エケベリア属「静月【せいげつ】」の紹介です。
静月は日本で作出されたハイブリットの代表格で、
交配は「静夜×月影」となり、
品種名もわかりやすく、両親の名前が合成されています。
見た目は月影に近い感じで、
葉のエッジが薄っすらと透明なのも魅力です。
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Characteristics
成長期 | 形 状 | 葉 色 |
---|---|---|
春・秋 |
中型 |
グリーン・パープル |
エケベリア属 | 交配種 |
---|
成長期は「春と秋」
基本は単頭のロゼットとなり、遅れて脇芽が付く。
夏は葉色は淡いグリーンで、エッジはやや透明。
冬になると淡いパープル系に発色する。
◆ Photos
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◆ 基本情報
科 | ベンケイソウ科 |
---|---|
属 | エケベリア属 |
品種名 | Seigetsu |
流通名 | 静月 |
- |
生育期 | 秋・春 |
---|---|
価格帯 | 1,000円前後 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
増やし方 | 剪定&挿し芽 |
葉挿し |
静月は交配種
- 左)静夜
E. derenbergii - 右)月影
E. elegans
交配式は「静夜×月影」です。
両親はともに有名な原種で、学名では静夜はデレンベルギー、
月影はエレガンスとなります。
全体的なイメージでは、月影っぽいフォルムです。
「ファルラックス静月」と同じっぽい
▲ 夏の様子
▲ 冬の様子
「ファルラックス静月」という名前のエケベリアは、
静月と同じ品種だと思われます。
ファルラックスとは異なる
「ファルラックス」のみの表記では、
静月とは異なるようですが、
両者とも似ており、葉の幅と花を見て区別するようです。
(Guide To Echeveria p.106より)
どちらも同じ交配式
静月もファルラックスも、まったく同じ交配ですが、
見た目や花のフォルムが異なるため…
別々の交配品種として認知されています。
(日本でファルラックスは流通していないかもしれません。)
苗は韓国産カット苗
今回、購入した苗にはジョンウォルと表記されているので、
韓国で作られたクローンが、日本に逆輸入された感じです。
紛らわしい交配種
エケベリア交配種は、基本的に品種登録されていないため、
国外へ出ていって現地の名前を付けられ、
その名前のまま日本に戻ってくるレアケースもあります。
こっちは「正月」
「なんか、めでたい名前だな~」という感じで購入しましたが、
よくよく考えてみると、
静月の「静」が「正」に変わっただけで、
読み方は「せいげつ」なのかもしれません。
また、正月の品種名は「Jeong-Wol」となっており、
最初にカット苗で購入したジョンウォルと同じ「静月」になるかと思われます。
育て方の、参考記事
※ 種類は異なりますが、成長過程や栽培方法は同様です。
ネット販売
ピュアリーフ | - |
ストア内検索:ファルラックス静月、正月 |
※ 売り切れの場合あり
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◆ 季節の変化
夏
▲ 7月上旬
▲ 8月下旬
葉色(肥料・並) | 淡いグリーン |
---|---|
葉色(肥料・少) | 淡いグリーン |
エッジの色 | 半透明 |
爪の色 | 半透明 |
ロゼット | 日照不足&水やりで開きやすい |
備 考 | - |
冬
▲ 12月上旬
▲ 2月中旬
葉色(肥料・並) | 淡いブルーグリーン |
---|---|
葉色(肥料・少) | 淡いパープル |
エッジの色 | 半透明 |
爪の色 | 半透明 |
ロゼット | 丸まりやすい |
備 考 | - |
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◆ Before / After
購入時の様子
購入日 | 2020. 4 |
---|---|
カット苗 | 約4cm |
生産者さん | 不明 |
購入店 | ガーデンメッセ八王子 |
約1年後の様子
4月にカット苗で購入し、ほぼ未発根の状態です。
購入から1ヵ月ほど待ちましたが、
そこから発根が進み、その後は順調に育っています。
