この記事では「多肉植物の特徴と性質」について、
観葉植物とも比較しながら紹介していきます。
どちらも、常緑ならではの魅力ある植物ですが、
性質の違いから、1年を通して同じ場所で…
同じように育てることは難しいため、
多肉植物ならではの特徴を、事前に抑えておく必要があります。
記事の概要
- 多肉植物は保水性が抜群
- 陽当たりを好む植物
- 成長シーズンは「春・秋」がメイン
- 耐暑性・耐寒性は強い植物
- とても繁殖させやすい植物
ポイント
多肉植物は、陽射しを好み、水切れに強い常緑多年草です。
植物の中では、特徴も性質は独自のポジションに位置し、
1年を通して管理する必要があります。
そのため、観葉植物や他の草花と同じ感覚でいると、
上手に育たなかったり、夏や冬に…
枯死させてしまう可能性が高くなります。
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1 保水性(水やり)
まず、多肉植物が他の植物とは「ぜんぜん違うな~!と…
感じるのが「水切れ」までの時間です。
水切れとは、水分不足によって葉がしおれたり、
茎が垂れ下がる状態ですが、多肉は水切れしづらいのが特徴です。
観葉植物との違い
▲ 水切れしやすいアジアンタム
水を消費しやすい一般的な植物は、
夏に水やりを忘れると…
1日~数日程度で、くたびれてしまいます。
こんな経験をお持ちの方も多いかと思います。
多肉植物は、しなびにくい
いっぽうの多肉植物は、分厚い葉や幹に水分を蓄えるため、
水やりから1週間くらいでは、しなびることがありません。
健康的な栽培を無視すれば、
3ヵ月以上でも耐えてくれます。
そのため、多肉植物は水やりの回数が少なく…
手がかからない植物だと紹介されています。
多肉はCAM植物
多肉植物は、サボテンと同様に、
「CAM【カム】植物」というグループで、
葉や茎に水分を溜め込み、放出させない能力に優れています。
グループの内訳は、こちら
C3 植物 | 約90%の植物が該当 |
---|---|
C4 植物 | トウモロコシ、サトウキビなど |
CAM植物 | ベンケイソウ科、サボテン科などのいわゆる多肉植物 |
細かい事はさておき、水切れに超強いのが、
CAM植物というグループに入る植物たちで、
多肉植物やサボテンが代表格となります。
燃費が抜群の、多肉植物
車の燃費で例えるなら…
観葉植物の燃費が「10km/L」だとすると、
多肉植物は「100km/L」といっても大袈裟ではありません。
観葉植物の水やりが毎日なら、
多肉は10日に1度でも枯れる様子は見せません。
ただ、水が苦手なわけではなく、
コンスタントに与えたほうが、健康的に育ちます。
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2 管理場所(陽当たり)
つづいて、管理する場所になりますが、
多肉植物は、基本的に陽当たりを好むので、
室内ではなく、屋外での管理が推奨されます。
半日陰・日向が基本
観葉植物は日陰でも育ってくれますが、
多肉植物は「半日陰 or 日向」での管理が基本です。
日照不足になると、本来のパフォーマンスを…
発揮できないまま、微妙な感じで育ってしまいます。
半日陰 = 明るい場所 or 半日ほど陽が当たる場所
日陰では「徒長」という問題が発生する
日陰での栽培で、日照不足が続くと、
上の写真のような徒長【とちょう】という…
幹が伸びた状態が起きやすくなります。
▼ 徒長について
徒長について、もっと知りたい方は、
上記の記事をご覧ください。
場所の確保が大変
多肉に限った事ではありませんが、
管理する多肉が増えると、置き場所の確保が難しくなってきます。
多年草のため、枯らさない限り…
買えば買うほど増えていくのが多肉です。
「半日陰」以上の場所が必要
また、置き場所はどこでもよい訳ではなく、
日陰では綺麗に育ちにくいため、
半日陰以上のスペースを確保する必要があります。
そのため、置けるスペースはあるけど…
「陽があまり当たらない」といったケースに悩みます。
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3 成長シーズン
多肉植物は常緑なので、いつも成長している感じがしますが、
多肉の種類によって成長しやすい季節があり、
それに合わせて、栽培や管理も調整する必要があります。
- 春・秋 タイプ
- 夏 タイプ
- 冬 タイプ
購入した多肉植物が、どのシーズンに成長しやすいのか?
