この記事は、多肉初心者が育てるセダム属「月の王子(黄麗)」の栽培日記です。
この多肉の流通名は「月の王子」と「黄麗【おうれい】」の2種類がありますが、どちらも同じで、育てやすい植物です。
「星の王子」という多肉植物もありますが… こちらはクラッスラ属で別物になります。
contents
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基本情報
グループ | ベンケイソウ科セダム属 | 生育期 | 春・秋 |
---|---|---|---|
流通名 | 月の王子 / 黄麗 | 栽培難易度 | ★☆☆ |
学名 | Sedum adolphi ‘Golden Glow’ | 価格帯 | 250円~350円 |
増やし方 | 葉挿し・挿し芽 | ネット販売 |
銘月【めいげつ】の仲間
月の王子は「銘月【めいげつ】/ adolphi【アドルフィ】」という原種の仲間で、
「Golden Glow」という栽培品種名が付いていることが多いようです。
「銘月」と比べると、より肉厚の葉を持ちポップな印象なのに対し、逆に銘月は硬派で地味な印象がします。
ですが… どちらも多肉植物では、レアな黄色系の持ち主なので存在感は抜群です。
サンライズマムもイエロー系
▲ サンライズマム【セダム】
このセダムも、月の王子と色カタチが似ています。
夏 の月の王子(5月~10月)
通常通り、ほぼ緑一色です。
冬 の月の王子(11月~4月)
紅葉すると、完全に黄色になる株もあれば… 黄緑色でストップしてしまう株がある感じです…。 個体差なのか? 環境なのか? 不明なので要チェックしときます。
購入時の 月の王子 2018.11
カクトロコさんの「月の王子」
流通量は比較的に多く、園芸店やホームセンターなどで、3株1ポットが300円前後で売られています。
栽培メモ
「月の王子」を育てるうえで、気づいたことをメモします。 基本的に、育てるのは簡単な部類だと感じました。
❶ 背は伸びる性質
適切に水やりをしても自然と背は伸びていきますが、トップの成長点付近は、まとまってボリュームがあります。
「伸びすぎて、ちょっとブサイクだなぁ」と感じたら、仕立て直せばよいと思います。
❷ 葉挿し、の成功確率は5~6割といった感じです
パッと見た感じ… 100%成功しそうな気もしますが「5~6割程度かな…」と思います。 残りの2,3割は… 発根までで、芽が出てこないパターンでした。
2018/成長記録
2018年度の主な出来事
- 秋 /「月の王子」を購入
- 冬 / 霜に当てて重傷
多肉デビューして、間もなく購入した、数少ないイエロー系の多肉植物を育てていきます。
11月上旬 月の王子を購入
購入日:2018.11
カクトロコさんのポットを園芸店で購入です。 肉厚プリプリの葉が健康的で、状態も抜群に良い感じです。
冬 シーズン / 2018
1月中旬 さっそく凍死させる
撮影日:3月上旬
1月の中旬に凍死させて、そのまま放置し… 3月上旬の写真です。
凍死した直後の写真を撮り忘れてしまいましたが、一目でわかるくらい葉や茎が茶色く変色します。 触った感じは、ブヨブヨでこうなってしまうと諦めるしかありません。
凍死の条件
今回の凍死の条件は… 下記です。
- 霜除け :ほぼ…無し
- 最低気温:‐5℃ほど
窓の外に、連日… ポットのまま置いていて、気づいた頃には大ダメージを受けていました。 窓の外の軒は短いので、ほとんど霜除けの機能は果たせなかった状況です。
多くの多肉は、霜に当ててしまうと… 大ダメージを受けたり… 一撃で逝ってしまいます。
ですが、軒下に置いておくなど… 霜除けさえしておけば、耐寒性のあるセダムなどは―5℃ほどになっても耐えてくれます。(※ 屋外で寒さに慣らしておく必要あり)
「挿し芽」や「葉挿し」で再生へ
1株だけ助かりましたが、根に近い部分の茎がダメなので「挿し芽」に移行させる必要があります。
変色した上部からカットすれば、挿し芽で復活できます。
「挿し芽」用にカット
挿し芽用に、枯れた茎から下をカットです。 切り口もフレッシュで挽回できる気配がします。
手前に写っている「葉っぱが1枚だけの茎」は、さすがにダメでした。
葉挿しでも増やす
※ 葉っぱを取ってから、1ヵ月ほどした写真です。
葉っぱを取ったばかりの写真は撮り忘れてしまいました。
細胞が死んでいなければ、葉挿しからでも復活させられます。
冬シーズンのメモ
- 水やり:15日に1回ほど。
- 遮光:なし
- 植え替え:なし
- 肥料:与えず
- 殺虫・殺菌剤:使用せず
- 夜間:屋外に放置して重症
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2019/成長記録
2019年度の主な出来事
- 春 / 葉挿し・挿し芽にチャレンジ
- 春 / 1株(ミニポット)を追加購入
- 秋 / カットして仕立て直しへ
春 シーズン / 2019
霜害の生き残り… やっと発根する
撮影日:5月上旬
霜害で生き残った1株ですが… カットから発根まで1ヵ月半ほど掛かりました。
1ヵ所から発根すると、そのあとは… 次々に別の場所から発根するパターンが多いと思います。 逆に… このくらいのサイズであれば、発根しないケースのほうがレアです。
