沢山のガーデニング

この2点は、けっこう… 想像しやすい内容かと思いますが、

実際は、かなりシビアになります。

かくいう自分も、多肉なら…

簡単に演出できるんじゃないかと思っていました。

❶ インテリアには向かない… 多肉植物

▲ 室内では不格好に育つ

観葉植物は、インドアグリーンとして定番ですが、

日照を必要とする多肉植物では、

陽当たりが弱い、室内での栽培には不向きです。

 陽当たりは、必須条件

多肉植物にとって、陽当たりは必須条件になります。

陽に当てなくても、育つことは育ちますが…

多肉らしいフォルムや、

秋の紅葉は楽しめませんので、注意が必要です。

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観葉植物より、手間がかかる多肉

観葉植物は、日陰を好むタイプや、

日陰に強いタイプも多いので、

置き場所の選択肢が豊富です。

しかし… 陽射しが必要な多肉は、管理場所が限られてしまうため、

2、3日ほど、室内に飾る場合を除いては、

インテリアとしての多肉は適しません。

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 デッドスペースも、注意が必要

屋外の場合でも…

空いているスペースに、多肉を植えたい場合、

ここでも、陽当たりを意識します。

日向の確保が、難しいところ…

多肉植物の管理には、

(晴れの日なら)1日のうち3時間でもよいので…

陽が当たる1等地を用意する必要があります。

❷ スルーされがちな、栽培環境

次に… もう1つの、よくあるイメージで、

「多肉植物が盛り沢山のガーデニング」になりますが、

これは「盛り沢山」という部分がポイントで、

「盛り沢山」には… しにくい理由があります。

水やりより… 環境・設備

多肉植物の栽培も、他の草花と同様に、

水やりなども大切ですが、

多肉を奇麗に栽培する為には、

まずは… 環境を選んだり、整えるほうが重要になります。

 多肉の量と、環境整備は比例する

整った環境が… 奇麗な多肉を育てる条件なので、

多肉の数が増えるほど…

整った環境や設備も、それに比例して増大します。

盛り沢山にするには… その分の環境整備も必要

多肉栽培は、陽射しだけでなく…

常緑という性質もあり、

温度や雨、風といった外的要因に、大きく左右されます。

そのため、多肉の数が増えれば増えるほど、

屋根づくりや、暖房器具の追加といった…

設備投資が必要になったり、維持管理も難しくなります。

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❸ 整った環境とは?

多肉の原産地は、メキシコやアフリカといった海外が主で、

日本の気候とは異なります。

そのため、日本で栽培する為には…

多肉が育ちやすい環境をつくる必要があります。

 環境づくりの必須条件

季節によって異なりますが…

多肉を栽培するうえで、対策が必要な項目がこちらです。

  • 陽当たりの確保
  • 強い日光を軽減させる、遮光【しゃこう】
  • 「-4℃」より冷えない環境
  • 長時間の雨を防ぐ屋根・庇

以上のように… 多肉植物は、

意外と注文が多いので、奇麗に育て続けるには、

・ 陽に当てないとダメ…

・ 強すぎる太陽もダメ…

・ 寒すぎる気温もダメ…

・ 雨の当たりすぎもダメ…

といったNG項目を、

季節によって、避けなければなりません。

温室植物園のような環境が必要

まとめると… 

多肉を盛りだくさんに植えて、1年中… 楽しむには、

ビニールハウスや、温室の植物園みたいな、

透明な屋根が付いた、巨大な箱を用意し…

その中で管理する必要があります。

 あくまでも… 盛りだくさんの場合の話

問題は… 

「移動できないほどの量を育てている場合」なので、

はじめから… 個人でハウスを建てたり、

土木工事をするレベルの話ではありません。

自宅に付随する環境で十分

多肉栽培の始めは… 自宅には備わっている、

ベランダや軒下、窓際などを、

有効的に活用するのが一般的です。

室内の側は、安全地帯

日照が不可欠な多肉栽培では、

屋外での管理が基本になりますが…

室内の近くなら、ゲリラ豪雨や氷点下の真冬でも、

比較的、すぐに避難できます。

そのため、多肉を枯らす確率を大幅に軽減できます。

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まとめると、整った環境とは…

陽が当たり、雨を防ぎ…

温度をコントロールしやすい場所となります。

そのため、多肉を増やせば増やすほど…

物理的な環境構築のハードルが、高くなってしまいます。

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❹ 環境づくりの例

はじめての多肉栽培では、

だいたい… 少数からスタートさせると思います。

少なければ少ないほど、

環境づくりに費やす設備や、時間もかかりません。

 窓際のケース

これは、とりあえず窓際に置いた状態です。

見た目はイマイチですが、

栽培環境としては抜群で、管理の負担も最小になります。

栽培にマッチした、すべての要素を満たしている

普通の窓際ですが…

多肉栽培に適しています。

  • 陽が当たり、日照をキープしている
  • 雨に当たらない
  • 冬でも、窓を閉めれば凍らない
  • 風が通る
  • 網戸で、遮光(光の軽減)が効いている

購入した多肉を、置くだけなので…

水やりなどの管理を除けば、

まったく手間は発生せず…

文句なしの管理場所になります。

 遮光【しゃこう】とは?

