この記事は、セダム属「虹の玉」の栽培記録です。
「虹の玉」は、多肉植物を代表する1つで…
紅葉から「葉挿し」などの繁殖までを、オールマイティーに楽しめるセダムです。
若干… 奇麗に育てることが難しいので、
そのぶん、多肉栽培の基本を、しっかりと身に付けることができます。
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contents
基本情報
グループ | ベンケイソウ科セダム属 |
---|---|
流通名 | 虹の玉 |
学名 | Sedum x rubrotinctum |
増やし方 | 挿し芽 / 葉挿し |
生育期 | 春・秋 |
---|---|
価格帯 | 250円~600円 |
栽培難易度 | ★★☆ |
ネット販売 |
虹の玉は、セダム間の交配
S. pachyphyllum × S.stahlii
「虹の玉」は、下記のセダム間の交配のようです。
- 乙女心 (パキフィルム)
- 玉葉【たまば】(スタヒー)
虹の玉の、学名の読み方は「ルブロティンクツム」が一般的かと思います。
余談になりますが…
玉葉(スタヒー)も紅葉が奇麗なので、一緒に育ててみるのもオススメです。
International Crassulaceae Network (虹の玉)
季節の変化
夏 4月~10月くらい
全体的にグリーンです。
適度な陽当たりだと… 葉の先端が赤く染まります。
冬 11月~3月くらい
紅葉すると、葉っぱ全体が赤く色づきます。
葉焼けしないほどに… 太陽を浴びて、
昼夜の温度差があると、真っ赤に紅葉しやすくなります。
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虹の玉の、斑入りが「オーロラ」
▲ 白っぽい色の葉が「オーロラ」、グリーンの葉は「虹の玉」
オーロラは、虹の玉の斑入り品種となります。
どちらも育て方は同じで、あまり値段も変わりません。
園芸店では、よく虹の玉の隣で販売されています。
稀に、虹の玉とオーロラが1ポットに入っている場合もあります
紅葉の状態
▲ ピンク系の葉色が「オーロラ」、レッド系が「虹の玉」
▲ 紅葉具合には、差がでる場合もある
虹の玉はレッド系の紅葉ですが…
オーロラはピンク系に発色します。
肥料が切れてくると、早めに発色しやすくなる気がします。
増やすなら、カットして「挿し芽」
オーロラを安定的に増やすなら、
カットして「挿し芽」で育てるのがオススメです。
葉挿しだと「虹の玉」に戻る可能性が高い
オーロラの葉を「葉挿し」で育てると、
斑が消えて、虹の玉に戻ることがよくあります。
逆に… 虹の玉が欲しい場合は、オーロラから葉挿しを使って育てることでゲットできます。
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・・
・
栽培方法は「虹の玉」と同様なので割愛します。
夏と冬の管理目安
冬の管理(耐寒性)
「耐寒性・強」屋外管理OK
セーフティ | -3℃まで | 水分が多めでも、凍結しない目安 |
リスキー | -4℃まで | 水分が少なければ、凍結しない目安 |
フリーズ | ? | おそらく-7℃以上も耐える |
※ 記載した情報は、目安としてお考えください。
※1 なるべく水を控えて、水分が少ない状態で管理しています。
※2 多肉はボックスで囲み霜除けをしています。
※3 年間を通して屋外管理の多肉です。
水を与えると、凍結しやすい
▲ 凍結前後のオーロラ
虹の玉やオーロラの場合は、凍結させると…
葉色から赤みが抜けてしまうので、一発でわかります。
水を与える場合は、寒波のあとを狙うか…
夜間は、しばらく室内へ移動させたほうが安全です。
乾燥気味をキープすると「-7℃」ほどでも凍りません
梅雨&夏の管理(耐暑性)
「耐暑性・強」 通常の夏仕様でOK
- 遮光50%(※ 梅雨入り~)
- なるべく、風通しのよい場所に置く
- できるだけ、雨に当てない
- 水やりの回数は控えめ(※ 多肉の様子を見て判断)
- 殺虫・殺菌剤の散布(※ ベニカ、オルトランなど)
【病気】斑点系の病気になる可能性があり
下部の葉っぱから、褐色の点々があらわれます。
放置すると… 次第に褐色部が増えていき、
その葉っぱは枯れてしまいます。
おそらく、殺菌剤で抑えられる
発症の初期段階では、根治までは不明ですが…
定番の「ベニカXスプレー」で、軽減できる感じです。
また、寒くなる11月頃に自然と収まります。
その場合… 翌年に再発する可能性あるので注意します。
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購入時の虹の玉
左:’18/12 300円 / 右:’19/04 380円
季節や生産者さんによって、
ボリュームも色も値段もマチマチです。
園芸店で購入するメリットは、複数の生産者さんの株から選べることです。
ネットで購入 ※ 売り切れの場合あり |