なるべく書籍を購入して、目安を把握する必要があります。
▼ オススメの書籍はこちら
多肉の「た」の字もわからないという方は、
多肉栽培の参考書を1冊でも読んでおくと、すぐに上達できます。
▼ この書籍の内容について
こちらの書籍の内容は、別記事で紹介しています。
「春・秋」タイプが多い
一般的に多肉植物と呼ばれるグループは、
セダムやエケベリアなどを含む…
ベンケイソウ科の植物が多く、それらはほとんど「春・秋」タイプです。
ベンケイソウ科のグループ
・アエオニウム属
・エケベリア属
・カランコエ属
・クラッスラ属
・グラプトペタルム属
・セダム属
・パキフィツム属
などなどが、メジャーどころのグループです。
イレギュラーもあり
▲ 黒法師【アエオニウム属】
稀にイレギュラーもあり…
「黒法師」で有名なアエオニウム属は、
春・秋も成長しますが、冬が最盛期となります。
冬は紅葉シーズン
多くの多肉にとって、冬は紅葉シーズンとなります。
夏の間はグリーンだった葉が、
赤やオレンジ、黄色に変わりやすくなります。
「夏顔」と「冬顔」
多肉植物は、夏と冬でフォルム&葉色が…
別モノの姿に見えるため、
それぞれを「夏顔」「冬顔」と表現しています。
または「夏姿」「冬姿」とも呼ばれます。
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4 耐暑性・耐寒性
多肉植物は全体的に、観葉植物と比べると…
高温・低温ともに強い植物です。
夏なら「45℃」ほど、
冬なら「-3℃」くらいまでは耐えてくれます。
種類によっては、さらに過酷な環境でも耐える
種類によっては、さらに厳しい気温でも耐えることが可能です。
例えば、上の写真の「センペルビウム属」の種類は、
-20℃以上の寒さにも耐えるそうで、日本のどこでも冬越しが可能です。
夏のほうが大変
夏と冬の管理では、それなりに…
手間のかかるポイントがありますが、
どちらが大変かというと、夏だと感じます。
直射日光が危険
先ほど「陽当たりが大切」と紹介しましたが、
夏の陽当たりは、多肉にとっても災害級なので、
この強すぎる陽射しをケアしていかなければなりません。
詳しくは下記の記事をご覧ください。
▼ 夏の対策・記事一覧
▼ 冬の対策・記事一覧
まとめますと、他の植物と比べれば…
暑さ・寒さに強いほうですが、
それでも、日本の夏と冬を越すには…
相応の対策をしないと、枯れてしまうケースが目立ちます。
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5 増やし方(繁殖)
多肉植物の増やし方は3つあります。
- 剪定【せんてい】
- 実生【みしょう】(種まき)
- 葉挿し【はざし】
剪定と実生は、他の植物でも定番の増やし方ですが、
多肉植物は「葉挿し」での繁殖も得意としています。
多くの種類で使える葉挿し
「葉挿し」とは、本体から取った葉っぱで…
クローンを作る栄養繁殖の1つです。
必ず成功するとは限りませんが、放置するだけで…
葉っぱから根と芽が伸び、土に挿すと根付いて育ちます。
▼ 繁殖・記事一覧
多肉植物は強健な性質のため、
かなり雑に扱っても、剪定と葉挿しだけで、毎年のように増やせます。
特に葉挿しでの繁殖は、たいへん面白く感じられると思います。
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【まとめ】まずは買ってみてください
多肉植物が、はじめての植物栽培であれば、
それほど、性質や育て方には違和感を感じません。
とにかく水持ちがよい植物なので、
夏でも1週間以上、水やりが不要です。
この水やりの感覚に慣れると、
他の植物の水やりは、面倒に感じまうほどです。
そのため、観葉植物や草花の栽培経験者が…
多肉栽培を始めると、かなりの違和感を感じるそうです。
100均でも買える多肉植物
最近では一部の100均でも流通するようになり、
ホームセンターでも取り扱いがあります。
価格は種類やお店によって異なりますが、
1ポット100円~1,500円ほどが相場です。
最後になりますが、多肉栽培を始めるなら…
梅雨と夏以外の季節がオススメです。
特に氷点下にならない涼しい季節では、
屋外に放置しておくだけでも、簡単に育ってくれます。
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