【参考】ビニール温室…購入前の注意点

この記事では… 多肉植物の「冬越し」を目的とした、

市販の「ビニール温室」について紹介します。

たいへん便利なアイテムですが、

温室のサイズや、立地に影響されるので、

メリット・デメリットを把握して、運用する必要があります。

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ビニール温室は、このようなタイプ


ホームセンターやECサイトでも、

普通に販売されている家庭用のビニール温室で、

大小ありますが… 構造は同じです。

なお、管理人はビニール温室を使用した経験はあまりません。

DIYの「小屋づくり」と、多肉の「冬越し」で感じたことを、

フィードバックしたものですので、参考程度にご覧ください。

管理人の「小屋仕様」は、こちら

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注意❶: 温室の限界

まず「ビニール温室」という… 暖かそうな名前ですが、

夜中でも、暖かくできる訳ではありません。

基本的に… 熱源は「陽射し」なので、

外気温が低いほど、温室内の気温も低くなります。

 保温は、長く続かない

日中… 陽射しがあれば、内部の気温は上昇します。

ですが、陽が落ちると…

あっという間に気温は下がり、いずれ外気温と同じになります。

3℃前後は、保温できるかも…

管理人の自作小屋では…

外気温「-5℃」のとき、内部は「-2℃」なので、

3℃の保温が効いています。

ですが… 環境や製品によって異なる為、

自分の環境下で試してみないと確認ができません。

 温室内でも、ふつうに凍る

他の植物でも同じですが…

住んでいる場所の気温がベースとなります。

暖地では凍らなくても、

中間地、寒冷地では凍結しやすいので、

まずは、お住いのエリアの最低気温を確認しておく必要があります。

 防寒対策のポイント

防寒対策で肝心なのは… 対策前と対策後の気温です。

「箱やビニールで覆れば大丈夫!」ということではなく…

「凍らない気温になっているか?」という結果を、

しっかりと確認することが重要です。

「-3℃」までなら、どんな多肉でも大丈夫

ビニール温室を購入しても…

その中が「-5℃」まで下がってしまうと、

寒さに弱い多肉では… 枯れたり、ダメージが残ります。

そのため… どの多肉でも、凍害を気にしたくない場合は、

温室内を「-3℃」までに抑える必要があります。

ストーブの稼働

温室自体の保温効果で間に合えば、それに越したことはありません。

ですが、お住まいのエリアによっては厳しくなるので、

ストーブ等の暖房を稼働させる必要があります。

このあたりは、生産者さんと変わらないと思います。

環境次第で、
「冬越し」が超・簡単になる

ビニール温室とストーブの両方を購入しても、

費用対効果を考慮すれば、

そこまで高い買い物にはなりません。

 問題は… 温室のサイズ

ストーブを使うなら、4畳ほどのサイズは欲しくなります。

すると今度は… 設置場所に難儀したり、

強風や台風、大雪が心配になってきます。

厳しい寒さでは、ランニングコストが負担に…

また… 灯油台が、月に1,000円程度なら、

冬季だけなので、安いほうだと思います。

しかし、5,000円となると…

個人レベルでは、悩むところになりそうです。

管理人のストーブ事例は、こちら

多肉小屋に、ビニールを張って温室化し、

ストーブを設置した事例となります。

ここまでの、まとめ

ビニール温室は、庭に余裕があれば…

建てておいても損はないと思います。

ただ… 保温効果は、

お住いのエリアや製品で異なるので、

実際に購入して、内部の温度を確認する必要があります。

「多肉用として機能するのか…?」

「それとも、倉庫になってしまうのか…?」

使ってみないと分からないのがネックとなります。

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注意❷: 突風・台風

次に注意したいのが、突風で飛ばされる件です。

家庭用のため、組み立てやすい反面…

日常の突風でも、吹き飛んでいく可能性が十分にあります。

対策 ①
ブロックを重石として使う

W:122cm × D:186cm × H:190cm

例えば… 上の写真の温室サイズなら、

ホームセンターで、コンクリートブロックを購入します。

そのブロックを、地面と接するフレームの上に置くか…

ロープなどを使い、フレームに括り付けます。

これで、本体の浮き上がりを防げます。

対策 ②
ロープで地面と固定する

テントでも、よく見かける強風対策です。

上の写真のように…

はじめから、ロープとペグが付属している商品もあります。

この仕様では、4方向から引っ張り合っているので、

背の高い温室でも、より強風に耐えることができます。

地面に挿せない場合は、ブロックを使用

地面がコンクリでペグが挿せない場合は、

コンクリートブロックを重石として使用し、

ロープで巻き付け固定します。

