【気温別】冬の屋外管理と、その対策

この記事では、多肉植物を対象とした、

冬の管理方法(冬越し)のついて紹介します。

また、屋外での管理を前提とした…

(最低)気温別の対策も、合わせてご覧いただけます。

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◆ 環境の確認

まず、環境の初期状態(11月頃)として…

上の画像のように、青空での栽培とします。

霜除けは無く… すべて鉢植えでの栽培で、移動できる状態です。

 地植えは、除く

地植えの場合は、移動させることが出来ない為、

今回の記事では除かせて頂きます。

多肉の種類にもよりますが、

暖地以外で… 地植えする場合は、栽培に慣れてからが無難です。

 最低気温が目安

冬の対策は、翌日の「最低気温」予報を目安にします。

天気アプリでも、ローカルのテレビニュースでもOKです。

Yahooの天気情報は、当日分なら…

実際の気温も、時間ごとに確認できるので便利です。

地面付近は、
予報より「-2℃」を見積もる

地表付近は、冷気が溜まりやすいので…

天気や風によっても異なりますが、

予報の気温より「-2℃」低く、見積もっておきます。

例えば… -3℃予報なら、地面付近は「-5℃」と考えます。

 晴天で無風の翌朝は… 放射冷却に注意

天気予報からも察知できますが、

日中… 晴天・無風で過ごしやすい場合は、

翌朝の放射冷却に注意します。

風が吹いているほうが、

溜まった冷気が混ざるので、気温差は少なくなります。

地植えは、ダメージを負いやすい

以上の事から、多肉を地植えした場合…

放射冷却の影響を受けやすく、

真っ先に、ダメージを負ってしまいます。

栽培場所の気温を、実際に確認

天気予報でも、十分に目安となりますが、

屋外で管理する場合は…

お住いの地域の気温だけではなく、

「多肉を管理している場所の気温」も確認してみます。

ズレの度合いをチェック

例えば… 管理人が住んでいる、

「上野原市」の最低気温が「-1℃」でも、

実際に、多肉を置いている場所は「-3℃」かもしれません。

どちらも、ほぼ同じ気温であれば問題ありませんが、

後者の気温のほうが低くなる場合は、

その分をふまえて、対策も変更します。

 計測は、多肉植物と同じ高さで行う

正確な気温を計りたい場合は、

多肉と温度計は、同じ高さにします。

多肉を地面に置いているなら… 温度計も地面の高さにします。

最低気温を計るには「最高・最低温度計」が便利です。

 12月でも寒波に注意

2020年はレアなケースで、

12月中旬に「-6℃」の寒波がやってきました。

ここまで下がってしまうと…

いくつかの多肉のグループでは、

大ダメージ または 再起不能となってしまいます。

「-2℃」前後に慣れていると、危ない

-2℃程度なら… ほぼ多肉へのダメージはありません。

そのため、屋外での管理も自然と慣れていきます。

ですが、「-6℃」は別モノの寒さなので、

そのままの対策では、翌朝… えらい事になってしまいます。

 3月も警戒が必要

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◆ 確実な冬越しなら、屋内へ移動

気温に関わらず… 一番、確実で安心な方法は、

0度以上の室内へ移動させることです。

移動の手間はかかりますが… 凍結で多肉を失う心配はありません。

 冬越しで、悩む必要は無し

室内へと移動させれば、凍結の心配は無くなります。

管理方法は、秋の延長となり…

水やりは、好きなタイミングで、たっぷり与えても問題なしです。

また、多肉にとっても、

過度な負担がなくなり、ベストな環境となります。

ローテーションは、仕方ない

室内へ移動させた場合は…

翌朝に、外への移動とセットになります。

そのため、毎日のローテーションが発生しますが、

それも、管理作業の1つとなります。

日中は、陽に当て… 寒さにさらす

多肉植物といえば… 紅葉が楽しみの1つです。

奇麗に紅葉させるには、

適度な日光と… 適度な寒暖差が必要なので、

日中は、屋外管理をおすすめします。

移動するタイミング

まず、室内へ移動するタイミングになりますが…

日没後や、帰宅後でOKです。

また、氷点下になるまで待っても大丈夫です。

 多肉の、しまい忘れには要注意

 室内のスペースも確保する

室内へ移動させる場合は、

室内にも… スペースを確保する必要があります。

自宅や環境により異なりますが、

毎日、出し入れしても… 苦痛にならない量が、

楽しく管理できる目安となります。

翌日になったら、再び… 外へ

早朝でも「0℃」近くまで、気温が上がっていれば心配ありません。

くもり・雨の日もあると思いますので、

その場合は、1日中… 室内でOKです。

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◆ 最低気温と耐寒性

手間を考えると、1年中… 屋外で管理したいところですが、

お住いの地域の気候によって異なります。

