多肉植物を育てるうえで、
重要な対策の1つが「遮光【しゃこう】」です。
サンシェードやブラインドといったほうが、
聞き慣れている人も多いかと思います。
今回は、その遮光の仕方やスケジュール等を紹介します。
スポンサーサイト
contents
遮光って何?
植物の栽培での、遮光【しゃこう】とは…
太陽の光量を抑えることです。
人も多肉も… 遮光は必要
▲ 遮光に使うメッシュの布
人の生活で例えると…
遮光はレースのカーテンみたいなものです。
部屋の温度や明るさの調整役として使われますが、
多肉栽培でも、
ほどよい光を取り込む遮光が、必要不可欠になります。
◆ 未遮光の実例を、2つ紹介
論より証拠ということで…
「遮光を省くと、どうなるのか?」
その実例を、2つ紹介します。
❶ 葉焼け
▲ 乙女心【セダム】
▲ ラウリンゼ【エケベリア】
これらは、陽射しが強すぎた結果…
葉っぱが火傷をした状態です。
葉っぱの火傷 = 葉焼け
この症状は「葉焼け」と呼ばれます。
株自体が枯れてしまうことは、余りありませんが…
美観を大きく損ないます。
葉焼けには… 春と秋も注意
なんとなく遮光は、
暑い夏だけの対策として感じてしまいますが、
実際は… 春から秋にかけて行います。
そのため、1年を通すと…
遮光している期間のほうが長くなります。
❷ 蒸れ / 高温多湿
▲ 樹氷【セデベリア】
▲ ラウイ【エケベリア】
これらは、ポット内の温度が急上昇して、根や茎が死に…
枯れる目前の状態です。
夏季や真夏日に、蒸れやすい
これは、普通の水やりやゲリラ豪雨などで…
土が湿っている状態のときに発生します。
この湿った状態、かつ…
30℃を超える暑さのなか、直射日光に当たり続けると、
ポット内の温度が急上昇して、高温多湿になります。
・・・
・・
・
以上のように、遮光を省いてしまうと…
必ずといってよいほど… 上記2つのトラブルに見舞われます。
スポンサーサイト
◆ 陽射しが強すぎ…のサイン
直射日光に、長時間当てたり…
遮光が足りないと、
葉っぱに限界サインがあらわれます。
▲ グリーンネックレス【セネシオ属】
▲ アフィニス【エケベリア】
このように、陽射しが強すぎると…
表面がチリチリになってシワがよります。
ここで気付けば… セーフ
表面がチリチリになっていても、
この段階なら… スグに日陰へ移せば…
翌日には、元に戻っています。
土が乾燥していたら水やりも行います。
遮光は…「遮熱」も兼ねる
多肉栽培では、特に… 夏の遮光は必須です。
それは、遮光することで「遮熱」も行え、
多肉や、周辺の温度を抑えることができるからです。
水の蒸発も防げる
強烈な陽射しは、
土の水分も過剰に奪ってしまいます。
せっかく… 水やりをしても、
多肉が吸う前に、蒸発してしまうと、
何回も、水やりをしなければなりません。
◆ 遮光に使うアイテム
続いて… 2大トラブルを防ぐために使用する、
日よけアイテムを紹介します。
寒冷紗がオススメ
一般的に使われているのが、
寒冷紗【かんれいしゃ】と呼ばれる、メッシュ状の布です。
隙間が空いているので、
風を通して遮光が行え…
多肉植物だけではなく、様々な作物で使用されています。
似ているモノなら、100均でも大丈夫です
使い方・設置は、とても簡単
▲ 寒冷紗を使用した遮光の様子
設置の仕方は、とても簡単で…
遮光したいエリアを寒冷紗で覆い、
クリップや洗濯バサミで固定するだけです。
庇(ひさし)の近くやベランダは、寒冷紗を取り付けやすいと思います。
カーテンのように使う
ある程度… 植物と距離を保って、
カーテンのように使います。
直掛けはNG
▲ 直掛けだと、蒸れてしまう可能性あり
直掛けを続けて、雨が降った場合…
こんな感じに焼けてしまったり、
蒸れてしまうこともあるので要注意です。
短期なら、直掛けでも安全
スポンサーサイト
多肉の量が多くなると、難しめ…
▲ 日除けシェードのように遮光する
数が増えてくると、
寒冷紗の量も増えてきますので、
「日除けシェード」のように、
三角形を作って、日陰を作ると便利です。
突風に注意します
透明シートなら、雨も防げる
寒冷紗などのメッシュタイプは、
風を通しやすいのがメリットですが、雨は防げません。
透明シートの場合は、
風は通さない代わりに、雨を防いでくれますので、
こちらを、使用するのもオススメです。
寒冷紗 と 遮光率 について
寒冷紗には、遮光率が設定してあります。
遮光率は、光をカットする割合で…
約20%~70%の寒冷紗が販売されています。
白い寒冷紗は、約20%
まずは、遮光率が一番低い…
