多肉植物が患う病気と、その対処法

この記事では「多肉植物」が被害に遭いやすい病気について紹介します。

多肉には様々なグループや種類があるため…

多肉のすべてが、特定の病気にかかる訳ではありません。

また栽培者の環境によっても大きく異なります。

そのため、今回は管理人のケースという事で…

3つの病気とその対処法や事前対策を紹介します。

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【重要】はじめに

多肉植物が患う病気の種類はいくつかありますが…

無農薬でも発病しない多肉はたくさんあります。

また、その人の地域や環境、

育てている多肉の種類によっても異なるため…

自分流の対処方法を確立するのがオススメです。

だんだんと傾向がつかめる

はじめの1年2年は、病気・害虫・生理障害の区別が付きにくいと思います。

ですが、だんだんと自身の環境や…

被害に遭いやすい多肉も把握できるようになる為、

自分なりの対策も講じれるようになります。

 管理人のケースを紹介

多肉植物の病気は、判断しにくいものがあり…

栽培者によって病名が違ったり、対策方法が違う場合もあります。

そのため、この記事では…

「管理人のケース」を参考として紹介をします。

参考とした書籍

この記事では、上の写真の書籍を参考文献として使用しています。

多肉の病気については、専門的な書籍がないので…

病名より見た目の症状を覚えておくのがオススメです。



それでは次に、管理人の環境下で確認している…

3つの病気被害を紹介しします。

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1. 斑点性の病気

注意するグループ セダム属の一部
エケベリア属の一部
グラプトペタルム属の一部
上記の属間交配種の一部
注意する季節 春 ~ 秋

 症状 & 特徴

症状としては、下葉から褐色(黒)の斑点が茎や葉にあらわれる。

特に、葉の付け根から発症しやすく…

やがて葉っぱ全体へと広がる。

放置すると上の葉へと進行し、株全体が枯れてしまう場合もあり。

原因

おそらく、すでに病原菌を持っているか…

自宅の多肉置き場周辺に、病原菌が潜んでいる為。

枯死レベル:★★★☆

管理人の環境下では、一部の多肉に対し…

毎年のように猛威をふるう病気。

栽培者・栽培環境によって差があるかと思います。

 対処法

手段としては「剪定」と「薬剤の散布」の2つ。

「剪定」は病気が進行する前に、

健康な部分をカットして、物理的に親株から切り離す作業。

「薬剤の散布」は、そのままですが…

薬剤を散布し、病気を抑えたり治療する方法です。

1. 剪定

斑点性の病気は、幸い下側の葉から発症するため…

被害が拡大する前に、

上部の健康な部分をカットして、物理的に切り離します。

挿し芽で育てる

その後は「挿し芽」で育て直すことが可能ですが…

その年や翌年に再発する可能性もあります。

親株は助かる見込みが少ないので、残念ながら破棄するのが無難。

2. 薬剤の散布

使用する薬剤
ベニカXスプレー ダコニール1000

虹の玉などのセダムなら、容易に切り離せますが…

エケベリアでは少し躊躇してしまいます。

その場合は、病気が収まる晩秋まで…

殺菌剤を散布しながら持ちこたえます。

病状が進むと治りにくい

個人的な感想ですが、ベニカ等の薬剤を…

ローテーションさせて使っても、

病気が進行すると治りにくく、ほとんど効果が見込めないように感じます。

事前対策

使用する薬剤 期間 散布目安
ダコニール1000 4月~9月 2ヶ月に1回
※ 発生初期では7日ごとに1回 × 3ほど
使用する薬剤 期間 頻度
ベニカXスプレー 4月~9月 2ヶ月に1回

