この記事は、セダム属の「乙女心」の栽培記録です。
一度見たら忘れられないインパクトで…
可愛らしいフォルムをしています。
多肉栽培の原点としている人も多く、
価格もリーズナブルなので、特に人気のセダムとなっています。
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◆ 基本情報 | 乙女心
科 | ベンケイソウ科 |
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属 | セダム |
学名 | Sedum pachyphyllum |
流通名 | 乙女心 |
パキフィルム |
生育期 | 秋・春 |
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価格帯 | 400円前後 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
増やし方 | 剪定&挿し芽 |
葉挿し |
乙女心は原種
◎ メキシコ
乙女心はメキシコ原産の原種です。
乙女心の名前で流通していますが、
お店によっては、学名(種小名)のパキフィルムと呼ばれている場合もあります。
ネット販売
レイテストプランツ | 日本花キ流通 |
カクトロコ | ハニーミント |
ストア内検索:乙女心 |
※ 売り切れの場合あり
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◆ 季節の変化
夏
▲ 6月下旬
▲ 8月下旬
葉色(肥料・並) | グリーン |
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葉色(肥料・少) | 淡いグリーン |
エッジ | ややピンク |
ロゼット | 日照不足&水やりで開きやすい |
備 考 | - |
冬
▲ 11月中旬
▲ 2月下旬
葉色(肥料・並) | 淡いグリーン |
---|---|
葉色(肥料・少) | 淡いグリーン |
エッジ | ややピンク |
ロゼット | 丸まりやすい |
備 考 | - |
乙女心の花
撮影日:4月上旬
毎年のように咲く多肉とは異なり、
2~3年ほど栽培しないと、花芽を付けない感じです。
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◆ 購入時の写真と
1年後の比較
購入時の写真
購入日:2019.4 / 7.5cmポット
カクトロコさんの乙女心× 2ポット。
4月なので紅葉シーズン真っ只中の状態です。
株の状態もよく、フォルム的にも最高のバランスだと感じます。
購入から約1年後の比較
乙女心は背が伸びやすい性質です。
また、脇芽が育ちやすいので、そこそこ背が伸びたら…
剪定して植え付けると、毎年のように増えていきます。
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◆ 夏と冬の管理目安
冬の管理(屋外)
弱い -3℃まで |
強い -5℃まで |
とても強い 凍害なし |
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- | 〇 | - |
多肉植物全体で比べると「強い」タイプ。
目安としては「-5℃」までなら、凍害の影響はなし。
これより低下すると、多肉植物によっては…
一部が凍結したり、全体が凍結し枯死する可能性が高まります。
霜除け & 風除けは必須
屋外での管理では「霜除け&風除け」は必須です。
どちらかが未設置の場合では、上記の管理気温まで耐えられず…
霜害や凍害によるダメージを負いやすくなります。
梅雨 & 夏の管理
▼ 遮光率 | ▼ 水やり | |
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梅雨入り ~ | 20~50% | 控えめ |
梅雨明け ~ 9月中旬ころ |
50% | 控えめ |
※ 遮光率 & 水やりは、目安としてお考えください。
※ 水やりは、多肉の状態を確認しながら調整ください。
注意ポイント
遮光
風通し
病気・害虫
雨ざらし
徒長(水やり)
高温(猛暑日)
高温・乾燥に強いタイプ。
徒長しやすいので…
水やりは「量 or 回数」を減らすのが安全。
また、雨ざらしも避けたほうが無難です。
葉焼けする場合は、遮光も必要となります。
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◆ 栽培メモ
1. 幹立ちしやすい性質
乙女心は水やりを控えていても次第に伸長します。
栽培経験が少ないと、徒長【とちょう】と勘違いしてしまいますが、
背が伸びても、先端部に葉が密集していれば上手く育っています。
これは徒長なので注意
このように葉が密集しておらず…
長さも不均一な状態が徒長です。
日照不足かつ、水の与え過ぎで起こります。
2. 増やすなら「葉挿し」より「挿し芽」
脇芽が出やすいセダムなので、
剪定してから「挿し芽」で育てたほうが安定して増やせます。
葉挿しは不得意な性質
▲ 栄養満点の葉を使うと…
▲ 成功率は上昇
見た目は「虹の玉」にも似ていて、葉挿しが得意そうですが、
実際は不得意なタイプとなります。
もし、乙女心の葉挿しを成功させたい場合は、
徒長してもよいので十分な肥料を与え、
濃いグリーンに育った葉を使うと、そこそこ成功率が上がります。
3. 日照不足だと落葉しやすいかも?