これまで、触れてきませんでしたが、

遮光【しゃこう】とは…

強すぎる陽射しを軽減させることで、

これも、多肉栽培では重要な環境づくりとなります。

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窓の外に、出す

続いて、窓の外に出してみました。

今度は… もう少し、数を増やすため、

自作の多肉置きトレーを作り、柵に吊るしています。

 管理は手間は、増えていく

春 ~ 秋は、遮光が必要

▲ メッシュ状の布で、遮光する様子

今回は、窓の外なので…

網戸での遮光が使えません。

その代わりに、陽射しをカットするメッシュ状の布(寒冷紗)を追加しています。

冬は凍るので、室内への移動が発生

▲ 出しっ放しは、凍る

真冬の話になりますが…

夜間に凍ってしまう場合があるので、

窓の外から、室内へ移動させるルーチンワークも発生します。

 台風や長雨の際も同様

増やし過ぎは… 大変

こんな感じで、ちょっと増やしただけでも…

日照が必要で、常緑の多肉は、

すぐに、手間が増えてしまいます。

多肉栽培以外の難度も上がる

また、管理する規模によっては…

棚や屋根を作るといった…

栽培以外の難度も急上昇します。

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❺ 多肉の管理に、移動は付き物

日照を補いやすいのは、

やはり、窓際より… 屋外やベランダなので、

多肉が増えてくると、

そちらにシフトすることになります。

また、はじめから… 屋外に置くこともあると思います。

 屋外 ⇔ 室内 のルーチンワークは仕方なし

陽射しが必要で、寒いのがダメな多肉は、

季節によって…

「屋外 ⇔ 室内」の移動をよく行います。

例えば… 冬の場合なら

朝になったら、陽の当たる場所へ移動させ、

夜になったら、室内へ移動させます。

雨の場合も移動させる

3月や11月あたりの、涼しい季節なら…

雨に当てても問題ありませんが、

梅雨から夏が終わるまでは…

徒長や蒸れの原因となるので、

なるべく、雨に当たらない場所へ移動させます。

移動の手間を省くには、
屋根を作るしかない

屋根付きのベランダであれば、

雨に濡れる心配は低いので… 移動の負担は軽減します。

ですが、庭で管理する場合は、

どうにかして… 屋根を作る必要があります。

 冬も移動したくない場合は、暖房も必要

簡単なのは、多肉の移動

屋根があると、とても便利なのですが…

大きいモノを作るのは大変です。

それよりは、負担にならないほどの量を、

しっかりと移動させたほうが、栽培も楽になります。

「鉢植え」での栽培が基本

野生の多肉植物は、自然の中で生きていますが、

日本で栽培する場合は…

移動させる必要があるので、

プラポットや素焼き鉢、コンテナでの栽培が一般的になります。

 花壇(地植え)は、限られたエリアのみ

▲ 育てても… 凍って枯れる

多肉植物は、耐暑性・耐寒性が、そこそこありますが、

特に… 真冬の氷点下に耐えらないケースが多く、

そこで枯らせてしまいます。

1年を通して… 花壇(地植え)に耐えられるのは、

「-5℃」以下にならない…

温暖なエリアに住んでいる場合に限ります。

宿根草タイプの多肉は、数少ない

多肉植物は、地上部を枯らせてしまったら… そこで終了です。

常緑の多年草ですが、宿根草のように、

冬にかれても… 春に復活することはなく、

暑さ(蒸れ)・寒さで、1発KOも珍しくありません。

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◆ 最後のまとめ

常緑の多肉植物は、

1年を通して楽しめるメリットがありますが、

メリットは… 管理するうえでのデメリットでもあります。

そのデメリットを解消するには、

適切な場所を選び… キャパオーバーさせないことが重要です。

栽培前のポイント

  • 陽が当たる場所を確保する
  • 多肉は、いつでも移動できるように管理する
  • 固定するなら… その場所の環境を、先に整える

これだけ知っておけば、

多肉植物を育てるベースはOKです。

あとは、水やりや植替えなど…

多肉に触れる栽培作業になります。

物足りない… と感じるくらいなら、トラブルは少ない

最後になりますが、

多肉が好む環境で育てれば…

だいたい、元気に育ってくれます。

反対に… 後先考えず増やしていくと、

多肉が苦手とする環境に置かれてしまうので、

増やした分だけ、トラブルも続出してしまいます。

多肉栽培を始めると、

どうしても増やしたくなりますが…

扱えるキャパを保つことが、多肉植物を長く楽しむコツになります。


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2018年の秋から多肉植物を楽しんでいます。これから始める皆様にとって、少しでも参考になれば幸いです。


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