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各ショップの【ストア内検索】で、
「虹の玉」または「オーロラ」を入力すると探しやすくなります。
購入から約1年後の比較
初心者なら… 1年目の梅雨で徒長させる
▲ 1年目の7月
初めての多肉栽培の場合では…
だいたい… 梅雨時にびよ~んと徒長させてしまいます。
ですが、これが… 水やりの感覚を身に付けるのに、良い勉強になります。
2年目はキレイに育てられる
▲ 2年目の9月の状態
水やりに慣れてくれば…
それほど、徒長もさせずに育てられます。
栽培メモ
❶ 徒長しやすいが… 茎も伸びやすい
▲ これは徒長なので、水の与えすぎ
▲ これは、茎が伸びただけなので仕方なし
虹の玉・オーロラは、徒長しやすい多肉植物です。
梅雨時の水の与えすぎは… あっという間に伸びてしまいます。
ですが、元々… 茎も伸びやすい性質なので、
先端に葉が密集していれば、上手く育っています。
❷ 葉挿しの成功確率は、7割ほど
虹の玉・オーロラは、葉挿しが成功しやすいセダムです。
葉っぱ自体が多いので、1ポット購入して葉を摘めば、どんどん増やせます。
それほど増やしたくない場合は… カットして挿し芽のほうが便利です
❸ 斑点系の病気にかかる… かも
下の葉から、褐色の点々があらわれ落葉します。
次第に上へ上へと広がっていき、被害が拡大します。
似たような症状は、いくつかあってハッキリとしていませんが…
現在… 個人的に「斑点系の病気」が一番、怪しいと感じています。
斑点病については、こちら
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栽培記録
2018.12 ~
主な記録
繁殖の方法 / 回数 / 時期
- 葉挿し / 1回 / 秋 / 成功率70%ほど
- 挿し芽 / 4回 / 春・秋 / 成功率100%
病害虫・生理障害
日付 | 内容 | 備考 |
---|---|---|
‘19.11 | 葉焼け | 遮光無し |
‘19.09 | 斑点系の病気 | ベニカ |
‘20.05 | 斑点系の病気 | ベニカ |
2018-冬
栽培記録
12月上旬 虹の玉を購入
▲ 12月に購入した「虹の玉」
最初に購入した「虹の玉」は、紅葉まっただ中で、
葉の色も「漆黒の赤」といった感じのが印象的でした。
肥料の有無や株の状態でによって、赤色の明るさが異なります
1月上旬 霜で、葉の一部をヤラれる
▲ 葉の一部が凍結した状態
12月は屋根なしの屋外で育てていたので
「寒さも大丈夫だな!」と思った矢先… 見事に霜のダメージを受けました。
その後… 春まで、夜間は屋内に取り込んでいます。
厳冬期の管理では、霜除けは必須です
厳冬期の「水やり」は、凍結に注意
例)凍結した虹の玉
虹の玉は、かなり耐寒性の高いセダムです。
12月上旬から水を控えれば、寒波が来ても「-7℃」ほどは耐えらます。
ですが、水やりをして… 水分を吸い上げてしまうと、
「-4℃」でも凍ってしまうことがあります。
水を与える場合は、タイミングを計る
冬の水やりは、与えても… しばらく控えても… どちらでも大丈夫です。
控える場合は、株の状態にもよりますが、
1ヵ月以上… 間隔を空けても問題ありません。
ただ、与えてしまった場合は… 凍結しやすくなるので、
寒さが緩む… 寒波のあとを狙います。
2019-春
栽培記録
3月上旬 若干… 育つ
それほど大きくはなっていません。
ですが… 霜でヤラれた葉っぱが落ちきったので、美観は戻ってきています。
枯れた葉っぱのあとに、気根がワラワラと伸びてきました
「葉挿し」と「挿し芽」に挑戦
▲ 気根が目立つ(手前の)2つの株をカット
▲ カットした先端と、葉挿し用の葉
カットした先端は、気根が十分に発達しているので… スグに植えています。
また、まばらに付いていた葉は…
「葉挿し用」として摘みました。
この時期なら、2週間前後で発根する
通常… カットした先端は、未発根ですが、
2週間ほど待つと、根っこが伸びてきます。
葉挿し用の葉も、2週間前後で発根します。
葉挿しの成長は、別の記事にまとめました
※ 内容はオーロラの葉挿しですが、基本は一緒です。
親株も、新しく植え替える
ついでに… 親株も植え替え、
残った3つの株を育てていきます。
【別件・追加購入】ボリューミーな虹の玉を見つける
▲ 追加で購入
はじめに買った「虹の玉」と比べて
「こんな… お得サイズ&プライスでも売っているのか!?」
と… 当時を思いだす1ポットです。
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2019-夏
栽培記録
6月下旬 徒長させてしまう
▲ 梅雨であっという間に徒長
春に植え替えた「虹の玉」ですが…
梅雨に入り、曇天も続くなか…
気づてみたら、スーパー徒長していました。
曇り空が続く日に、何気なく水やりをしてしまうと、意外と簡単に伸びてしまいます。