▲ 2019年の長梅雨で、落葉を確認
長梅雨で日照不足に陥ったなのかは不明ですが、
葉がポロポロと落ち始めました。
腐るスピードも速く、あっという間に黒紫色に変色します。
植物用LEDライトでサポート
今回のケースでは、LEDライトを使用したら落葉が収まりました。
ただ、このような落葉は1回だけでしたので、
もしかすると、ライトを使わなくても自然と回復したかもしれません。
▼ 詳しくは、下記の記事も合わせてご覧ください
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◆ 栽培記録
2019.4 ~
主な栽培環境
● 陽当たり(晴天時)
5~7時間程度 / 1日
● 遮光(目安)
期 間 | 遮光率 |
---|---|
4月上旬 ~ 梅雨明け | 約20% ~ 約50% |
梅雨明け ~ 10月上旬 | 約50% |
10月上旬 ~ 11月下旬 | 約20% |
11月下旬 ~ 4月上旬 | なし |
● 雨対策 有り
年間を通して、基本的に雨で濡れることはありません
● 凍害(霜・風)対策 有り
冬季の夜間は、基本的に霜・風に当たることはありません
使用する土、肥料、農薬
● 植替えの土
多肉植物の土【プロトリーフ】
(※ 元肥を含む)
● 追肥(目安)
植替えから1年後に適量
● 殺菌・殺虫剤(目安)
薬剤名 | 使用量 |
---|---|
オルトランDX粒剤 | 毎年、春に1回 |
ダコニール1000 | 毎年、軽く散布 |
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2019-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2019
4月上旬 乙女心を購入
購入日:2019.4 / 7.5cm ポット
カクトロコさんの乙女心をネット通販で購入です。
4月でもまだまだ紅葉シーズンですので…
綺麗な多肉を存分に楽しめます。
4月下旬 急速に枯れ始める
順調にモリモリと育っていくかと思いましたが、
2ポットとも下葉から枯れ始めました。
理由は不明ですが、病気などではなく…
もしかすると、肥料切れのサインなのかもしれません。
ある程度、葉が落ちた後は自然と落葉は収まっています。
挿し芽を行う
せっかくの春なので「挿し芽」にチャレンジです。
そこそこ大きく育った脇芽を剪定しています。
2週間ほどで発根を確認
剪定後の挿し穂は、すぐに植えても発根まで待ってもOKです。
今回は発根までの様子を観察するため…
植えずに管理しています。
最初から発根している芽もありましたが、
約10日~2週間で、どれも発根しています。
植え付けてリスタート
ちょっと小分けにしすぎた感もありますが、
こんな感じで栽培していきます。
また、親株も同時に植替え済みです。
【補足】葉は押されると黒く変色する
葉っぱの先端が、他の葉っぱを押すと、
押された部分が黒く変色してしまいます。
夏 シーズン / 2019
6月上旬 順調に育つ
この頃になると、紅葉シーズンは終わっていますが、
下葉の落葉も収まり、ボリューミーに育っています。
7月上旬 急激に落葉する
6月まで絶好調だった乙女心ですが、またも落葉です。
今回は春と違い、下葉からの落葉ではなく、
健康そうな葉がランダムでポロポロと落ちていきます。
そして、落葉した葉はあっという間に腐ります。
原因はおそらく、長い梅雨で日照不足になったためと思われますが、
もしかすると、他に要因があったのかもしれません。
LEDライトで耐える
▲ LED植物ライトで日光浴
落葉が収まらないためLED植物ライトを購入し、
1日10時間 × 7日ほど試してみました。
危機は、乗り越える
ずいぶん葉を落としてヘロヘロ状態ですが、
LEDライトのおかげ?で、なんとか踏ん張ってくれました。
その後は梅雨明けで晴天が続き、状態も回復しています。
詳細は、別記事にまとめています
親株は元気に過ごす
▲ 親株は、異常なし
落葉したのは親株からカットして「挿し芽」で育てた苗で、
親株は何事もなかったかのように元気そのものでした。
やはり、大きな親株のほうが体力があるのかもしれません。
8月下旬 落葉から復活
撮影日:8月31日
梅雨明け以降は、鬼のような暑さが到来しましたが、
そのぶん、日照時間も増えて光合成ができたようです。
葉が落ちたので不格好ですが、ポロポロ落ちる症状は完全に収まりました。
