この記事では、多肉植物の性質と、
観葉植物との違いを、簡単に紹介します。
どちらも、常緑ならではの魅力ある植物ですが、
美麗な状態を保ち続けるには、
個々の植物の性質を押さえて、栽培を始める必要があります。
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contents
▼ 多肉・観葉 大きな違い
「多肉植物」と「観葉植物」…
栽培するうえで、大きな違いはいうと… 下記の2点です。
- 水切れ(水やり)
- 日照の好み
パッと見で比べると… どちらも、同じ感じで育つ気もしますが、
意外と、環境の好みが違います。
大切なのは、それぞれの植物を区別し…
育ちやすい環境を整えてあげることです。
混同すると、枯れやすいので注意
多肉植物と観葉植物を、同じ環境で育てると、
どちらかに不都合なケースが多く、
夏や冬に、枯死させてしまう可能性が高くなります。
栽培の際は、それぞれの性質を理解したうえで管理することが大切です。
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それでは、1つづつ紹介します。
❶ 水切れ(水やり)
栽培するうえで、ぜんぜん違うな~!と、
感じるのが「水切れ」までの時間です。
水切れとは、水分不足によって葉がしおれたり、茎が垂れ下がる状態です。
水切れが早いと、そのぶん… 水やりの回数も増えることになります。
水切れが早い、観葉植物
▲ 一般的な植物の水不足
水を消費しやすい、一般的な植物は、
水やりを忘れると… 1日~数日程度で、くたびれてしまいます。
多肉植物は、しなびにくい
いっぽうの多肉植物は、分厚い葉に水分を蓄えるため…
水やりから1週間くらいでは、しなびることがありません。
健康的な栽培を無視すれば… 3ヵ月以上でも耐えてくれます。
ですので、多肉植物は水やりの回数が少なく…
手がかからない植物だと紹介されています。
多肉はCAM植物というグループ
多肉植物は、サボテンと同様に、
「CAM【カム】植物」というグループで、
葉や茎に水分を溜め込み、放出させない能力に優れています。
グループは、こちら
C3 植物 | 約90%の植物が該当 |
---|---|
C4 植物 | トウモロコシ、サトウキビなど |
CAM植物 | ベンケイソウ科、サボテン科の植物など |
植物には様々な「グループ分け」があって、
イマイチ把握しにくいのですが、
大雑把に押さえておけば十分です。
多肉植物 = ベンケイソウ科 = CAM植物
燃費が抜群の、多肉植物
車の燃費で例えるなら…
観葉植物の燃費が「10km/L」だとすると、
多肉植物は「100km/L」といっても大袈裟ではありません。
観葉植物の水やりが毎日なら…
多肉は10日に1度でも十分に育ってくれます。
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多肉植物でも、水は好き
多肉植物は、水の消費が遅いだけで…
水が苦手なわけではありません。
水分はコンスタントに与えたほうが、健康的に育ちます。
与えるタイミングは、土が乾いてから
水やりのタイミングは、早くても… 土が乾いてからが基本になります。
また、常に湿らせておくよりは…
乾燥を保ったほうが、奇麗なフォルムに仕上がる傾向です。
❷ 日照の好み
つづいて、日照に対しての性質です。
管理場所を、大雑把に分けるとすると下記になります。
- 多肉植物は… 陽の当たる屋外
- 観葉植物は… 陽が届く室内
多肉は、屋外管理が基本
多肉植物は、陽当たりを好むため… 日陰となる室内では奇麗に育ちません。
反対に、観葉植物は…
明るめの場所から日陰でも育ってくれるので、
室内でも、奇麗に栽培することが可能です。
植物の種類は、確認しておく
環境の好みが同じであっても、
種類によって、イレギュラーな場合もあるので、
ネットや書籍で、置き場所や日照時間を確認しておくのが安心です。
日照を確保するのは、大変な場合も…
どのような住宅でも、日陰のほうが多いと思います。
ですが… 多肉植物が好む、
常に陽が当たる場所というは… 住いによって限られてきます。
日向 = 多肉を管理できるスペース
実際に栽培するとなると…
日向を広く持っているほど、多肉植物の管理は楽になります。
この陽当たりの問題が、
お住いの都合上… 諦めなくてはならない部分でもあります。
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以上が、栽培するうえでの…
多肉植物・観葉植物の異なる2つのポイントでした。
「水やり」と「日照」の違いは、特に重要なので…
栽培する際は、植物への思い込みを無くし、
それぞれの最適な方法・環境で、管理する必要があります。
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▼ 多肉植物の成長サイクル
つづいて、多肉植物の成長シーズンについて紹介します。
多肉植物の原産地は、海外がほとんどなので、
自生している地域によって、成長するシーズンが異なります。
ここでは、多肉植物をメインに紹介します
❶ 成長しやすい季節
多肉植物は常緑なので、いつも成長している感じがします。
ですが、多肉の種類によって成長しやすい季節があり、
それに合わせて、栽培や管理も調整する必要があります。
- 春・秋 タイプ
- 夏 タイプ
- 冬 タイプ
購入した多肉植物が、どのシーズンに成長しやすいのか?
