この記事では、多肉植物などの防寒対策として使われる…
プチプチや防水シートの保温力について調査しています。
1枚だけでも、それなりに保温してくれるケースはありますが、
最低気温によっては、3重…4重で覆わないと…
多肉を凍害から守ることができません。
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◆ 環境の紹介
防寒対策の参考例として、上の写真の小屋でテスト。
屋根はありますが、正面と両サイドは何も覆っていない状態です。
ここに、防寒グッズを覆って気温の変化を確認していきます。
防寒仕様に変更
▲ close
▲ open
防寒仕様は、全体をシートで囲んだ状態となり、
極力、すきま風が入らない造りです。
日中はオープン状態で、夜は閉めています。
シートは普通の防水シート
シートは市販の防水シートです。
園芸用のビニールシートより厚く、耐久力もあります。
天井は「波板 + 園芸用シート」
天井は陽当たりを重視するため、
透明の波板にプラスして、
透明の園芸用ビニールシートを使用しています。
内部はプチプチを追加
シート内部は、プチプチを最大3重にして使用。
最低気温に合わせて…
「0 ~ 3枚」の間で調整しています。
プチプチも普通のタイプ
商品によって厚み・種類が異なるようですが、
今回、使用したタイプは…
2層(D37)で一般的なものだと思います。
【合計】4重のシート
以上のように、正面とサイドは…
最大の防寒対策としては、下記の仕様となります。
- 防水シート × 1枚
- プチプチ × 3枚
また、天気予報の最低気温を確認しながら、
被せるプチプチの枚数を調整しています。
やはり、被せる枚数が多いほど、手間や時間がかかります。
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◆ 実験日は、-9℃
管理人の住むエリアでは、ほぼ限界となる…
最低気温「-9℃」でチャレンジしています。
ここまで下がるのは、年に1回程度となりますが、
それでも、-5℃くらいまでは頻繁に下がります。
天気予報の気温は「-7℃」
事前の予報では「-7℃」で、実際の気温も「-7℃」。
ですが、管理人の置き場所では…
-9℃まで下がっており、2℃ほど予報とはズレがありました。
だいたいマイナスに振れる
管理人のケースでは「Yahoo天気」と比べ、
「0 ~ -3℃」のズレが生じます。
寒さに弱い多肉では、-5℃がデッドラインなので…
-3℃予想が、-6℃になっていたら、かなり傷んでしまっています。
観測場所は3ヵ所
続いて、最低気温の観測場所を紹介します。
1 屋外の気温(外気温)
小屋の外に吊り下げた温度計で測定。
ここが最低気温となる「-9℃」です。
2 シート+プチプチ1枚の中
写真では、ちょっと紛らわしいのですが、
シートの内側の、さらにプチプチ1枚分の中です。
外からは、シート1枚+プチプチ1枚の中で…
合計2枚越しの場所になります。
3 プチプチ【3重】の内
実際に、多肉を置いている場所の気温です。
外からは、シート1枚+プチプチ3重の中で…
合計4枚越しの場所になります。
温度計は統一
使用した温度計は、外観は異なりますが、
すべて同じメーカー(センサー)ですので、誤差もほとんどありません。
温度計の詳細はこちら
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◆ 観測結果
観測結果は、温度計が記録したログを掲載します。
ちなみに、当日は23年1月25日の夜~翌朝で、
「最強寒波 到来!」とか…
「10年に1度の…」などと表現された日になります。
屋外の気温(外気温)
(※ 赤いラインは氷点下の時間帯)
最低気温は「-9.2℃」
20時ですでに「-5℃」まで下がっています。
もし、寒さに弱い多肉を外で放置したら、
この時点で、少なくても凍害の兆候があらわれてきます。
取り込み忘れたら絶望的
まれに、やってしまうのが…
忘れてそのまま放置してしまうことです。
-9℃では、アエオニウムやカランコエなどは絶望的で、
エケベリアでも、ただでは済まないと思います。
シート内の気温
最低気温は「-6.7℃」
外との気温差は「2.5℃」でした。
防水シートとプチプチを1枚づつ覆った状態ですので、
1枚あたり「約1.2℃」となります。
グラフの気温変化は滑らかに推移
寒いことには変わりがありませんが、
シートなどに覆われていると、
風と冷気の影響を受けにくいので、気温グラフも滑らかに推移します。
プチプチ【3重】内の気温
最低気温は「-3.0℃」
外との気温差は「6.2℃」でした。
また、シート内との差は「3.7℃」で、
プチプチ1枚あたり「1.8℃」の保温となりました。
最も外側のプチプチより、やや保温が効く
やはり、最深部ほど保温が効くようで…
