この記事は、セダム属「ロッティ」の栽培記録です。
セダムには様々な種類がありますが、
その中でも特に肉厚で、パウダーが強い葉を持つのがロッティです。
群生もしやすく、育てやすいため…
毎年のように増えていく多肉植物の1つになります。
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◆ 基本情報 |
ロッティ
科 | ベンケイソウ科 |
---|---|
属 | セダム属 |
品種名 | Rotty |
流通名 | ロッティ |
- |
生育期 | 秋・春 |
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価格帯 | 350円前後 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
増やし方 | 剪定&挿し芽 |
葉挿し |
クラバツムに近い品種?
▲ クラバツム
ロッティは園芸品種のようですが、
原種のクラバツムと似ているので、
それに関係した栽培品種か、顔違いなのかもしれません。
なんとなく微妙な違いはある
ほとんど同じに見える両者ですが、あえて違いを比べてみると…
ロッティの葉は、幅広でパウダーが強い印象です。
いっぽうクラバツムの葉は、
やや細長で光沢が強く「春萌」に近い感じもします。
I.C.N(クラバツム)のページにも、2つの形態として写真が載っており…
もしかすると、その1つの形態が、
日本では「ロッティ」と呼ばれているのかもしれません。
【補足】ラウル
たまに「ラウル」という名前で見かけますが…
ロッティの韓国版かと思います。
そのため、どちらを購入しても同じセダムになります。
また、斑入りの「ロッティ錦」と「ラウル錦」も同様です。
ネット販売
カクトロコ | - |
ストア内検索:ロッティ |
※ 売り切れの場合あり
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◆ 季節の変化
夏
▲ 7月上旬
▲ 8月下旬
葉色(肥料・並) | ブルーグリーン |
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葉色(肥料・少) | ブルーグリーン |
ロゼット | 日照不足・水やりで広がりやすい |
備 考 | - |
冬
▲ 11月下旬
▲ 2月下旬
葉色(肥料・並) | 淡いグリーン |
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葉色(肥料・少) | 白っぽいグリーン |
ロゼット | 丸まりやすい |
備 考 | 先端はピンク系に色付く |
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◆ 購入時の写真と
1年後の比較
購入時の写真
購入日:2019.7 / 7.5cmポット
カクトロコさんのロッティ。
7月に購入したので夏顔の状態です。
中型のセダムらしく、梅雨の水やりは…
与え過ぎると徒長しやすくなります。
約1年後の比較
ロッティは寒波に注意すれば育てやすいセダムです。
脇芽が付きやすいため、育てているだけで…
自然と増えていくタイプになります。
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◆ 夏と冬の管理目安
冬の管理(屋外)
弱い -3℃まで |
強い -5℃まで |
とても強い 凍害なし |
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〇 | - | - |
多肉植物全体で比べると「弱い」タイプ。
目安としては「-3℃」までなら、凍害の影響はなし。
-5℃まで下がると一部で凍結がみられ…
-7℃では全体が凍結し、再起不能かと思います。
霜除け & 風除けは必須
屋外での管理では「霜除け&風除け」は必須です。
どちらかが未設置の場合では、上記の管理気温まで耐えられず…
霜害や凍害によるダメージを負いやすくなります。
梅雨 & 夏の管理
遮光(20~50%)
病気・害虫対策
徒長(水やり)
雨ざらし・風通し
高温(猛暑日)
高温・乾燥に強いタイプですが、朝から夕方まで…
丸一日、陽が当たる場合は50%前後の遮光が必要。
水やりは多肉の様子を確認しつつ「量 or 回数」を減らすのが安全です。
雨ざらしはトラブルの原因になりやすい
梅雨~初秋にかけては病気や葉蒸れ、徒長の原因となるため、
雨ざらしの状態を避けるのが無難です。
また、定期的に農薬を散布することで…
病気・害虫の被害も抑えられます。
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◆ 栽培メモ
1. 脇芽が付きやすい
ロッティは脇芽を付けやすいセダムです。
普通に育てていても、自然と脇から新芽が伸びてきます。
さらに剪定することで、
より多くの脇芽が付き、群生株を作りやすくなります。
【未確認】葉挿しもOK?
