この記事では… 多肉植物の「冬越し」を目的とした、
市販の「ビニール温室」について紹介します。
たいへん便利なアイテムですが、
温室のサイズや、立地に影響されるので、
メリット・デメリットを把握して、運用する必要があります。
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ビニール温室は、このようなタイプ
ホームセンターやECサイトでも、
普通に販売されている家庭用のビニール温室で、
大小ありますが… 構造は同じです。
なお、管理人はビニール温室を使用した経験はあまりません。
DIYの「小屋づくり」と、多肉の「冬越し」で感じたことを、
フィードバックしたものですので、参考程度にご覧ください。
管理人の「小屋仕様」は、こちら
![【冬・仕様】ブログ管理人の環境づくり](https://yamanashi-taniku.com/wp-content/uploads/adminwinter-00-120x120.jpg)
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注意❶: 温室の限界
まず「ビニール温室」という… 暖かそうな名前ですが、
夜中でも、暖かくできる訳ではありません。
基本的に… 熱源は「陽射し」なので、
外気温が低いほど、温室内の気温も低くなります。
保温は、長く続かない
日中… 陽射しがあれば、内部の気温は上昇します。
ですが、陽が落ちると…
あっという間に気温は下がり、いずれ外気温と同じになります。
3℃前後は、保温できるかも…
管理人の自作小屋では…
外気温「-5℃」のとき、内部は「-2℃」なので、
3℃の保温が効いています。
ですが… 環境や製品によって異なる為、
自分の環境下で試してみないと確認ができません。
温室内でも、ふつうに凍る
他の植物でも同じですが…
住んでいる場所の気温がベースとなります。
暖地では凍らなくても、
中間地、寒冷地では凍結しやすいので、
まずは、お住いのエリアの最低気温を確認しておく必要があります。
防寒対策のポイント
防寒対策で肝心なのは… 対策前と対策後の気温です。
「箱やビニールで覆れば大丈夫!」ということではなく…
「凍らない気温になっているか?」という結果を、
しっかりと確認することが重要です。
「-3℃」までなら、どんな多肉でも大丈夫
ビニール温室を購入しても…
その中が「-5℃」まで下がってしまうと、
寒さに弱い多肉では… 枯れたり、ダメージが残ります。
そのため… どの多肉でも、凍害を気にしたくない場合は、
温室内を「-3℃」までに抑える必要があります。
ストーブの稼働
温室自体の保温効果で間に合えば、それに越したことはありません。
ですが、お住まいのエリアによっては厳しくなるので、
ストーブ等の暖房を稼働させる必要があります。
このあたりは、生産者さんと変わらないと思います。
環境次第で、
「冬越し」が超・簡単になる
ビニール温室とストーブの両方を購入しても、
費用対効果を考慮すれば、
そこまで高い買い物にはなりません。
問題は… 温室のサイズ
ストーブを使うなら、4畳ほどのサイズは欲しくなります。
すると今度は… 設置場所に難儀したり、
強風や台風、大雪が心配になってきます。
厳しい寒さでは、ランニングコストが負担に…
また… 灯油台が、月に1,000円程度なら、
冬季だけなので、安いほうだと思います。
しかし、5,000円となると…
個人レベルでは、悩むところになりそうです。
管理人のストーブ事例は、こちら
![【冬・仕様】ブログ管理人の環境づくり](https://yamanashi-taniku.com/wp-content/uploads/adminwinter-00-120x120.jpg)
多肉小屋に、ビニールを張って温室化し、
ストーブを設置した事例となります。
ここまでの、まとめ
ビニール温室は、庭に余裕があれば…
建てておいても損はないと思います。
ただ… 保温効果は、
お住いのエリアや製品で異なるので、
実際に購入して、内部の温度を確認する必要があります。
「多肉用として機能するのか…?」
「それとも、倉庫になってしまうのか…?」
使ってみないと分からないのがネックとなります。
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注意❷: 突風・台風
次に注意したいのが、突風で飛ばされる件です。
家庭用のため、組み立てやすい反面…
日常の突風でも、吹き飛んでいく可能性が十分にあります。
対策 ①
ブロックを重石として使う
W:122cm × D:186cm × H:190cm
例えば… 上の写真の温室サイズなら、
ホームセンターで、コンクリートブロックを購入します。
そのブロックを、地面と接するフレームの上に置くか…
ロープなどを使い、フレームに括り付けます。
これで、本体の浮き上がりを防げます。
対策 ②
ロープで地面と固定する
テントでも、よく見かける強風対策です。