20%の白色を購入しておけば問題ありません。
遮光率を上げたい場合は、重ねれば大丈夫
遮光率が異なる寒冷紗を、
それぞれ購入するのは、もったいないので…
白の寒冷紗を重ねれば、約50%になります。
遮光ができれば、なんでもOK
▲ 窓越し(網戸越し)の遮光
これまで、遮光アイテムは、
寒冷紗を紹介してきましたが…
遮光に使うものは、光量を抑えられれば… 何でも大丈夫です。
窓越しや網戸越しも、十分な遮光になります。
遮光を意識することが大切
弱すぎる遮光なら… 強めのほうが良し
遮光率は、そのときの状況で変えていくのがベストだと思います。
ですが、手間もかかるので…
50%ほどに設定しておくのが、無難だと感じます。
白1枚(20%)だと、葉焼けする場合もありますので、
白を2重にするか… 50%の寒冷紗を使用するのがオススメです。
スポンサーサイト
◆ 遮光する期間について
続いて、遮光する期間になります。
1年中ではありませんが…
個人的には… 半年以上の遮光が、安全だと感じます。
1年間の遮光スケジュール
1月 | 2月 | 3月 | 4月 |
---|---|---|---|
なし | なし | なし | なし |
5月 | 6月 | 7月 | 8月 |
50% | 50% | 50% | 50% |
9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
50% | 50% | 50% | なし |
管理人の場合では…
天気によっても異なりますが…
約7ヵ月間は遮光をしています。
遮光率は、終始50%
遮光率(寒冷紗)を変更するのが面倒なため…
白を2重に掛けて、約50%で使用しています。
白1枚(20%)で、葉焼けする場合は、
2重にするのがオススメです。
5月開始で、11月末に終了
5月と11月に共通するのは…
人には過ごしやすく、晴天が多い期間という事です。
人にとっては快適でも、多肉には厳しい期間
どちらの月も、日陰であれば…
過ごしやすく、朝晩では寒いくらいだと思います。
ですが、陽射しは強烈で…
何時間も日向にはいられません。
多肉植物も同様に…
涼しいからといって、遮光を省いてしまうと、
葉焼けしたり、蒸れてしまう確率が上がります。
近年の5月は、真夏日が増えてきたので要注意
遮光の調整は、
栽培者によって異なる
遮光の加減は、天気や地域の気候を加味したり、
栽培者の経験にも左右されます。
ですので、ご自身の栽培のなかで…
自分の環境に合った遮光の調整を、構築していただければと思います。
ブロンズ姫は、直射日光に強いタイプ
▲ ブロンズ姫(グラプトセダム)
ブロンズ姫は、強烈な陽射しでも葉焼けしにくいの特徴です。
陽に当てるほど、発色がよく…
逆に、遮光しすぎると… くすんだ緑色になりがちです。
イレギュラーもある
とりあえず… 何でも遮光しておくのが無難ですが、
中には、ブロンズ姫のように… 陽射しに強い多肉植物もあるので、
色々と探し出してみるのも面白いかと思います。
遮光の目安が記載された参考書
こちらの書籍には、
多肉のグループ別による遮光期間と、遮光率が記載されています。
このような書籍も、一読しておくと勉強になります。
ビギナーにも、おすすめの1冊です
◆ 遮光のNG行動と、まとめ
遮光の際に、
ついつい… やってしまいがちな、
NG行動を1つ紹介します。
遮光は必ずキープする
▲ 梅雨の間も、遮光はキープ
例えば… 梅雨のシーズンは、陽射しが希少です。
日照時間も減少します。
そこで、久々の晴天がやってくると…
これまでの日照不足を補おうと、
遮光を外して、日光浴をさせてしまいます。
たった1日で、大惨事になることも…
多肉栽培では、車の運転と同じで…
「急」が付く行動はNGです。
梅雨の日照不足から、
急に強い陽射しに当てると、葉焼けする可能性があります。
多肉にとっては、日光浴どころではなく…
拷問クラスの仕打ちになるので、
土が濡れている場合は、蒸れて枯れることもあります。
強さではなく、時間が大切!
強い陽射しには、デメリットしかありません。
特に梅雨のシーズンは、
日照不足の状態が続くと思いますが…
それを補おうと、直射日光に当て続けのはNGです。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
最後の、まとめ
最後のまとめになりますが、
多肉栽培では…
「遮光は… 陽当たりと同じくらい重要」です。
遮光に限っては…
人間の日焼けと同じ感覚で育てると、
多肉を枯らせる可能性は、ぐっと低くなります。