この記事は、セダム属「スプリングワンダー」の栽培記録です。
セダムのなかでは、独自のポジションを持った原種で、
桜のような、淡いピンクの花を咲かせます。
花は咲きやすいので…
鑑賞を目的に栽培するのも、オススメな多肉植物です。
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◆ 基本情報 |
スプリングワンダー
科 | ベンケイソウ科 |
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属 | セダム属 |
学名 | Sedum versadense |
流通名 | スプリングワンダー |
ベルサデンセ |
生育期 | 秋・春 |
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価格帯 | 300円前後 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
増やし方 | 葉挿し |
挿し芽 |
スプリングワンダーは原種
◎ メキシコ
スプリングワンダーという流通名が一般的ですが、
学名は「セダム・ベルサデンセ」という名の原種です。
また、2種類のタイプがあるようです。
ネット販売
日本花キ流通 | - |
ストア内検索:スプリングワンダー |
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◆ 季節の変化
夏
▲ 7月上旬
▲ 8月下旬
葉色(肥料・並) | 淡いグリーン |
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葉色(肥料・少) | 淡いグリーン |
性質 | 背は伸びやすい |
備 考 | 葉の裏は、パープル色 |
冬
▲ 12月中旬
▲ 2月中旬
葉色(肥料・並) | パープル系 / グリーン系 |
---|---|
葉色(肥料・少) | パープル系 |
性質 | 丸まりやすい |
備 考 | - |
スプリングワンダーの花
撮影日:4月下旬
セダム属は、白い花のイメージですが、
スプリングワンダーは、淡いピンクの花を咲かせます。
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◆ 購入時の写真と
1年後の比較
購入時の写真
購入日:2019.12 / 6cmポット
園芸店で購入した、イナハナさんのスプリングワンダー。
基本は背が伸びやすいセダムですが、
冬はズングリと育ちます。
約1年後の比較
春の開花と、12月の凍害で全滅です。
詳細は【栽培メモ】の項目をご覧ください。
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◆ 夏と冬の管理目安
冬の管理(屋外)
弱い -3℃まで |
強い -5℃まで |
とても強い 凍害なし |
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〇 | - | - |
多肉植物全体で比べると「弱い」タイプ。
目安としては「-3℃」までなら、凍害の影響はなし。
-5℃まで下がると一部で凍結がみられ…
-7℃では全体が凍結し、再起不能かと思います。
霜除け & 風除けは必須
屋外での管理では「霜除け&風除け」は必須です。
どちらかが未設置の場合では、上記の管理気温まで耐えられず…
霜害や凍害によるダメージを負いやすくなります。
梅雨 & 夏の管理
▼ 遮光率 | ▼ 水やり | |
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梅雨入り ~ | 20~50% | 控えめ |
梅雨明け ~ 9月中旬ころ |
50% | 控えめ |
※ 遮光率 & 水やりは、目安としてお考えください。
※ 水やりは、多肉の状態を確認しながら調整ください。
注意ポイント
遮光
風通し
病気・害虫
雨ざらし
徒長(水やり)
高温(猛暑日)
高温・乾燥に強いタイプ。
徒長しやすいので…
水やりは「量 or 回数」を減らすのが安全。
また、雨ざらしも避けたほうが無難です。
葉焼けする場合は、遮光も必要となります。
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◆ 栽培メモ
1. 開花で枯れるタイプ
スプリングワンダーは、多肉植物では珍しく、
開花すると、その後に枯れてしまいます。
事前に「葉挿し」を使って、予備を作らなければ…
1年草として終わる可能性があります。
2. 葉挿しで繁殖
1つの葉は小さいセダムですが、
「葉挿し」が得意で、増やしやすいタイプです。
土に、ばら撒いておくだけでも育ってくれます。
3. 寒さには強くない
ロッティなどの肉厚セダムと同様に、さほど寒さには強くありません。
下がっても「-3℃」までに抑えたほうが無難です。
また、地植えで育ててみたいセダムですが、
屋外での冬越しは、多く地域で不向きとなります。
4. 夏は茎が伸びやすい
茎が伸びると、なんでも徒長のように感じますが、
多肉によっては、水を控えても…
背が伸びてしまうタイプがあります。
ですが、スプリングワンダーの場合は、
幹立ちしたフォルムも似合っていると思います。
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◆ 栽培記録
2019.12 ~
主な記録
植替え | ’21-09 | ’22-05 | - |
葉挿し | ’21-09 | - | - |
挿し芽 | ’21-09 | - | - |
● 殺菌・殺虫剤(目安)
オルトランDX粒剤 | 毎年、春に1回 |
ダコニール1000 | 毎年、春~夏に3回ほど |
● 病害虫・生理障害
現在まで、大きな病気・害虫・日照不足等の被害はなし
● 植替えの土
多肉植物の土【プロトリーフ】
(※ 元肥を含む)
● 追肥(目安)
植替えから1年後に適量
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2019-冬
栽培記録
12月上旬 スプリングワンダーを購入
