この記事では、エケベリア属の多肉に多くみられる…
株(葉・幹)が腐る症状について紹介します。
夏に起きやすいトラブルの1つとなり、
このフルーツが腐ったかのような症状は、
多肉栽培者の間では、一般的に「蒸れ」と呼ばれています。
記事の概要
- 蒸れた状態(部位)には違いがある
- 葉だけ蒸れたなら軽症、幹なら重症
- 蒸れる理由は、複数の要因が考えられる
ポイント
多肉(特にエケベリア)が蒸れてしまう理由は、
高温多湿による環境面の影響が大きいのですが、
多肉の性質・個体差などが影響して蒸れてしまう場合もあります。
そのため、注意して管理しても…
「蒸れるときは蒸れる」という認識で、多肉栽培を楽しんで頂ければと思います。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
◆ ケース別の被害状況
蒸れる具合は、いくつかのパターンがあります。
また、葉が蒸れたのか?
それとも、幹が蒸れたのか?によっても、被害の深刻度が異なります。
蒸れた状態の区別
「蒸れ」という表現のみですと、
どの部分が蒸れたのか不鮮明なので、
このブログでは、下記のように区別しています。
- 葉蒸れ:葉が蒸れた状態
- 幹蒸れ:幹が蒸れた状態
- 蒸 れ:どちらも含む状態
1. 1枚だけ蒸れる
危険度:★☆☆{要観察}
突如、葉っぱ1枚だけが蒸れてしまう状況です。
このケースでは、ほとんど被害は広がらず…
最初の1枚だけで済むことが多いかと感じます。
ですが、念のため症状が治まるまで観察を続けてください。
2. 3枚ほど蒸れる
危険度:★★☆{要観察}
1枚だけではなく、同時に3枚ほどが蒸れる状態です。
この場合は、1枚だけの場合よりも…
念入りに観察を続ける必要があります。
それは、葉だけではなく幹が蒸れている場合があるからです。
幹蒸れの可能性あり
蒸れた葉が3枚以上であれば、
その葉を取り除いて幹の状態をチェックしてみます。
特に異常がない場合もあったり、
上の写真のように、幹が黒ずんで腐っている場合もあります。
このケースでは、株自体を諦めざるを得ません。
幹のチェック
▲ 白っぽい幹なら大丈夫
葉が蒸れていると、幹から簡単に外れますが、
状態によっては根元に残る場合もあります。
葉を取り除いた後は、幹のチェックです。
白や少し赤いくらいなら大丈夫ですが、
黒っぽくなっていると、幹蒸れを起こしています。
残った葉は「葉挿し」に回せる
もし幹蒸れでも、早期に発見できれば、
残った葉は「葉挿し」に回せるので、
その株がダメになっても、命を繋ぐことができます。
ただ、葉挿しに回しても、発芽するかはケースバイケースです。
3. 多くの葉が蒸れている
危険度:★★★{終了}
上の写真のように、8割以上の葉っぱが…
半透明な状態で発見した場合は、
幹蒸れも起こしている可能性が高く、
残念ながら手遅れとなり、救うことができません。
4. 葉の付け根が黒い
危険度:★★★{終了}
こちらも半透明の葉と同じように、残念ながら手遅れとなります。
先に幹蒸れを起こしているので、
時間差で葉の付け根が黒ずんできます。
そして、気づいた頃には葉っぱもダメになっています。
葉か? 幹か?
基本的には、葉蒸れの状態なら軽傷で済みますが、
幹蒸れを起こしていると、
株自体が腐ってしまう可能性が高いといえます。
もし葉っぱ1枚でも見つけたら、
蒸れが収まるまで観察を続けてください。
早期の発見がポイント
葉蒸れにせよ、幹蒸れにせよ…
蒸れた状態を早期に発見できれば、
株自体や、無傷の葉を多く残すことができます。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
◆ 蒸れやすい理由
蒸れる症状は、どの多肉植物にも起こりますが、
突出しているのは、やはりエケベリア属です。
原因は特定できない
エケベリアが蒸れる原因は、高温多湿が…
1番の要因かと思いますが、特定はできません。
茎が短く、いかにも熱を溜めやすい構造ですが、
どれくらいの熱で傷んでしまうのかは定かではなく、
エケベリアの性質かもしれませんし、
何か複合的な条件があるのかもしれません。
様々な要因が考えられる
多肉が蒸れてしまう理由として、
下記の要因が考えられます。
- 水の与え過ぎ
- 直射日光
- 風通し
- 種類による性質の違い
- 栽培年数・耐力
- 個体差
個人的には、これらの要因から、
いくつかの条件が重なって蒸れてしまうのだと思います。
そのため、同じ品種を同じ環境で育てても、
蒸れてしまう個体は発生します。
蒸れないエケベリアも多い
例えば、風通しが悪くても、直射日光に当たり続けても、
蒸れない多肉は、まったく蒸れません。
そのため「とりあえず、高温多湿になる環境は避けよう」というのが、
夏の多肉管理の常套手段となっています。
・・・
・・
・
◆ 蒸れるときは蒸れる
エケベリア栽培者の考え方では、
水を切ったり、日陰で管理したとしても、
「蒸れるときは蒸れる」というのが普通じゃないかと思います。
ある程度の蒸れは、織り込み済み
例えば、100ポット管理しているなら、
5ポット前後は、被害の大小に関わらず…
蒸れてしまっても仕方がないと思います。
いつ蒸れるかは、わからない
蒸れる季節は、だいたい夏が多いのですが、
おそらくプロであっても、
蒸れるタイミングはわからないと思います。
さらに、春でも秋でも蒸れるケースがあります。
10月中旬に蒸れたケース
10月中旬にネット通販で、いくつかのエケベリアを一緒に購入しましたが、
その中で1株だけが、完全に蒸れた状態で届きました。
おそらく、発送前は正常な状態で、
輸送中に蒸れてしまったのだと思います。
3月下旬に蒸れたケース
▲ どちらも同じエケベリア
▲ 幹蒸れを起こしている
上のエケベリアは、どちらも同じ品種ですが、
同じ環境で育てていたにも関わらず、
3月下旬に1ポットだけが蒸れてしまいました。
理由は不明で、個体差としか説明がつきません。
基本は蒸れない
栽培環境が整っていれば、
エケベリアであっても、基本的に蒸れることはありません。
ですが、蒸れるときは蒸れてしまうので、
はじめて購入したエケベリアが、
偶然、すぐに蒸れて枯れてしまうこともあります。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
◆ 蒸れの環境対策
蒸れを防止するために、個人でできる対策としては、
先程の蒸れる要因を使って紹介すると、
赤字の項目になります。
- 水の与え過ぎ
- 直射日光
- 風通し
- 種類による性質の違い
- 栽培年数・耐力
- 個体差
近年の気象からすると、
特に上2つに対する対策が必須となってきた印象です。
屋根が無い、野ざらしでの栽培は危険
多肉植物は陽当りも水を好む植物ですが、
夏に限っては、直射日光に当て続けたり、
雨ざらしにすると、蒸れる可能性が上昇します。
夏の管理が重要
この記事で紹介する、多肉の蒸れについては以上となります。
蒸れを限りなく抑えるためには、
環境づくり(管理方法)が重要となるため、
その点につきまして、下記の記事も合わせてご覧ください。
▼ 夏の管理方法
ビギナーの方のために、夏の管理方法について、
ざっくりと紹介した記事です。
▼ 夏(高温多湿)の対策
蒸れを抑えるための…
夏の環境対策について紹介した記事です。
▼ 遮光の重要性
夏の環境対策の1つ、遮光について紹介した記事です。
・・・
・・
・