根付いてしまえば、管理方法はポットの多肉と変わりはなく、
また、暑さ寒さにも強い品種となります。
1年間の主な作業
・なし
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◆ 栽培記録(3年間)
スタート(4月)
※ カット苗4cmほど
5月(植え付け)
※ 発根が進んだため植え付け
7月
8月
10月
12月
2月
約1年後(4月)
※ 1年後に開花
7月
8月
9月(植替え)
12月
2月
約2年後(4月)
7月
8月
9月
10月(剪定&葉挿し)
※ 親株は残さず、挿し穂と葉挿しに回す
12月
※ 葉挿しは1/16で成功。
2月
※ 今回の挿し穂は、発根まで3ヵ月
約3年後(4月)
6月
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◆ 栽培メモ
1. 葉挿しで、ちぎれる場合
葉挿しのため、幹から葉を取ろうとすると、
どうやっても綺麗に取れない種類に出会います。
その際は、幹をカットしたほうが簡単になります。
挿し芽と葉挿し
今回の繁殖方法は「挿し芽」と「葉挿し」にしてみました。
そのため、根元からカットして親株は破棄します。
また、先端の「挿し穂」以外は、すべて葉挿しに回します。
苗だけなら取りやすい
▲ この状態なら取りやすい
▲ それでも、ちぎれるケースがある
基本的に苗だけの状態なら、だいぶ取りやすくなりますが、
それでも今回の静月のように…
根元でちぎれてしまうエケベリアはあります。
胴切りで対処
5枚ほど取って、どれも失敗したら…
下から取るのは止めて、上から取ったほうが無難です。
その際は、さらに「胴切り」して対処します。
上から取れば簡単
こんな感じで、上から取れば…
頑固なエケベリアでも、
ほとんど失敗せずに綺麗に取ることができます。
成功率は微妙かも
▲ 成功した葉は1/16
15枚以上は綺麗に取れた葉っぱでしたが、
結局、発根&発芽したのは1枚だけでした。
性質の違いによって大きく異なる
葉挿しの成功率は、その品種の性質や栄養状態など…
いくつかの要因が重なって決まります。
また、葉の取りやすさもまったく異なります。
ファルラックス静月のケース
こちらは「ファルラックス静月」の名前で購入した株です。
繁殖方法は「胴切り」「挿し芽」「葉挿し」の3つ。
葉挿しは、ほぼ不発
葉は綺麗に取れましたが、ほとんど無反応で終了です。
やはり不得意なタイプなのかもしれません。
挿し芽と親株は育つ
胴切りから10ヶ月ほど経った様子です。
挿し芽の苗も順調に育ち、
カットされた親株も、たくさんの脇芽が付いてます。
正月のケース
こちらは「正月」の名前で購入した株です。
繁殖方法は「胴切り」「挿し芽」「葉挿し」の3つ。
葉挿しは、低確率で成功
4/20で成功。
挿し芽と親株は育つ
胴切りと挿し芽は、手間が少なく安定した繁殖方法になります。
結果論になりますが、
葉挿しには回さず、胴切り1回だけで十分な収穫となりました。
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◆ 夏と冬の管理目安
冬の管理(屋外)
弱い -3℃まで |
強い -5℃まで |
とても強い 凍害なし |
---|---|---|
- | 〇 | - |
多肉植物全体で比べると「強い」タイプ。
目安としては「-5℃」までなら、凍害の影響はなし。
これより低下すると、多肉植物によっては…
一部が凍結したり、全体が凍結し枯死する可能性が高まります。
霜除け & 風除けは必須
屋外での管理では「霜除け&風除け」は必須です。
どちらかが未設置の場合では、上記の管理気温まで耐えられず…
霜害や凍害によるダメージを負いやすくなります。
梅雨 & 夏の管理
遮光(20~50%)
病気・害虫対策
徒長(水やり)
雨ざらし・風通し
高温(猛暑日)
高温・乾燥に強いタイプですが、朝から夕方まで…
丸一日、陽が当たる場合は50%前後の遮光が必要。
水やりは多肉の様子を確認しつつ「量 or 回数」を減らすのが安全です。
雨ざらしはトラブルの原因になりやすい
梅雨~初秋にかけては病気や葉蒸れ、徒長の原因となるため、
雨ざらしの状態を避けるのが無難です。
また、定期的に農薬を散布することで…
病気・害虫の被害も抑えられます。
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