春に子吹きしたセンペルビウムの株分け…いつ行う?

センペルビウムといえば… 子吹きの多さも特徴的な多肉植物です。

そして… 春に子株が出始めると6月下旬くらいには、ポットから垂れ下がったり… ポットが子株で埋め尽くされてしまう場合もあります。

そこで、株分けをしたくなるのですが…「もうすぐ夏本番で暑くなるし… 株分け、どうしようかな~?」と考えてしまいます。

試してみましたが… 個人的には「秋まで待ったほうが無難」だと思います。

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結果は… 大差なし

6月に株分けをしようが… 10月に株分けをしようが… 子株の大きさは変わりませんでした。

上海ローズで、試してみた…

この… ポットいっぱいになった「上海ローズ」で、6月に半分だけ… そして10月に残りの半分を株分けしてみました。

その結果… 子株の大きさに違いは見られず、6月に分けた子株が枯れてしまうこともありませんでした。

株分けは、秋まで待つのが得策!

センペルビウムは、夏場に半休眠しますので、ほとんど成長せず… 現状維持になります。なので… 株分けしても手間が増えるだけです。

親株にくっつけておけば、水やりも1回で済みますし、鉢も増えないので場所も取りません。

見た目的に微妙ではありますが… 湿気やカビの心配がなくなる涼しい秋まで待って、のんびりと株分けしたほうが得策だと感じました。

【センペルビウム】株分けの、まとめ

先に、まとめます。

  • 夏前に株分けしても、その後の株の状態・成長には影響なし。ただし、夏の管理には気を付ける。
  • 夏前に株分けしても、しっかりと管理すれば、発根して秋から成長していく。
  • 株分けしてしまうと、管理の手間が増える。
  • 親株の周りに子株が多すぎて、カビや多湿が心配なら「鉢増し」で鉢の直径を広げておくのも有効
  • なんとなく不安に感じたら、秋まで待ってみる

・・・
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これよりは「僕が、実際に株分けした記録」ですので、興味がありましたら引き続きご覧ください。

【株分け】夏~秋の状態を観察する


上の写真の「上海ローズ」も、春から子吹き始め6月下旬には… 満室状態となりました。

そして「いつ… 株分けするか?」で悩みました。

今すぐ… 株分けしたい理由 

このまま真夏を迎えると「風通しが悪くて株全体がカビてしまうのでは…?」と思ったから。

秋まで待って… 株分けしたい理由 

これからの季節、暑さで子株に根が生えるか心配だし… 子株に対する水やりの頻度や量もわからないから。

この2択で迷ったあげく… 半分だけ株分けしてみました。

夏前の「株分け」


まんがいちの全滅を回避するために… 半分だけ… 間引いてみました。

子株の数が減ったのと同時に、枯葉の掃除もできたので、かなり風通しもよくなったと思います。

間引く子株は、なるべく根が付いているもの!

選別する子株は、ランナーではなく… なるべく子株自身が根っこを出しているものがベストです。それらを選んでおけば、根付くのも早くなると思います。

カットするときは、茎(ランナー)を1cmほど残しておくと、用土に差し込んだ際… 安定するので楽です。

子株の場合は、プラグトレイのほうが、いいかも

この素焼きの鉢は、株に対して大きすぎました。 また、夏は休眠期なので、まったく株が大きくなりません。

あとで思いましたが… 今回の場合は、子株も小さく根も短いのでプラグトレイで十分でした。

これがプラグトレイで、ホームセンターなどで売っています。

区分けされているので、そこに1株づつ植えたほうが効率的です。 また、区画に対し用土の量も少ないので、水を与え過ぎた場合でも早めに乾燥してくれて、多湿の心配がありません。 

「鉢増し」という対策もある

「鉢増し」とは… 用土を崩さずに苗と用土ごと、そのまま… 別の大きい鉢に移動させる手段です。


大きい鉢に移すと、その分… 用土と鉢にスペースが空いてしまいますが… 今回の上海ローズの場合は、通気性のよい軽石などをスペースに補充すればOKです。

こうすれば、そこそこの蒸れ対策になってくれると思います。また、夏の間だけの処置として考え、秋になったら再度、植え直します。

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夏場の管理

株分けしてしまった「上海ローズ」ですが、秋までの管理環境を紹介します。

❶ 遮光率50%(日陰)の場所に置いておく


センペルビウムは、夏に半休眠するので… なるべく温度が低い場所に置きます。親株も子株も遮光して、直射日光に当たらないようにしておきます。

遮光は、寒冷紗【かんれいしゃ】がよく使われています


僕は屋外に置いていたので、白い寒冷紗(遮光率22%)の2枚重ねで約50%の遮光を保ちました。

 風が通る、明るい室内(窓際等)でも大丈夫だと思います。

特に、子株は陽射しが強いと焼けてしまう


株分け前は青々していましたが、少しの間… 遮光をサボっただけで外葉が赤く焼けてしまいました。

火傷させてしまってもスグには枯れませんが、徐々に枯れていってしまいます。 特に、子株は遮光率を高めて葉焼けに注意します。

❷ 水やり(頻度・量)