若干ですが、外側のプチプチより内側のほうが良い結果となりました。
「-3℃」は安全ライン
今回の実験で、多肉へのダメージはありません。
管理人は「-3℃」は、どんな多肉も…
凍害に遭わない安全ラインとしています。
また、グラフを見ても一晩中「-3℃」ではないので、
そこそこ安心できる気温変化だと感じます。
もし、-10℃越えなら追加シートが必要
今回は「-9℃」で済みましたが、
もし、-12℃…-15℃だったら…
寒さに弱い多肉は、少なからずダメージを負っていたと思います。
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◆ 考察&おすすめの対策
以上の実験結果から、使用した防水シートや…
プチプチシートの保温力はMAXで「2℃ほど」あるかと思いますが、
この実験は1例に過ぎません。
シート1枚だけでは、まったく保温が効かないケースもよくあります。
最低気温が教えてくれる
防寒対策として機能しているかは、
実際の多肉の様子を観るのが、最もわかりやすいと思います。
ですが、防寒グッズの保温性は不明ですし、
他のエリアでは通用しない可能性も十分にあります。
そこで「絶対的な基準」となる最低気温を測ることで、
自分の環境において、必ず多肉を守れる防寒対策を知ることができます。
自分の環境でチェック
購入した防寒グッズは、人によって発泡スチロールだったり…
育苗ケースなども含まれるかと思います。
肝心なのは、防寒グッズの保温力のチェックです。
「そのグッズを使った結果、何℃になるのか?」をチェックします。
大寒波で、盛大にやられる
普段は「-1 ~ -4℃」が多いエリアでは、
シート1枚でも十分に間に合うかもしれません。
ですが、たまにやってくる大寒波で…
それを続けてしまうと、翌朝には悲惨な光景を目の当たりにします。
-3℃の壁を死守
弱い多肉でも「-3℃」までに抑えれば、ほぼ凍害はありません。
ですので、逆算して…
「防寒グッズをどれだけ使えば、-3℃で収まるのか?」…
という実験を日頃から行っておくと、余裕を持って対応できます。
(※ 心配なら0℃を目安にすると確実)
隙間があると、保温しにくい
何枚もシートで覆っても、保温できない場合は…
すきま風が入っている可能性があります。
隙間が多きく広いほど、熱はすぐに奪われてしまいます。
保温しかできない
注意点としては、シートやプチプチで覆っても…
保温することしかできず、内部を温めることはできません。
そのため、どれだけ中の温度を保つかが勝負になります。
暖かい日中に覆えば、保温は持続しやすい
例えば、15時(10℃)に覆ってしまえば…
深夜になっても、予報より高い気温をキープできます。
ただ、最低気温と防寒グッズによって…
大きな差が発生しますので、ある程度は経験も必要となります。
閉めっ放しも、重大な事故に繋がる
シートで覆った際の注意点としては、閉めっぱなしの放置です。
透明度の高い資材で、覆うことが多いと思いますので、
陽が当たり始めると、あっという間に30℃を超え…
40℃以上になっても不思議ではありません。
(※ くもりの日は大丈夫)
夏の「蒸れ」に襲われる
▲ 2月でも蒸れる
閉めっ放しによる気温の急上昇で、
暑さに弱い多肉や、耐久力が劣る個体は蒸れる可能性があります。
高温を放置する時間が長いほど危険です。
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【まとめ】保温力をチェックしよう
最後のまとめとしまして、購入した防寒グッズは、
保温力のチェックをしておくのがオススメです。
最低気温によりますが、おそらく…
1枚では効果が無く、重ねれば重ねるほど保温性は向上します。
気温のデータ取りがオススメ
毎日、防寒後の気温を測っておくことで…
データの蓄積と、気温を元にした判断基準を獲得できます。
地域によって最低気温は大きく異なりますし、
購入する防寒グッズも人それぞれなので、
大寒波では、耐えられないことも十分にありえます。
小型のデジタル温度計が便利
内部の気温を測るなら、縦長のアナログタイプでは…
都合が悪いので、小型のデジタル温度計を使用します。
スマホ同期&温度変化も残したいなら、こちら
家の中からスマホで温度を確認したい場合や、
温度変化をグラフで残したいなら、上記の温度計がオススメです。
冬越しマイスターへの道
冬の温度管理で確実なのは、最低気温に影響されない対策で、
それが、最低気温に合わせた防寒対策になります。
データ取りは、ちょっと面倒かと思いますが、
温度計を置いておくだけで済みます。
また、データが蓄積すれば年々、冬越しが簡単に感じますし、
同じてつを踏むこともありません。
ぜひ、防寒グッズを購入したら…
対策後の最低気温をチェックしてみてください。
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