この記事では、多肉植物の耐寒性シリーズとして、
「エケベリア属の交配種」を紹介します。
交配種は、寒さに強いタイプもあれば、弱いタイプもあります。
その理由は「耐寒性は親から遺伝するから」なのですが、
詳しい内容は続きをご覧ください。
原種の耐寒性はこちら
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◆ 交配種の法則
エケベリアの交配種は、国内外に問わず個人でも作れ、
また、品種登録もされないことから、膨大な数が流通しています。
そんな交配種の耐寒性は、どうやって知るのでしょうか?
解決法は「原種」を覚えること
原種とは、各地で自生している在来種や、
交配されていない種になります。
エケベリアでは「アガボイデス」や「コロラータ」などがメジャーとなり、
原種だけあって、フォルムや葉色の特徴が目立ちます。
種類はそれほど多くはない
原種ですので、それほど種類は多くなく、
さらに、日本で流通している原種に限定すると数は限られます。
原種の耐寒性を引き継ぐ
原種を知れば、なぜ「交配種の耐寒性」を知れるのかというと…
親になる原種が、寒さに弱い性質を持っていると、
交配種にも、その性質が遺伝する傾向にあるからです。
組合せは3パターン
- 強い原種 × 強い原種 = 強い交配種
- 強い原種 × 弱い原種 = 弱い交配種
- 弱い原種 × 弱い原種 = 弱い交配種
ポイントとしては、寒さに強い原種と…
寒さに弱い原種の組合せでは、
「寒さに弱い交配種」が誕生しやすくなります。
特に注意したい原種
▲ パリダ
▲ ラウイ
寒さに弱い原種はいくつかありますが、
その中でも最弱と感じるのが「パリダ」です。
2番手は複数あるのですが、
親としても大活躍している「ラウイ」を優先したいと思います。
この2つの原種だけでも覚えておく
ひとまず、この2つの原種のフォルムや葉色、雰囲気を覚えておけば、
山のようにある交配種でも…
「これ、ヤバそうなやつかも~」と気付けるようになります。
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◆ 弱い交配種の事例
寒さに弱い原種が、寒さに弱い交配種の元になり、
パリダとラウイが、その代表格と紹介しましたが、
この項目では、実際に交配種を観ていきます。
アーリーライト
詳細は不明ですが、葉色が異なるだけで…
パリダの交配種だと思われます。
ダメージの様子
耐寒性はパリダと同じで最弱です。
-3℃は要警戒となり、
-5℃では再生不能な状態に陥りやすいと感じます。
ピーチプリデ
こちらも詳細は不明ですが、パリダのような葉色と…
葉のフォルムをしています。
ダメージの様子
ピーチプリデも「-5℃」まで…
下がってしまうと厳しいかと思います。
パンジー
パンジーも詳細は不明ですが、
冬になってもグリーンが残るエケベリアには注意します。
ダメージの様子
エケベリアの種類によっては、
凍害(低温障害)によって、ピンクっぽく変色するケースもあります。
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白鳳
白鳳は「ラウイ」と「パリダ」の交配種となり…
寒さに弱い原種トップ2での交配です。
もちろん、寒さに弱い交配種となっています。
ダメージの様子
同様に「-5℃」まで下がると厳しい感じです。
シャンペーン
ラウイ&アガボイデスとの交配といわれており、
初見ではアガボイデスっぽく見えて、寒さに強そうな感じですが、
意外と弱く、強烈な寒さには耐えられません。
ダメージの様子
アガボイデスは寒さに強い原種ですが、
ラウイは弱いので、こんな感じになってしまいます。
また、シャンペーンには複数の色違いが有り、
個体差や環境の違いによって、ダメージが異なる場合もよくあります。
アイスグリーン
ラウイ&エレガンスの交配種といわれています。
こちらも初見ではラウイっぽさを感じず、
寒さに強そうなタイプに見えるかもしれません。
ダメージの様子
シャンペーンの事例と同様に、エレガンスは寒さに強い原種ですが、
ラウイが混ざると弱くなってしまいます。
ラウリンゼ
ラウリンゼは「コロラータ(リンゼアナ)」の交配種。
モンローやラウィータという交配種も同様です。
ダメージの様子
1度の凍害で、完全に枯れてしまうことは稀かと思いますが、
ラウイと同様に、ダメージを負うと葉が変形しやすくなります。
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◆ 補足【4選】
最も警戒したのはパリダとラウイの交配種になりますが、
その次としては、カンテ、セクンダ、
デスメチアナ&サブセシリス、ミニマの交配種になります。
葉のダメージが目立つ
特徴としては、葉が薄い原種が多いため…
外側の葉が枯れやすく、目立ちやすいのが難点です。
耐寒性としては、ラウイの交配種と同様で…
パリダの交配種よりは強く感じます。
寒さで見た目が悪くなるタイプ
寒さに弱いといえば弱いのですが、
見た目が悪くなるだけで、完全に枯死する可能性は低いと感じます。
(※ 最低気温によって異なる)
アフターグロー
▲ before
▲ after
カンテ&シャビアナの交配種。
見た目はカンテの紫色バージョンです。
ピンキー
▲ before
▲ after
こちらもカンテ&シャビアナの交配種。
アフターグローよりシャビアナっぽさを感じます。
ネオンブレーカーズ
▲ before
▲ after
こちらもカンテ&シャビアナの交配種らしいです。
ちなみにシャビアナは、葉が薄めの原種ですが…
寒さに強く、あまり外葉の枯れが目立ちません。
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ブルーヘロン
▲ before
▲ after
サブセシリスとシャビアナの交配種。
そこまでのダメージはなく、外葉の1周分といった感じです。
ブルーバード
▲ before
▲ after
デスメチアナとコロラータの交配種。
コロラータ自体は、寒さに強く無傷でしたが、
ブルーバードは、ダメージを負いやすく感じます。
ブルーアイス
▲ before
▲ after
詳細は不明ですが、デスメチアナっぽさを感じます。
こちらは完全に枯れさせてしまいました。
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七福神
▲ before
▲ after
詳細は不明ですが、有名なセクンダに関係したエケベリア。
厳しい寒さでは、外葉の傷みが目立ちます。
ツナミ
▲ before
▲ after
こちらも詳細は不明ですが、
セクンダの交配種になるかと思います。
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ブルーミニマ
▲ before
▲ after
詳細不明のミニマ交配種。
ミニマと同様に注意したいタイプです。
ホワイトミニマ
▲ before
▲ after
こちらも詳細不明のミニマ交配種。
ブルーミニマと同様に注意します。
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【まとめ】注意したい交配種は少なめ
この記事の内容だけですと、なんだか…
寒さに弱いエケベリアが多そうな感じですが、
実際には、寒さに強い交配種が多数を占めており、
感覚的には1:9くらいの割合です。
それは、寒さに強い原種での交配が人気で、自然と数も作られるからです。
知っておいて損はなし
交配種の紹介は以上となりますが、これが全てではありません。
管理人が栽培していない交配種は、他にも有りますし、
これから先も新品種が流通していきます。
そのため、寒さに弱い原種の特徴を…
覚えておくほうが、寒さで多肉を枯らすリスクを軽減できます。
原種の耐寒性はこちら
冬越しの基本と注意点は、こちら
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