やはり… 寒冷地ほど、屋外で育てられる期間は短くなります。

 毎日「-5℃以下」は厳しい

多肉の耐寒性は強いほうですが、

それでも… 毎日「-5 ~ -10℃」の気温では、

屋外管理は厳しいと感じます。

暖地のほうが、管理しやすい

反対に… 寒波でも「-5℃」が最低気温のエリアなら、

ほとんど無傷で、屋外管理が可能です。

多肉植物の耐寒性

多肉植物とは… 一般的に、

ベンケイソウ科に属するセダムやエケベリア、

アエオニウムなどのグループが該当します。

ベンケイソウ科のグループはこちら

耐寒性は、
グループや種によって異なる

多肉のグループは、いくつもありますが…

どれも「-2℃」くらいなら安全ラインです。

それより下がっても… 凍らない多肉は、いくつもありますので、

下記の記事で、まとめています。

それでは、(最低)気温別に…

冬の管理・対策を紹介していきます。

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◆ 3℃ 予報の対策

まず「3℃」予報ですが、この気温なら… 特に対策の必要はありません。

置き場所や、水やりを含め…

管理方法は、秋からの延長で大丈夫です。

地面に置いてもOK

3℃予報なら、地面付近の温度でも…

1℃はありますので、どこに置いても大丈夫です。

水やりは、たっぷりでOK

凍結の心配はありませんので、

朝でも夜でも、水やりはたっぷりで大丈夫です。

 霜が降りる可能性

「3℃」になると、霜が降りる可能性がありますが、

レアなケースだと思います。

霜では、痛まないはず…

▲ 一晩中、雪で埋もれた状態

▲ 凍結の様子は無し

雪の中で、一晩… 過ごさせたセダムですが、

凍結のダメージはありません。

上記の事から、霜でダメージを負うケースというのは… 少ないと感じます。

直接の原因は「-7℃」クラスの低温

多肉に致命的なダメージを与えてしまうのは、

霜や強風の影響ではなく…

凍結させるほどの低い気温が、一晩中… 続くことだと思います。

 霜には、当てないほうがよい理由

これについては、明確な理由が探せず…

「なんとなく、霜には当てないほうが無難」といった感じです。

たくさんの種類を試した訳ではありませんが、

寒さに強いタイプほど、霜の影響は少ないと思います。

センペルビウム属は、大丈夫

▲ センペルビウム属の多肉

センペルビウム属や、セダム属(マンネングサ系)など、

強・耐寒性の多肉植物なら、霜の影響も受けません。

特にセンペルビウムは、例外的で…

凍結の心配は無く、どの地域でも屋外で育てられます。

アロマティカスは、念のため注意

▲ 写真はシルバーグラスという品種

アロマティカスや… それと似た植物は、意外と寒さに強く、

「-3℃」ほどでも凍らず、ダメージもありません。

ですが… 霜に当てると傷む気がします。

上の写真では、右側の数ヵ所だけ、

ダメージを負った部分がありますが、霜の影響かもしれません。

最低気温「3℃」の対策
  • 管理は、秋の延長でOK
  • 霜除けは不要で、青空の下でも管理可能

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◆ 0℃ 予報の対策

続いて「0℃」予報になりますが、

実際の気温が「-1℃」になったとしても…

気温的には、まだまだ安心できます。

地面に置くのは、なるべく避ける

0℃予報なら、地面付近は「-2℃」まで下がる可能性があります。

ですが、この程度なら…

どんな多肉も、ダメージは無いと思いますが、

念のため… 寒さに弱い多肉ほど、控えた方が無難です。

水やりは、たっぷりでOK

「0℃」になると、凍結が心配になりますが…

実際の気温が「-1℃」でも、

ほとんど、心配いらいないと思います。

霜の対策

▲ 寒冷紗を被せた状態

「3℃」に比べると… 霜が降りる可能性は高まります。

多肉によっては、過保護すぎる場合もあると思いますが、

念のため… すべての多肉を、対策しておくのが無難です。

モノは、何でもOK

霜除けとしては… ビニールや布でも大丈夫ですが、

メッシュ状の布(寒冷紗)が、

汎用的で、使い回しも簡単だと思います。

使用する際は、風で飛んで行かないように注意します。

軒下に移動も、手段の1つ

覆う以外にも… 多肉を軒下への移動させるのもアリです。

この気温なら、室内ではなく…

外の軒下でも十分なので、寒冷紗などを被せる必要はありません。

 霜は降ってくるもの

降っている霜は見えませんが、

雨や雪と同じで、上から降ってくるものです。

そのため、上部だけ覆っていれば霜対策になります。

霜の吹き込みに、注意

軒が短かい場合は… 霜が吹き込みやすいので、

シートや寒冷紗などで、遮断させる必要があります。

最低気温「0℃」の対策
  • 地面の直置きは、寒さに弱い多肉を中心に… なるべく避ける。
  • 水やりは、たっぷりで大丈夫
  • 霜除けは、行ったほうが無難
  • または、軒下へ移動させるのも有効。

