この記事では多肉植物が患う「斑点性の病気」と…
効果的に予防できる「ダコニール1000」について紹介します。
この病気の特徴は、下葉から発病して…
葉を枯らしながら上の葉へと伝染していきます。
そして、この病気に対応しているのがダコニール1000となります。
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◆ 症状について
▲ 虹の玉(セダム)
▲ 春萌(セダム)
▲ ブロンズ姫(グラプトセダム)
▲ アフィニス(エケベリア)
▲ 紫麗殿(パキベリア)
▲ ピンクルルビー(グラプトベリア)
多肉全体で比べると、病気になる種類は少数ですが…
管理人の環境下では、
主にセダムやエケベリア、グラプトペタルム、
そして、これらの属間交配種の一部で確認しています。
シーズンは春~秋
発病しやすい季節は、春~秋となります。
他の病気や害虫被害も、同じシーズンに起こるため…
見分けが付かない場合もあります。
病原菌の感染経路
病原菌は、風雨によって飛散し…
梅雨時~夏にかけて症状が現れやすいようです。
また、感染した株を購入して…
夏頃になった際、発病する場合もあると思います。
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◆ 病気の特徴
続いて、病気の特徴を紹介します。
なお「斑点性の病気」という病名は、上記の書籍から引用。
1. 上の葉に伝染する
▲ 虹の玉
発病すると、下の葉から褐色や黒っぽいの点々があらわれ…
その葉を枯らしながら、上の葉へと伝染します。
放置すると、株全体が枯死する可能性あり
病気が進行すれば、すべての葉と幹に影響が及び…
最悪、枯れてしまう場合があります。
2. 気温低下で症状は治まる
もし発病しても、気温が下がる11月くらいには症状は治まります。
症状が発生した葉は、元には戻りませんが…
その後、通常通りに紅葉も生育も始まります。
葉が減って増えにくい
発病後は葉が枯れ落ちるで、葉の枚数が増えません。
症状の進行具合によっては、感染した株は諦めて…
健康な株を育て直したほうが、手っ取り早い場合もあります。
3. 再発の可能性あり
▲ 梅雨時くらいに再発
晩秋には治まりますが、菌は越冬するようで…
翌年の春以降に、症状が再発することが多々あります。
植替えても治らない
カットした苗(挿し穂)でも、菌が残っていれば再発する場合があります。
根治するのは難しいようで、
1度でも発病すると、翌年も再発しやすいと感じます。
4. 「虹の玉」系で頻発
▲ レッドベリー
管理人の環境で猛威を振るうのは…
「虹の玉」系統のセダムです。
斑入りの「オーロラ」や、小型の「レッドベリー」、
交配種の「ジョイスタロック」などが該当します。
自宅で育てると、必ず発病する
冬頃に健康な苗を購入してきても、
春から夏になると、なぜか発病してしまいます。
5. 病気に強い多肉も多数
発病すると厄介な病気ですが、該当する多肉は…
虹の玉などの少数で、ほとんどの多肉では確認していません。
病気にならないセダムも多い
例えばセダムの「春萌」が発病しやすいのに対し…
似たような「月の王子(黄麗)」は、まったく病気になりません。
また「虹の玉」に似ている「乙女心」も、あまり発病しません。
病気に強い多肉は、
となりに置いて管理しても、伝染する様子はなさそうです。
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◆ 効果的な薬剤
続いて、効き目のある薬剤になります。
個人的な感想としては、病気の進行度によって…
「治ったり、治らなかったり」という印象です。
発病後では手遅れなケースが多い
多肉の病気関係は、発病後では…
ほとんど根治できないかと思います。
そのため、事前に薬剤を散布することが重要となります。
また、一度でも発病してしまうと…
翌年も同様の病気になりやすいと感じます。
1. ダコニール1000
まずは、ダコニール1000です。
予防タイプの殺菌剤なので、
発症する前に散布する必要があります。
有効性の情報ソース
住友化学園芸さんからのコピペですが、
セダムやエケベリア、グラプトといった…
ベンケイソウ科の多肉植物を広くカバーしています。
2. ベニカXスプレー
「斑点性の病気」は対象外のようですが、
個人的には効いている感じもします。
オールマイティな薬剤なので、
まずは、この1本から使ってもよいかと思います。
ベニカXのメリット
ベニカXは定番の「殺菌&殺虫剤」です。
1度の散布で、病気と害虫に対応できる優れモノ。
また、希釈などを行わずスグに使えます。
「Xファイン」との違いは?