▲ 300 円(6cm ポット)
園芸店で購入した「イナハナ」さんのスプリングワンダー。
どの株も独立していて…
1ポットに10株程度、植えられていると思います。
1月下旬 花芽が伸びる
多くの多肉植物は、冬頃から花芽を付け始めます。
スプリングワンダーは、
茎の先端(成長点)から花芽が伸びるタイプです。
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2020-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2020
3月上旬
だんだんと多肉らしいフォルムが崩れてきます。
4月上旬 開花
4月~5月にかけて、桜のような花を咲かせます。
5月上旬
今回のポットでは、7割ほどの株から開花です。
ポットでは見た目がイマイチなので、
小さな花瓶にまとめたほうが、見栄えがすると思います。
5月中旬 花がら整理
花芽が付いた株は、脇芽が伸びることはなく…
夏前に枯れてしまいます。
ポットを埋め尽くす量があっても、開花後は一気に数を減らします。
夏 シーズン / 2020
7月上旬 梅雨の様子
スプリングワンダーは、茎が伸びやすい多肉です。
水を控えめにしても…
梅雨頃から伸び始めると感じます。
8月下旬 夏の終わり
特に状態は変わらず、夏を終えています。
梅雨・夏の管理方法
他の多肉植物と同じく、適度な遮光を行い…
雨ざらしを避けて管理すれば問題ありません。
高温で多湿になる環境は、なるべく避けた方が安全です。
病気・害虫にも強い
無農薬でも、病害虫には強い感じがします。
念のため、定番のオルトランとベニカを散布しておけば、
十分な対策になるかと思います。
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2020-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2020
10月下旬 現状維持
追肥や植替えを行っていないため、
秋になっても、大きく育つ雰囲気はありません。
冬 シーズン / 2020
12月中旬 凍害で全滅
20年度の12月は、早めの寒波襲来で凍害が目立っています。
そんな中、スプリングワンダーも全滅となりました。
小型のつぶつぶセダムは、寒さに強い印象がありますが、
この多肉は例外で…
クラッスラ属のブロウメアナと同じ感じです。
-3℃までが安全
最低気温は「0℃」まで下がっても大丈夫ですが、
「-3℃」までに抑えておくのが安全です。
これより下がると、ダメージが目立つかと思います。
2月中旬 2代目を購入
▲ 8cmポット
「日本花キ流通」さんにて、2代目のスプリングワンダーを購入。
冬顔らしくズングリとしたフォルムです。
今回のポットでは、花芽が付く様子はありません。
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2021-春・夏
栽培記録
3月下旬 ~ 8月下旬
▲ 4月上旬
▲ 5月上旬 ❶
▲ 5月上旬 ❷
▲ 6月上旬 ❶
▲ 7月中旬
▲ 8月下旬
栽培方法や育ちかたは、昨年と同様です。
また、開花した株もありません。
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2021-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2021
9月中旬 剪定&葉挿し
今年はバックアップ用として…
「葉挿し」と「剪定」で予備の苗をつくります。
「挿し芽」と「親株」
▲ 左:挿し芽 / 右:親株
カットした先端部分は、すぐに土に植えて「挿し芽」で育てます。
親株は植替えて、脇芽の登場を待ちます。
どちらも、元肥入りの「多肉植物の土」を使用。
11月中旬
挿し芽のポットは順調に根付いて…
成長の兆しが見られます。
また、親株のポットは、カットした茎の先端から脇芽を確認。
冬 シーズン / 2021
12月下旬
どちらのポットも、調子よく育っています。
2月上旬 花芽の季節到来
ここにきて、例年通りに…
みるみると花芽が目立ってきました。
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最終更新 2022 / 7
4月上旬 開花
今回も7割近くが開花しています。
特に「挿し芽」のポットは、ほとんど開花した状態です。
バックアップなら「葉挿し」がベスト
「剪定」をすれば脇芽が伸びてきますが、数的に多くは増やせません。
また、挿し芽の株は…
翌年に開花する可能性が高いと思います。
そのため、安定的に増やすなら、
「葉挿し」で育てるのがベストになります。
半年前の葉を使う
ここにきて、やっぱり増やしたくなったので、
昨年の秋に取ってから…
半年以上、ずっと放置していた葉を使ってみます。
ボロボロですが、なんとかイケそうです。
長期間、保存が効く場合もある
上記の葉は、透明な小物ケースに入れたまま…
屋外で放置していました。
冬には何度も氷点下になっていたと思いますが、
今回は、凍らずに生き延びています。
その後、復活
約1ヵ月後の状態です。
水分と栄養を吸って、元気な苗に育っています。
6月中旬 仕立て直し
「親株」と「挿し芽」のポットは、仕立て直しを行っています。
現在の様子
仕立て直しの際に残った、小さな先端部分(挿し穂)は、
葉挿しの鉢に混ぜています。
7月上旬
順調に根付いています。
8月下旬
夏になると、いつも通り茎は伸びていきますが、
寄せ植えで、高さが欲しい場合には、うってつけの素材です。
ただ、葉挿しの苗は、まだ若いせいなのか?
ズングリしたまま、背が伸びる様子はありません。
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この後の栽培は、繰り返し
スプリングワンダーのまとめとしまして…
今後も同じようなサイクルで育ちます。
注意点として、開花後は枯死するので、株のバックアップを用意します。
増やしたい場合は…
「剪定」や「挿し芽」でもOKですが、
「葉挿し」を使うと安定的に増やせます。
また、寒さには強くないので、冬の管理には気を付けて栽培します。