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◆ -3℃ 予報の対策

続いて「-3℃」になります。

確実に氷点下となりますが… まだ、屋外管理でも大丈夫です。

「ちょっと心配…」という場合は、屋内へ避難させます。

 地面に置くのは、避ける

-3℃予報なら、地面付近は「-5℃」まで下がる可能性があります。

アエオニウムやカランコエ属の多肉は、

1mほど、高い場所に置いたほうが無難です。

ラックなら、優先順位をつける

棚やラックであれば、上段ほど…

寒さに弱いタイプの多肉をおすすめします。

また、強いグループの中でも、

弱い種があるので、栽培している場合は注意します。

 水やりに、気を遣う段階

-3℃となると… 同じ多肉でも、

水分量により凍結具合が変化します。

水を吸っているほうが凍りやすいので、

水やりには、気を遣うことになります。

2ヶ月ほど、断水しても大丈夫

多肉なので… どのグループでも、

2ヶ月ほど断水しても大丈夫です。

ただ… 水分を失うほど、葉は痩せてしまいます。

 加減が難しい

水を与えつつ… 凍らせない水やりは、

かなり難しいと思います。

まず、事前に… 多肉ごとの耐寒性を知る必要がありますし、

苗のサイズや、多少の犠牲を考慮する事も必要です。

水やり後の凍結が心配なら、室内へ

水やりをした多肉が心配な場合は、

5日ほど、夜間は室内へ移動させます。

水やりのローテーションを組めば、

室内のスペースを確保しつつ、移動の手間も軽減できます。

最低気温「-3℃」の対策
  • 地面の直置きは、避ける。
  • 水やりの加減は、難しくなる
  • 水やり後の凍結が心配なら、室内へ
  • 霜対策は、行ったほうが無難

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◆ -5℃以下 予報の対策

最後は、最低気温「-5℃以下」での屋外管理です。

対策は、「-3℃」と同様となり、

置き場所や、霜対策、水やりに注意します。

 最低気温「-5℃」は、凍結の境目

-5℃なら、先程の「-3℃」と2℃しか変わりませんが、

凍りやすい多肉は…

ダメージを負ってしまう可能性があります。

寒さに弱いタイプは、屋内に退避
  • アエオニウム属
  • カランコエ属
  • クラッスラ属
  • コチレドン属

上記、4つのグループに属した多肉は、

-5℃でも、ギリギリ耐えてくれると思いますが、

室内へ移動させたほうが安全です。

また、他のグループでも…

寒さに弱い種があるので、そちらも対応します。

 「1℃」の差が大きい

「-3℃」なら、どんな多肉でも、

「まぁ、安全かなぁ」と思うレベルですが、

「-5℃」になると… 一転して気を遣うことになります。

1℃下がるごとに、被害は拡大

-5℃より冷えると…

耐えられない多肉が続出してきます。

そして「-7℃」を越すと、

半分以上の種類は、小ダメージ ~ 再起不能になると思います。

-7℃の予報だったら…

-7℃でも、エケベリア属やグラプトペタルム属の多肉なら、

なんとか耐えると思います。

ですが… 防寒対策を行ったとしても、

「-5 ~ -10℃」の予報が続くようなら、

-5℃の時点で、屋外管理には見切りを付けたほうが安全です。

これ以上は… 屋内化が必要

もし… 寒さを苦手とする多肉を、

-7℃以下でも、屋外で管理したいという場合は…

ハウスのような建物が必須です。

さらに… ストーブ等で温度を上げる必要もあります。

こうなると、もはや屋外ではなく… 屋内となってしまいます。 

 保温だけでは、限界

シートなどで完全に囲んでも、

徐々に熱は奪われ… 予報の気温まで下がってしまいます。

たとえ、予報より2℃ほど暖かくできても…

-10℃予報なら、かなり厳しくなります。

発泡スチロールの外壁でも冷える

こちらは、厚さ1.5cm の発泡スチロールで壁と屋根を作り、

その中で、多肉を管理していましたが、

-7℃の日に、弱い多肉は凍結していました。

シートなどで囲むと… 見た目は暖かそうですが、

夜間の冷え切った車内と同じで、

思った以上に… 保温の効果は続きません。

逆に、冷気を保った冷凍庫のようになってしまいます。

最低気温「-5℃以下」が続く場合
屋外での管理は難しい
  • 対策をしていても「-5℃」では、寒さに弱い多肉にダメージあり
  • さらに… 1℃下がるごとに、多肉の生存率も低下する
  • 外壁やシートで囲っても、保温は長続きしない

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以上… 気温別による、冬の管理と対策になります。

エケベリアだけの栽培なら…

-7℃でも耐えることができますが、

他の多肉も育てている場合は、

-5℃で、屋外管理は止めたほうが安全です。

-3℃予報であれば、なおさら安全になりますが、

水やりの加減や、置き場所によって…

ダメージを負ってしまう事もあります。

そのあたりは… 慣れや勘に頼ることになってしまいますが、

徐々に気温が下がっていけば、

一夜で、完全に凍り付くことはなく、

事前に、凍りそうな症状を察知できます。

最後になりますが、

急な寒波には注意しつつ… 屋外での栽培も、少しづつ慣れて頂ければと思います。

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