ブロックは、1ヵ所に対して4コほど必要です。

全体を固定して、耐久性アップ

このような感じで… 下部と上部のフレームを固定してあげと、

強風による変形・破損を抑えらます。

見た目はイマイチになりますが…

最低限、やっておきたい強風対策です。

どんなサイズの温室でも、飛ばされやすい

小さな温室でも… 大型サイズでも、

もとが軽量なため、飛んでいってしまいます。

大型になるほど… 風をうける面も広くなるので、

相応の重石やロープでの固定が必要です。

なお、コンクリートブロックを購入した場合は、

1つ100円ほどで、若干の費用増となります。

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注意❸: 温室内の高温

凍害以上に気を付けたいのが、閉め切りによる高温です。

真冬で… 半日程度の陽射しなら大丈夫ですが、

冬以外では、蒸れて全滅する可能性が高くなります。

 絶対に、忘れることは許されない

早朝の気温が氷点下であっても、

天候・環境によっては…

10時を過ぎると「30℃」を超えてきます。

確実に… 曇り・雨の1日なら、閉め切りでもOKですが、

晴天時の開け忘れは、超・危険です。

たった1回の「うっかり」で、

大切な多肉を失う可能性は、大いにあります。

 夏は、工夫する必要があるかも…

付属するビニールシートですが…

1か所だけ大きな扉はあるものの、

風が抜けず、真夏では高温になりやすいと思います。

夏仕様も考えておく

春頃になったら、付属のシートを外し…

屋根や上部だけを、

市販のビニールシートで覆ったほうが熱対策にはなります。

または、付属のシートはそのままで、

扇風機を使い空気を循環させる方法もあります。

どちらにせよ… 実際に多肉の様子や、

温室内部の気温を確認しつつ、対応することになります。

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注意❹:その他

他に、注意したい内容となります。

❶ 外泊・留守の管理

もし、朝の3時に家を出たり… 外泊した場合、

温室での管理がピンチになります。

特に、扉の開閉は…

多肉を守るためのルーチンワークなので、欠かすことができません。

開けたら閉める… 閉めたら開ける

【注意❸:温室内の高温】でも触れましたが、

温室を使ったら「寒さ・暑さ」の2つに対応する必要があります。

家族がいれば、開閉作業を任せられますが…

1人では、なかなか厳しい状況となってしまいます。

❷ 温室内の棚づくり

商品によって、はじめから棚が付いている場合もあり、

都合のよいにように思えますが、

多肉の場合は…

「日照の確保」という条件もあるので、置き方も重要になります。

思ったより、多肉が置けない…

温室内に置けたとしても…

陽が当たらないデッドスペースとなる場合もあります。

そのため、温室によっては、

効率的に多肉が置ける棚を、自作する必要があります。

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◆ 温室のまとめ

手軽に購入できて、設置も簡単なビニール温室ですが、

人によって便利にもなれば、

イマイチ… と感じる場合もあると思います。

 条件をクリアすれば、最高

  • すべての多肉を、温室内で管理できる
  • 設置場所・陽当たりを確保できる
  • 温室に、適度な保温能力がある
  • 温室内に、ストーブを設置できるスペースがある
  • 強風対策ができる
  • 日中の高温状態に対処できる

これらの条件を満たせれば…

冬だけではなく1年を通して、

移動の負担や、防雨・防寒の手間など…

作業面では楽になり、多肉も奇麗に育ちやすくなります。

もはや、生産者さんクラスの条件になっていますが、

多肉栽培でのリスクは、雨と低温なので、

業務レベルでは、温室やハウスのような環境が必要になってきます。

家に移動させたほうが安全

個人では… 家の中に移動させたほうが、

極端な気温にはならないので、事故もなく確実です。

移動の手間は増えますが…

生産者さんと同等の多肉に育ちます。

試してみるのも、オススメ

なんだかんだで、微妙そうなビニール温室ですが、

実際に使って、気付く事もあると思います。

また… 他の植物に流用できる場合もありますので、

小さなサイズを購入して、試してみるのもオススメです。

また、ビニールシートと、

フレーム代わりとなる木材などを購入し、

小型のビニール温室を自作してみるのも、よいかと思います。

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以上… ビニール温室を購入する前の注意点でした。


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2018年の秋から多肉植物を楽しんでいます。これから始める皆様にとって、少しでも参考になれば幸いです。


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