「挿し芽」にした株も同じ
こちらは、春に「挿し芽」にして植えた株です。
同様に伸びています。
「葉挿し」の苗は、ヒョロヒョロに…
さらに… 「葉挿し」から育てた株に至っては…
もやしっ子になってしまいました。
「野ざらし&放置」でも、意外とキレイに育つ… こともある
▲ 野ざらしで放置した、葉挿し苗
春から夏にかけて、人為的な水やりは行わず、雨水だけでしたが…
結果、極端な徒長もなく元気に育っていました。
下手な水やりより、ずっと奇麗に育ちます。
追加購入のポットは、5号鉢へ鉢増し
撮影日:6月上旬
約2ヵ月で、すっかり緑になりました。
よく陽に当たっていると、先端だけは真っ赤になります。
さらに… 陽に当て続けると、葉先が焼けて黒ずんでしまうので注意が必要です。
5号鉢へ植える
今回は、6月中旬ということもあり「鉢増し」で5号鉢へ。
成長期以外は、あまり用土や根はイジらないほうがよいそうです。
こちらも、徒長ぎみに…
春は、ぎっちぎちに詰まっていた葉も…
間延びしてしまいました。
梅雨の管理
虹の玉・オーロラは、徒長しやすいセダムなので、
曇天が続く… 6月末から梅雨明けまでは、水やりを控えます。
葉にシワがよっても大丈夫ですので、
天気にもよりますが… 1ヵ月ほど水やりをしなくても問題ありません。
水やりは、1度… 我慢してみる
徒長させてしまう理由は、
「水を与えたほうが元気になる!」という… 誰もが陥る「思い込み」なので、
葉にシワがよるまで我慢してみるのがオススメです。
8月下旬 夏を越す
相変わらず徒長をキープしていますが、
水やりを制限しただけあって… 先端部分は、葉が密になってきました。
徒長した部分(茎)は元には戻らないので、
秋や冬にカットして仕立て直します。
5号鉢の様子
一方… 追加購入の虹の玉は、
さらに、水を与え過ぎたらしく微妙な状態です。
今思うと… 初心者が「虹の玉」や「オーロラ」を
奇麗に育てるのは、意外と難しいと思います。
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2019-秋
栽培記録
10月上旬 斑点系の病気に、かかる
▲ 葉の表面に、小さな褐色の点々があらわれる
おそらく発生時期は、夏だと思いますが…
葉に、褐色の点々があらわれ、次第に広がってゆき… 落葉します。
オーロラも、同様に発症
もれなく、オーロラも一緒に発症しました。
褐色の点々が増えていき… 大きな塊のように見えます。
斑点病については、こちら
10月中旬 色々と試す
眺めていても、症状が悪化するばかりなので、
色々と殺虫&殺菌剤を試してみましたが、
どれも… 時すでに遅し… といった感じで、
症状を封じ込めることはできませんでした。
親株から退避
▲ 親株から、健康そうな部分をカット
全滅しそうな勢いだったので… その前に親株からカットしています。
新たに、植え直し
新規の土を使い、防腐処理した木箱へ植えました。
100均の木箱なので、1年…2年あたりで腐ってしまいますが…
ノーマルの素焼き鉢より、オシャレに見えると思います。
11月上旬 斑点病の、症状は治まる
▲ 復調する虹の玉
色々とやっているうちに季節が進み、
気温が下がったせいか… 症状が治まり、復調してきました。
脇芽も出現
▲ 伸びる脇芽
カットした茎の下部からは、
新たな芽が出て、グングンと盛り返してきました。
来年、再発することもある
すっかり治ったかと思いきや…
翌年の春頃に、再発する可能性もあります。
僕は、そのパターンで… 翌年の春に再発しました。
生き残った、虹の玉を育てる
▲ 素焼き鉢の親株と、木箱のカットした先端
初代「虹の玉」の更新は、ここで終了
最初に購入した虹の玉も、
斑点病が発病し… その後、治まってくれましたが、
かなり葉が落ちてしまいました。
そこから復調しますが… その様子は、上記の5号鉢&木箱と同様なので割愛し、
初代「虹の玉」の更新は終了します。
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2019-冬
栽培記録
1月上旬 順調に育つ
既に… 斑点病の影響はなく、
親株もカットした挿し芽も、順調に育っています。
葉っぱの表面が、裂けることも…
カラカラの状態から、大量の水を与えると…
急激な膨張で、葉が避けてしまう多肉植物があります。
土が乾いてから水を与えるのは、多肉のセオリーですが… こんなこともあります。
2月中旬 「-7℃」でも大丈夫
▲ -7℃でも、凍結なし
今シーズンの最低気温は「-7℃」でしたが、
虹の玉やオーロラに凍結した様子は見られませんでした。
事前準備は万全に!
最低限の対応として、霜の降りない、軒下で管理します。
風にあたらないようにすると、尚ベターです。
また、水やり後… 数日以内に「-4℃」より、
冷え込む日がある場合は、凍結の危険があるので注意します。
・・・
・・
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