センペルビウムは乾燥にも強いようなので、夏場は控えめで大丈夫です。

  • 頻度の目安: 10日~2週間に1回
  • 量の目安 : 用土の表面が濡れるくらい(ポットの体積の1/5ほど)

逆に、何度も与えすぎてしまうと… 多肉にとってよくありません。

与え過ぎると、いつまでも乾かずに根腐れの原因になってしまいますし… センペルビウムでもニョキニョキと徒長します。

さらに、水やり後… 直射日光に当たり続けると、高温・多湿状態で即死してしまいます。

水を与えなくても枯れないの?

多肉植物は、用土から引き抜いて放置してもスグには枯れません。 涼しい日陰なら1ヶ月ほど経っても、葉っぱにシワがよるだけの場合もあります。

これは別のセンペルビウムですが、用土から引き抜いて2週間ほど放置しています。

小さい株でも、枯れない株は枯れません。 ダメージを受けた株の場合は、スグに変色して3日程度で枯れてしまいます。

多肉は水分が外に漏れにくい体質なので、意外なほど… 水分補給で心配する必要はありません。

❸ 株は、ほとんど成長しない模様

休眠期なので… 親株も子株も、ほとんど成長しないと思います。「黒法師」で有名なアエオニウム属と同じで、夏場はまったく大きさが変わりません。

親株の状況


親株は、春の子吹きで栄養を持っていかれたのか…? 外の葉から枯れてきましたが… ロゼットの中心は変色などもなく元気です。

子株の状況

2019/8/27(約2ヶ月後)

2019/10/5(約3ヶ月後)

株分けから3ヵ月ほど経過しましたが、子株は大きさに変化はありません。

夏の過ごし方、まとめ

センペルビウムを含め多くの多肉植物は、夏に半休眠するので、水も吸わなくなり現状を維持します。 なので、できるだけ植物にストレスを与えないように夏を過ごさせます。

  • 遮光率50%が目安
  • 子株の葉焼けに気を付ける
  • 水を控える(用土の高温・多湿を避ける)

水やりは本当に難しいと思います。

使う用土やポットの大きさによって水はけ具合も違うので、同じ水量でも結果は違ってきます。 慣れないうちは、思ったより控えめ… くらいが丁度よいかと思います。  

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枯れなければ、発根している証拠

株分けから2週間ほど経っても… 葉っぱの色がグリーンのままなら根は生えてきています。

 発根の例【ガゼル編】

同じような環境で、別のセンペルビウム(ガゼル)も発根を確認しました。

6月下旬に株分けしたガゼル

株分け前の、親株のガゼルです。

子株自体は、ほとんど発根しておれず… 株分け後に「はやまったかな!?」と思いました…。 

このガゼルも、夏前の6月下旬に株分けしました。。

10月上旬に、引き抜いてみると…

すべての子株で、発根を確認しました。

※ 一度、引き抜いてしまうと… 根も伸びているので、元の鉢の状態に戻すのは至難の業です! 2株づつくらい、別々のポットに植え直すハメになります。

以上のように「夏前」+「発根していない株」でも、遮光して管理すれば、根は生えてきます。

秋の「株分け」

夏前に、半分だけ株分けした上海ローズに戻ります。


つづいて… 10月にも、残りの半分も株分けしました。

「6月」と「10月」に株分けした子株

どうでしょうか? もう… 全くというほど大きさは変わっていません。

若干… 6月のほうが大きく感じるかもしれませんが、個体差の範囲です。 これなら… 秋まで親株と繋げておいて、一斉に株分けしたほうが手間がかかりません。

秋の株分け後も、陽射しに注意

左:遮光をしなかった子株
右:遮光した子株

秋になって涼しくなっていますが、陽射しの強さは残っています。 なので、夏前と同様に遮光をキープしておかないと葉が焼けてしまいます。

 子株の遮光率は11月いっぱいまで50%でもいいと思います。

【センペルビウム】株分けの、まとめ


もう一度、まとめます。

  • 夏前に株分けしても、その後の株の状態・成長には影響なし。ただし、夏の管理には気を付ける。
  • 夏前に株分けしても、しっかりと管理すれば、発根して秋から成長していく。
  • 株分けしてしまうと、管理の手間が増える。
  • 親株の周りに子株が多すぎて、カビや多湿が心配なら「鉢増し」で鉢の直径を広げておくのも有効
  • なんとなく不安に感じたら、秋まで待ってみる

以上となります。

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今回の経験を踏まえ、個人的には… 夏前の株分けは面倒なので秋に回してしまうと思います。

ですが、夏の管理に気を付ければ失敗することもないので、一度くらいチャレンジされてはいかがでしょうか。


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