上の写真のように…
はじめから、ロープとペグが付属している商品もあります。
この仕様では、4方向から引っ張り合っているので、
背の高い温室でも、より強風に耐えることができます。
地面に挿せない場合は、ブロックを使用
地面がコンクリでペグが挿せない場合は、
コンクリートブロックを重石として使用し、
ロープで巻き付け固定します。
ブロックは、1ヵ所に対して4コほど必要です。
全体を固定して、耐久性アップ
このような感じで… 下部と上部のフレームを固定してあげと、
強風による変形・破損を抑えらます。
見た目はイマイチになりますが…
最低限、やっておきたい強風対策です。
どんなサイズの温室でも、飛ばされやすい
小さな温室でも… 大型サイズでも、
もとが軽量なため、飛んでいってしまいます。
大型になるほど… 風をうける面も広くなるので、
相応の重石やロープでの固定が必要です。
なお、コンクリートブロックを購入した場合は、
1つ100円ほどで、若干の費用増となります。
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注意❸: 温室内の高温
凍害以上に気を付けたいのが、閉め切りによる高温です。
真冬で… 半日程度の陽射しなら大丈夫ですが、
冬以外では、蒸れて全滅する可能性が高くなります。
絶対に、忘れることは許されない
早朝の気温が氷点下であっても、
天候・環境によっては…
10時を過ぎると「30℃」を超えてきます。
確実に… 曇り・雨の1日なら、閉め切りでもOKですが、
晴天時の開け忘れは、超・危険です。
たった1回の「うっかり」で、
大切な多肉を失う可能性は、大いにあります。
夏は、工夫する必要があるかも…
付属するビニールシートですが…
1か所だけ大きな扉はあるものの、
風が抜けず、真夏では高温になりやすいと思います。
夏仕様も考えておく
春頃になったら、付属のシートを外し…
屋根や上部だけを、
市販のビニールシートで覆ったほうが熱対策にはなります。
または、付属のシートはそのままで、
扇風機を使い空気を循環させる方法もあります。
どちらにせよ… 実際に多肉の様子や、
温室内部の気温を確認しつつ、対応することになります。
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注意❹:その他
他に、注意したい内容となります。
❶ 外泊・留守の管理
もし、朝の3時に家を出たり… 外泊した場合、
温室での管理がピンチになります。
特に、扉の開閉は…
多肉を守るためのルーチンワークなので、欠かすことができません。
開けたら閉める… 閉めたら開ける
【注意❸:温室内の高温】でも触れましたが、
温室を使ったら「寒さ・暑さ」の2つに対応する必要があります。
家族がいれば、開閉作業を任せられますが…
1人では、なかなか厳しい状況となってしまいます。
❷ 温室内の棚づくり
商品によって、はじめから棚が付いている場合もあり、
都合のよいにように思えますが、
多肉の場合は…
「日照の確保」という条件もあるので、置き方も重要になります。
思ったより、多肉が置けない…
温室内に置けたとしても…
陽が当たらないデッドスペースとなる場合もあります。
そのため、温室によっては、
効率的に多肉が置ける棚を、自作する必要があります。
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◆ 温室のまとめ
手軽に購入できて、設置も簡単なビニール温室ですが、
人によって便利にもなれば、
イマイチ… と感じる場合もあると思います。
条件をクリアすれば、最高
- すべての多肉を、温室内で管理できる
- 設置場所・陽当たりを確保できる
- 温室に、適度な保温能力がある
- 温室内に、ストーブを設置できるスペースがある
- 強風対策ができる
- 日中の高温状態に対処できる
これらの条件を満たせれば…
冬だけではなく1年を通して、
移動の負担や、防雨・防寒の手間など…
作業面では楽になり、多肉も奇麗に育ちやすくなります。
もはや、生産者さんクラスの条件になっていますが、
多肉栽培でのリスクは、雨と低温なので、
業務レベルでは、温室やハウスのような環境が必要になってきます。
家に移動させたほうが安全
個人では… 家の中に移動させたほうが、
極端な気温にはならないので、事故もなく確実です。
移動の手間は増えますが…
生産者さんと同等の多肉に育ちます。
試してみるのも、オススメ
なんだかんだで、微妙そうなビニール温室ですが、
実際に使って、気付く事もあると思います。
また… 他の植物に流用できる場合もありますので、
小さなサイズを購入して、試してみるのもオススメです。
また、ビニールシートと、
フレーム代わりとなる木材などを購入し、
小型のビニール温室を自作してみるのも、よいかと思います。
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以上… ビニール温室を購入する前の注意点でした。