公式によると、下記の内容が異なっていました。
殺虫成分 | 殺菌成分 | |||
即効性 | 持続性 | 予防効果 | 治療効果 | |
Xスプレー | ◎ | - | ◎ | ◎ |
---|---|---|---|---|
Xファインスプレー | ◎ | ◎ | ◎ | - |
異なるポイントですが…
Xスプレーには、殺虫成分の持続性が無く、
その代わりに、殺菌成分には治療効果があります。
そして、Xファインはその逆になっています。
参照ソース(住友化学園芸)
本命はダコニール
ダコニールとベニカを、交互に使用しても薬害はありません。
ただ「斑点性の病気」に関しては、
ダコニールのほうが効果的かと思います。
状況を観て使用するのがオススメ
病気の被害は、環境によって違いがあります。
必ず発病する訳ではないので、手軽なベニカだけでもOKですし…
ダコニールも追加したほうが、より安全かもしれません。
初見では、なかなか対応が難しいので…
まずは多肉を育てながら様子を伺っていきます。
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◆ ダコニールについて
ここで「ダコニール1000」についても触れておきます。
水で薄めて使うタイプの薬剤で、
1度購入すれば、個人では使えきれないほどの内容になります。
1. 予防タイプの殺菌剤
説明書の注意書きによると…
病気のため葉が変色してからでは、その後薬剤を散布しても元通りには戻りません。発病前あるいは発病初期に7~10日おきに数回連続して散布するのが正しい本剤の使用法です。
予防タイプの殺菌剤なので、発症してからでは遅く…
最悪、発生初期がタイムリミットです。
2. 希釈が必要な薬剤
500ml対応の霧吹きに、薬剤を混ざるところです。
観葉植物の濃度は1000倍の指示なので…
多肉植物もそれに合わせています。
濃度の調整は難しくない
1000倍への調整は、水500mlに対しては0.5mlです。
メモリ付きの容器が付属されているため、
濃度の調整は難しくありません。
3. 薬害の心配は無用
はじめて殺菌剤では薬害が心配になりますが、
容量と回数を守れば大丈夫です。
どんな多肉も、枯死したり葉が変色することもありません。
パウダーが濃い多肉は?
パウダーの強い多肉(ラウイなど)に…
症状が現れていない場合は、除外してOKです。
また、管理人の環境下では…
無農薬でも病気を確認していません。
4. 展着剤を混ぜると効果的
薬剤を散布しても、光沢系の葉では弾いてしまうことがあり…
それを展着剤によって展着性を高めます。
書籍から引用すると下記の通りです。
付着してから広がりやすくし、さらに落ちにくくする効果もあります。希釈する薬剤の有効成分を、水の中で均一にする働きもあり、防除効果を安定させます。このひと手間で防除効果がアップします。水和剤や水溶剤を水で薄める際には必ず加えましょう。
5. 霧吹きは少し「いいモノ」を選ぶ
ワンプッシュが細かいミストになるため…
水滴になりにくく、乾いた後も…
薬剤の痕(白っぽい淵)が残りにくくなります。
また、葉の裏にも届きやすく均一に散布することができます。
6. 使い残しは地面へ捨てる
一度、薄めてしまうと保存がきかないので廃棄します。
その際、排水溝ではなく地面へ捨てます。
さらに、地面が土であれば微生物によって分解されるそうです。
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◆ 事例とまとめ
最後に「斑点性の病気」のまとめと…
一部ですが、その事例を紹介します。
事例の紹介
栽培中に「斑点性の病気」となった多肉植物を一部紹介します。
予防が1番
植物の病気は、なんでも予防するのが1番です。
ですが、病気のいやらしいポイントは、
秋以降は発病せず、回復して元気に育つので…
翌年になると、殺菌剤の散布を忘れてしまう事です。
春~秋まで、忘れずに散布する
1度でも発病したら、翌年は忘れずに散布します。
また、梅雨を乗り切っても、夏に発病するケースもあるため…
秋までは定期的に散布するのがオススメです。
重症化で再発しやすい
▲ アフィニス
重症化した場合、生き残っても翌年に再発しやすいと感じます。
特に軽症の多肉より、重症となった多肉のほうが顕著で…
毎年のように再発を繰り返す可能性もあります。
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以上「斑点性の病気」についての紹介でした。
環境によっては発病しないかもしれませんが…
念のため、日頃からの観察をオススメします。