事前対策として、上記の薬剤を定期的に使用。

多肉の様子を観ながら、どこか1つでも…

または、ローテーションさせてもOKです。

薬剤の散布は、忘れることも多いのですが…

やはりサボってしまうと、被害が拡大する傾向です。

より詳細な情報は、こちら

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2. 黒点病

注意するグループ クラッスラ属の一部
注意する季節 春 ~ 秋

 症状 & 特徴

発症すると、葉に2~5mmほどの黒いシミがあらわれ…

徐々に拡大しシミの数も増加。

そのまま放置すると葉は枯れ、やがて株全体も枯死する。

バラの病気で有名な黒星病と同じようなタイプ。

限られた多肉でしか確認せず

▲ こんな感じの多肉

管理人の環境下では、黒点病になる多肉は限定的です。

クラッスラ属の「舞乙女」や「星米」「パステル」といった…

同じようなタイプの形状のみで、

それ以外の種類やグループは、黒点病の被害を確認していません。

原因

おそらく、病原菌を持っているか…

自宅の多肉置き場周辺に、病原菌が潜んでいる為。

枯死レベル:★★★☆

斑点系の病気のように、一度発症すると根治が難しい病気です。

また、黒いシミはランダムで現れるため…

剪定して親株から切り離すことが難しくなります。

 対処法

対処方法は「斑点性の病気」と同様。

1. 剪定

黒点病は斑点性の病気とは異なり、症状がランダムであらわれやすい傾向。

そのため、剪定する部分の見極めが難しくなりやすい。

親株を残すか、カットした部分を残すかは…

そのときの状況次第になります。

2. 薬剤の散布

使用する薬剤
ベニカXスプレー ベニカXファインスプレー

事前対策として、上記の薬剤を定期的に使用。

成分的にはベニカが効果的だと感じますが…

他の薬剤とローテーションさせてもOKです。

病気が進行すると、どの薬剤を使っても治らないと感じます。

事前対策

使用する薬剤 期間 頻度
・ベニカXスプレー
または
・ベニカXファインスプレー
4月~9月 2ヶ月に1回

事前対策として、上記の薬剤を定期的に使用。

多肉の様子を観ながら、どこか1つでも…

または、ローテーションさせてもOKです。

薬剤の散布は、忘れることも多いのですが…

やはりサボってしまうと、被害が拡大する傾向です。

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3. 黒い点々の病気

注意するグループ アエオニウム属の一部
センペルビウム属の一部
エケベリア属の一部
クラッスラ属の一部
注意する季節 春 ~ 秋

 症状 & 特徴

黒点病のように、黒い点々が葉にあらわれる。

同じ病気なのか不明なため「黒い点々の病気」と表記。

このタイプは枯死させるまでの影響はないようですが…

黒点で見栄えが悪くなるため、

感染しないことに越したことはありません。

限られた多肉でしか確認せず

管理人の環境下で、この病気になる多肉は限定的です。

主にアエオニウム属の一部、センペルビウム属の一部で…

光沢のある葉っぱにあらわれやすい感じがします。

原因

おそらく、病原菌を持っているか…

自宅の多肉置き場周辺に、病原菌が潜んでいる為。

枯死レベル:★☆☆☆

黒点が付いても、葉を侵食して枯死させるレベルではありません。

しかし、黒点が付くと除去できない為…

葉の入れ替わりを待つことになります。

 対処法

1度でも黒点が付いた葉は、

現状、殺菌剤を使っても除去できていません。

そのため、症状がでてしまったら根治は諦めて…

葉の入替えを待っています。

事前対策

使用する薬剤 期間 頻度
・ベニカXスプレー
または
・ベニカXファインスプレー
4月~9月 2ヶ月に1回

管理人はベニカで済ませていますが、

もっと効果的な殺菌剤があるかもしれません。

ですが、そこまで気にならない病気なので、

発症してしまったら、葉の入替えを待ってもよいかと思います。

より詳細な情報は、こちら

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◆ 備考と対策

以上が、管理人の環境下で確認している3つの病気です。

環境によっては、どんな多肉植物でも…

病気にかかるリスクがあるため、これまでの事例は…

参考程度にお考え頂ければと思います。

最後に、ちょっとした備考と対策についてまとめます。

1. 病気に強い多肉ってあるの?

▲ 病気にも強い桃太郎

管理人は様々なグループの多肉植物を栽培していますが…

病気になりやすい多肉は、だいたい決まっています。

逆に、病気にならない多肉のほうが多数を占め…

全体の7割くらいは、無農薬でも大丈夫だと感じます。

ベニカから始めてもOK

病気は多肉の数・種類と比例するため…

たくさん管理するほど、病気になる可能性も上昇します。

ですが、最初は多肉の数も少ないと思います。

少なければ、病気になる可能性も少ないので…

まずは定番の「ベニカ」を春~秋にかけて使い、様子を見てみてもOKです。

汎用的なのは「Xファイン」

ベニカは2タイプありますが、

害虫対策も含め汎用的なのは「Xファイン」です。

「X」は病気に対して治療効果があるので…

特に病気を気にする場合は、こちらが効果的かと思います。

2. 病気になったら枯れるの?

個人的な経験からすると、病気になっても…

株全体が枯死することは珍しいと感じます。

その理由ですが、病気は涼しくなる晩秋で終息するからです。

春に発病しても、秋まで生き延びればセーフとなり…

その後は徐々に活気を取り戻します。

病気(菌)は越冬するので、再発の可能性が高い

なんとか乗り切れば、調子を取り戻し…

翌年の春頃までは元気に育ちます。

ですが、菌が残っている場合、

ジワジワと活動を再開し、梅雨あたりで病気をぶり返すかもしれません。

その前に、殺菌剤で予防しておく事が重要となります。

3. 事前の散布が大切

どの病気も発症してしまうと、根治が難しいと感じます。

そのため、健康な状態に見えても…

症状があらわれないうちに、薬剤を散布しておくことが重要です。

ついついサボってしまう

病気は内部で少しづつ進行している場合もあります。

外見は健康そうなので、

ついつい散布をサボってしまい、のちに発症するケースがあります。

忘れたとしても発病しないことも多々ありますが…

なるべく、散布しておくのがベストです。

4. 梅雨時に発症しやすい

病気の正体は、伝染性のカビ(糸状菌)です。

特に梅雨時や長雨の季節では、雨で飛散しやすくなります。

地面からの跳ね返りや、

他の植物を伝って流れる雨水には注意が必要です。

耐性のある多肉は、雨でも大丈夫

いっぽう、病気に強い多肉も多いので…

絶対に濡らしてはダメという訳ではありません。

反対に雨に当たらなくても、病気になってしまう多肉はあります。

5. 害虫も一緒に対応したい場合は?

多肉の被害は病気だけではなく、害虫による被害もあります。

できれば同時に済ませたいところですが、

管理する多肉の数と、グループ・種類が増えてくると…

いくつかの農薬を使う必要がでてきます。

病気&害虫対策はこちら

管理人のケースとなりますが、

複数の農薬を使って、病気&害虫の対策を行っています。

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黄色いセダム「月の王子(黄麗)」を育てる

だるま秋麗

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2018年の秋から多肉植物を楽しんでいます。これから始める皆様にとって、少しでも参考になれば幸いです。


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