なるべく、参考書を購入して、だいたいの目安を把握する必要があります。
「春・秋 タイプ」が多い、多肉植物
一般的に多肉植物と呼ばれるグループは、
セダムやエケベリアなどを含む、ベンケイソウ科の植物が多く…
それらは「春・秋タイプ」です。
● ベンケイソウ科のグループ
▲ 黒法師【アエオニウム属】
・アエオニウム属
・エケベリア属
・カランコエ属
・クラッスラ属
・グラプトペタルム属
・セダム属
・パキフィツム属
などなどが、メジャーどころのグループです。
稀にイレギュラーもあり「黒法師」で有名なアエオニウム属は、
春・秋も成長しますが、冬が最盛期となります。
春と秋は、どちらも植替えや繁殖がOK
春と秋は、多肉自体も大きくなりやすい期間です。
また… 繁殖もさせやすく、
「挿し芽」などで増やしやすいシーズンになります。
❷ OFFシーズンには注意
成長シーズンの反対は、OFFシーズンとなります。
多肉植物の場合は… 主に、夏と冬が該当し、
春・秋に比べると、成長は抑えられ、
人間と同様に、管理にも気を遣うことが多くなります。
栽培サイクルも、区別が必要
多肉植物の管理は「春と秋」、「夏と冬」がセットのような感じです。
春と秋は成長しやすく管理も簡単ですが、
夏と冬は、それぞれの気候に合わせて管理する必要があります。
大きな成長が見込めない期間
OFFシーズンは、休眠期や半休眠期といわれ…
春や秋と比べると、大きな成長は見込めません。
多肉のサイズ的には、現状維持となります。
OFF期間の目安は、こちら
- 7月上旬~9月中旬
- 11月下旬~3月中旬
この期間では、植替えや繁殖作業を控えたほうが安全です。
多湿や低温に、気を遣う季節
多肉植物に限った事ではありませんが、
OFFシーズンは植物にとって、心地よい季節ではありません。
日本では、夏は高温多湿… 冬は氷点下となるので、
環境を整えてやらないと、どちらかの季節で枯らしてしまうことがあります。
夏は、必要以上の多湿に注意
多肉植物は、乾燥地帯に自生する植物なので、
乾燥が続くぶんには、大きな問題ありません。
ですが… 日本の高温多湿は好まず、
雨や過剰な水やりなどで、常に土が湿った環境は避けたほうが無難です。
冬は… 寒冷地、寒波に注意
多肉植物の多くは、霜の対策をしておけば、
「-3℃」くらいまで耐えることができます。
それ以降の温度では凍結する可能性が高まります。
ですので、寒冷地に住んでいる場合は、寒さに警戒する必要があります。
また、温暖な地域に住んでいたとしても…
寒波での凍結を警戒する必要があります。
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以上の内容から、多肉植物を始めるタイミングは、春か秋がオススメです。
成長シーズンの春・秋なら、
あまり管理知識が無くても、調子よく育ってくれます。
反対に、夏と冬の管理には知識が必要なので、
春・秋の期間で、少しづつ勉強しておくのが成功の秘訣です。
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◆ 最後のまとめ
多肉植物も観葉植物も、基本的な育て方は同じです。
また、繁殖の方法もあまり変わりません。
重要なのは… それぞれの性質を知って、しっかりと区別することです。
どちらが簡単かといえば… 観葉植物
やはり、日照が少なくても育ちやすい観葉植物のほうが、
失敗せずに栽培できると思います。
一方の多肉植物は、水やりが少なくて済むといっても…
美観が日照に左右されるので、室内管理には向きません。
また、水やりにもメリハリが要求されるので、
観葉植物より、栽培のハードルが高いように感じます。
両方を、育ててみると面白い
左:多肉 / 右:観葉植物
肉厚の葉を持つ多肉植物(セダム・虹の玉)と、
極薄の葉を持つ観葉植物(アジアンタム)。
日向で1週間ほど管理した後では…
セダムは元気に育っていますが、アジアンタムはチリチリなって枯れています。
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この2つの比較は、極端すぎますが…
どんな植物を購入しても…
その植物の性質を知ってから、栽培にチャレンジすれば、
1年を通して、長く楽しめるはずです。
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