実際に試した訳ではありませんが、
「葉挿し」も不得意なタイプではないと思います。
2. 寒さに弱いタイプ
多肉植物の中では、寒さに弱いタイプに分類されます。
冬の最低気温は頑張っても「-5℃」が限界で…
なるべく「-3℃」までに抑えておくのが無難です。
霜と強い横風に当てないのも重要
屋外で管理する際は、霜と強い横風に当てないよう管理します。
できるだけ、軒下&防風の環境を整えると…
低温下でもダメージを負いづらくなります。
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◆ 栽培記録
2019.7 ~
主な記録
植替え | ’19-10 | - | - |
葉挿し | - | - | - |
剪定&挿し芽 | ’20-04 | ’21-09 | - |
● 殺菌・殺虫剤(目安)
オルトランDX粒剤 | 毎年、春に1回 |
ダコニール1000 | 毎年、軽く散布 |
● 病害虫・生理障害
現在まで、大きな病気・害虫・日照不足等の被害はなし
● 植替えの土
多肉植物の土【プロトリーフ】
(※ 元肥を含む)
● 追肥(目安)
植替えから1年後に適量
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2019-春・夏
栽培記録
夏 シーズン / 2019
7月下旬 ロッティを購入
カクトロコさんのポットを園芸店にて購入。
植えられている2株は、どちらも脇芽が伸びています。
パウダーが目立つセダム
所々とれたパウダーが、多肉っぽさを感じさせてくれます。
水やりくらいではパウダーは取れませんが…
手で擦ったり豪雨の雨ざらしには注意します。
8月下旬 夏の様子
暑さ・乾燥に強いので、それほど夏越しは難しくありません。
逆に、水を与え過ぎないよう管理するのが…
徒長させないポイントです。
シワがよっても大丈夫
これくらいのシワが寄るまで、水を控えても大丈夫です。
直射日光を避け、明るい場所で管理すれば…
1ヶ月以上、水を与えなくても枯れることはありません。
梅雨・夏の管理方法
他の多肉植物と同じく、適度な遮光を行い…
雨ざらしを避けて管理すれば問題ありません。
高温で多湿になる環境は、なるべく避けた方が安全です。
病気・害虫にも強いタイプ
無農薬でも病気には強いと感じます。
害虫はカイガラムシ対策として、
粒剤のオルトランを土に混ざておけば安心です。
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2019-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2019
10月上旬 秋の様子
葉色に大きな変化はありませんが、
先端は少しピンクに色付き、紅葉の兆しを感じられます。
ポットを分けて植替え
ここで、1株づつ2ポットに分けました。
肥料入りの「多肉植物の土」を使用し、栄養分も補給させます。
状況をみて植替えを行う
栽培に慣れるまで、株や土の様子を把握するのは難しいのですが…
成長に陰りが見え始めたり、
大きく育たなくなったら、植替えの目安となります。
11月下旬 大きく成長する
成長シーズンだけあって、モリモリと大きくなりました。
多肉植物も全般的に肥料を好むので…
特にセダムの場合は、適量を使ってあげると元気に育ちます。
冬 シーズン / 2019
1月中旬 冬の様子
1月は「-4℃」まで下がることが度々ありましたが、
ロッティは痛むことなく育っています。
屋外管理でも「軒下&防風」の環境なら、これくらい下がっても大丈夫です。
1ポットは屋内管理がおすすめ
もし、多肉栽培がはじめての方では、
2ポットあったら1ポットは…
氷点下まで下がらない場所で管理すると、凍害での全滅を防げます。
2月中旬 凍害で大ダメージ
パッと見だと、わからないのですが…
発色の悪い葉は、凍結してブヨブヨ状態です。
さすがに「-7℃」までは耐えられませんでした。
全滅は免れる
多肉が凍結しても、その程度により…
「全滅 または 回復」の違いがでてきます。
重度の凍害では、完全に株は枯れますが…
軽度であれば自然と回復してくれます。
2週間後の様子
▲ 凍結から2週間が経過
同じ株でも枯れてしまう葉もあれば、軽症の葉もあります。
また、根や茎にダメージが残る場合もあり…
被害の状況は、数日経つとより鮮明になります。
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2020-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2020
3月下旬 春の繁殖
上の写真では、残念な姿に変わってしまいましたが…
多肉植物なら問題なく、ここから繁殖させられます。
念のため1度でも凍結させたら、
春までは0℃以上の場所で管理するのが無難です。
この状態ならOK
〇で囲まれた部分は、無事
途中の茎は枯れていますが、先端の成長点付近は元気なままです。
植物からすれば「挿し芽」の苗として…