ひたすら待っていれば、そのうち発根してくれます。
用土に植え付ける
くたびれた下の葉は、取り除いて用土へ植えています。 購入時のサイズまで戻すには1年半くらい掛かりますが、それでも… 多肉植物の中では早いほうだと思います。
葉挿しも、新芽と根が生えそろう
撮影日:4月上旬
この状態で、スタートから2ヵ月ほどです。 このあとに6cm ポットへ移しました。
葉の管理場所は、直射日光が当たらなければ、どこでもOKです。 土の上に置く必要もありません
ポットに植えてから1ヶ月後の様子
撮影日:5月上旬
まだまだミニサイズですが、ここにきて急成長です。
水やりは、用土が乾いてから十分に与えました。 管理場所は、これまで明るい場所に置いていたので、徐々に日光へ慣らしていきます。
日光に慣れていないまま、屋外で放置すると、スグに葉焼けしてしまいます。
3月下旬 1株だけ追加購入
カクトロコさんの株は、種類にもよりますが… 園芸店などで1株だけ購入できます。(ネットショップは不可)
通常の7cm ポットで買ったほうがトータルではお得なのですが、お試し用で購入した人にはおすすめです。
底から根が飛び出しているので、植え替え
撮影日:4月上旬
ミニミニポットは、底から根がでていたので6cm ポットへ植え替えです。 その際に、再度… 葉挿し用に葉を取っています。
成功した葉は2/5
今回の葉挿しは、5枚中… 2枚が成功しました。 新鮮な葉っぱでも、発根だけで芽がでてこない場合もあります。
春シーズンのメモ
- 水やり:用土が乾いたら、たっぷり
- 遮光:なし(3~4月)/ 20%(5月~)
- 植え替え:ミニポット ⇒ 6cmポット
- 肥料:用土に含む
- 殺虫・殺菌剤:使用せず
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夏 シーズン / 2019
7月上旬 大きく成長する
左:霜害の生き残り / 右:ミニポット
初夏になりましたが、どちらも2倍ほど背が高くなり葉の枚数も増えています。
夏の暑さ・乾燥には強い多肉
夏になると、調子を崩しやすい多肉植物もありますが、月の王子は強健だと思います。
高温でもヘッチャラで、水やりを控えても葉にシワが寄りにくく乾燥にも強いと感じました。
8月下旬 夏を終えた、月の王子
あっという間に、大きくなったミニポットの月の王子。 サイズも前回から少し大きくなり、葉のエッジも少し色づきました。
葉挿しの成長
3月に始めた葉挿しも、半年で上の写真くらいになりました。
梅雨~夏シーズンのメモ
- 水やり:10日に1回ほど。量はポットの1/5ほど
- 遮光:50%
- 植え替え:なし
- 肥料:与えず
- 殺虫・殺菌剤:使用せず
秋 シーズン / 2019
10月中旬 背が伸びたので仕立て直し
ミニポットの月の王子は、夏頃から自立できないほど背が伸びていたので、ここでカットして仕立て直しました。
そのまま、大きい鉢へ植えかえて育てるのもいいと思います。
茎をカット(胴切り)して植えかえをする
- トップ部分 ⇒ 挿し芽
- 中間の葉 ⇒ 葉挿し
- 元の親株 ⇒ 脇芽を出す用
1ヶ月後… トップ部分が発根したのでポットへIN
撮影日:11月中旬
今回も発根まで1ヶ月かかりました。 取った葉っぱに水分が残っていると、なかなか発根しない気がします。「月の王子」的には「そろそろ発根でもしてやるか…」というくらい余裕なんだと思います。
早い多肉は10日ほどで発根しますが、遅いと1ヶ月以上かかるので気長に待ちます。
7.5cm のポットに植えました。 現時点でロゼットの大きさは6cm ほどです。
親株は、脇芽がチラホラと出現
こちらも気長に待っていると、芽が出てきます。 今回は1ヶ月ほどです。
葉が取れた痕から芽がでてきたり…
葉の付け根から顔を覗かせます。
成功した葉挿しの数は… 3/7
葉を取ってから2ヵ月ほど様子を見ましたが、7枚中4枚は発根まで… でした。
もっと粘っていれば… 芽がでてくることもありますが、ストックもあるので今回は諦めます。
写真では確認できませんが、小さな芽がでています。
葉っぱは、根に用土を被せるのが面倒なので用土に乗せただけです。 もう少し大きくなるまで、2,3日に一度ほど霧吹きをして根が乾燥しないように管理します。
春の葉挿しの様子
手前の株は、「月の王子」らしく真っ黄色になってくれましたが、奥の株はそれほどでもありません。
同じ環境で育てていましたが… 個体差でしょうか? 引き続き、様子を見ていきたいと思います。
最終更新―2019.12
1年後の比較
購入日:2018/9
1 year later
購入時の原型は余りありませんが… もし、そのまま育てていたらロゼットの大きさは… ほぼ変わらずで、背だけが伸びていたと思います。
月の王子を1ポット購入すれば、だいたい3株ほど植えられていますので、葉挿しや挿し芽、胴切りなどを楽しめます。
ボリュームも多く育てやすいセダムなので、初心者に打って付けの1つだと感じました。
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