カットされた状態と変わりませんので、元気な茎から発根が始まります。
4月中旬 「挿し芽」で再出発
先端部分をカットして「挿し芽」で育て直しです。
カットした先端部分は「挿し穂」とも呼ばれます。
また、左の「挿し穂」は発根を確認済み。
気温上昇と湿度で発根しやすい
基本的に多肉植物は、20℃超える日が続くと発根しやすくなります。
発根しない場合は、土に植えて…
水やりをしたり、加湿することで発根を促せます。
6月中旬 根付いて育つ
カットした2つの穂は、まとめてポットに植えています。
その後の水やりは、天候にもよりますが…
7~14日で1回ほどとなります。
梅雨に入り曇天が続くようになったら…
徒長させないよう、控えめの水やりに移行します。
多肉の生命力は侮れない
手前の倒れて発根している穂は、
「復活したらラッキー」くらいの感じで、土に乗せておいただけです。
それでも、かなりの勢いで発根し…
土の中にも根を下ろしているので、引っ張ても抜けません。
夏 シーズン / 2020
7月下旬 1年後の様子
途中の凍結が悔やまれますが、全滅を回避できたのでよしとします。
新しい脇芽もスタンバイ
ちょっと、見えにくいですが…
新しい脇芽も伸びつつあります。
8月下旬
ロッティは茎も伸びやすいので、
多少の徒長は気にしないでOKです。
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2020-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2020
10月中旬
冬 シーズン / 2020
12月上旬 紅葉の違い
紅葉の目安は、昼夜の寒暖差が1つの条件となります。
それに加え、肥料の有無も影響します。
肥料が切れてくると、白ポットのように淡い色に変わり…
肥料が十分であれば、濃いめのグリーンを維持します。
12月中旬 今年も凍害
▲ このポットは全滅
今回は凍害に注意しようと思っていましたが、
早めの寒波で1ポット失ってしまいました。
この日も未明に「-7℃」を記録しています。
12月の寒波に注意
レアなケースで12月中旬に、特大寒波がやってくる可能性もあります。
対応が間に合わないと被害が拡大するため…
警戒しておくのが無難です。
2月下旬 生き残った株
1ポットは完全に枯れてしまいましたが、
こちらのポットは軽症で済んでいます。
同じ場所で管理していても、その株の状態や…
ちょっとした位置の違いで、多肉の被害は変わってきます。
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2021-春~冬
栽培記録
21年度はダイジェストで紹介
4月中旬 開花
8月下旬
9月上旬 仕立て直し
▲ 左ポットが「天使の雫」
▲ どちらも似ている
ロッティは一部を剪定し、見た目と性質が似ている…
天使の雫{トレレアシー}と一緒にまとめています。
12月上旬
天使の雫のほうが、ロッティより丸っこい葉をしています。
また、より幹立ちしやすい性質です。
2月中旬
21年度は凍害なし。
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2022-春~冬
栽培記録
22年度もダイジェストで紹介
4月上旬 再度、仕立て直し
脇芽が増えてきたので、ここで天使の雫とはお別れし…
ロッティ単独のポットに戻しています。
だいぶスカスカの表面ですが、
1年もあれば大きく育ちボリュームもでてきます。
ここでも肥料の入りの「多肉植物の土」を使って…
春と夏でしっかりとサイズアップさせることが重要です。
7月上旬
8月下旬
10月中旬
12月中旬 表と裏
▲ 表面(日向)
▲ 裏面(日陰)
陽当たりも紅葉具合に影響を及ぼします。
やはり陽が当たりにくい葉は、グリーンの面積が広くなります。
2月下旬 3度目の凍害
今回も油断からの凍結で、いつの間にかダメージを負っていました。
真上から見るとノーダメージのようでしたが…
改めて横から見ると、下部の葉がやられています。
氷点下&強い横風で傷む
例えば、屋外の軒下で霜対策はバッチリでも…
強い横風に当たってしまうと、一晩で傷んでしまいます。
無風の状態で「-3℃」なら問題ありませんが…
風が当たり続けると、
倍の「-6℃」まで下がったようなダメージを負ってしまいます。
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最終更新(’23.3)
3月中旬 仕立て直し
しばらく群生させておいても大丈夫ですが、
徐々に混み合ってくるので、適度に剪定するのがオススメです。
また、ポットを分けてもOKです。
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この後の栽培は、繰り返し
▲ 購入時の様子(7月)
▲ 約3年後の様子(12月)
この後も同じようなサイクルで育ちます。
群生しやすく育てやすい多肉ですが、凍害に注意して管理します。
以上、セダム属「ロッティ」の栽培記録でした。