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2019-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2019
10月中旬 秋の作業
大きく育ってきたポットの株を1つの鉢にまとめています。
3つもあるとバランスを取るのが難しいので、
竹串で固定しながら位置を決めています。
目立つ気根
ポットの中が根でいっぱいになると、
幹から気根が伸びやすくなります。
気根は引き抜いてしまっても大丈夫ですが、
植替えや根の整理のタイミングです。
気根のメリット
幹の根元が腐ったケースでも、気根を伸ばして…
土の水分を補給し、生き延びることができます。
また、気根からでも根付けば水を吸ってくれます。
落葉した株は、完全復活へ
梅雨の落葉から完全復活です。
さらに秋に入ったので、成長点あたりのボリュームも戻ってきています。
再び剪定
脇芽も育ってきたので、
今回は中央の幹をカットして脇芽を成長させます。
5号鉢へ、まとめる
今回も約2週間で発根です。
その後、まとめて5号鉢へ植えています。
全体の様子
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11月上旬 葉が焼ける
▲ グレーの部分が葉焼けの痕
11月になり「遮光は、もういいか!」と…
寒冷紗を取り除き、陽に当て続けていたら焼けていました。
葉焼けさせると枯れる
葉焼けで株全体が枯れることはありませんが、
焼けてしまった葉は、だいたい枯れていきます。
11月でも日照時間が長い場所では、遮光(20%ほど)を続ける必要があります。
冬 シーズン / 2019
2月中旬 冬の様子
今シーズン最も冷え込んだ「-7℃」でも凍結はしませんでした。
乙女心は耐寒性も強いと感じますが、
-5℃までに抑えたほうが無難かと思います。
花芽や若い株も凍結せず
見た目はスグに凍ってしまいそうですが
似たような「虹の玉」より、耐寒性は強いようです。
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2020-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2020
4月上旬 開花
乙女心や虹の玉は、毎年のようには咲かず…
2~3年ほど栽培する必要があると感じます。
植え直し
突風により、挿し芽の2鉢が転がってしまったので植え直し。
1年後の乙女心
▲ 全体の様子
約1年ほど経過した様子です。
脇芽が付きやすいセダムなので、
1年もあれば、約3倍ほどには増やせます。
5月上旬
肥料が効いていれば、葉が抜け落ちた部分から…
新しい脇芽が伸びてきます。
肥料が足りなかったり、根詰まりしていると気根が伸びやすくなります。
夏 シーズン / 2020
7月上旬 今年は落葉なし
昨年は悩まされた落葉も、今年は回避できました。
2020年も長梅雨でしたが…
前年に比べると、ちょっとマシだったように感じます。
8月下旬
斑点系の病気らしい症状を確認しました。
ですが被害は少なく、大きな落葉もありません。
病気・害虫には強いタイプ
個人的には似たような虹の玉に比べると…
病気・害虫に強く育てやすい印象です。
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2020-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2020
10月上旬 木箱から剪定
▲ 木箱の株を剪定
▲ 今回はすぐに植える
木箱で育てていた株は、この機会に剪定しています。
前回までは、発根を待ってから植えていましたが…
今回は先に植えています。
水やりは、植えてから2週間後に開始
11月下旬
剪定後、すぐに植えた挿し穂も順調に根付いて…
乙女心らしい淡い紅葉を見せています。
冬 シーズン / 2020
2月下旬
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2021-春~冬
栽培記録
2021年はダイジェスト
4月上旬 剪定&挿し芽
木箱に残った株を剪定してポットへ。
素焼き鉢は植替え
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6月上旬
8月下旬
3月下旬
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2022-春~冬
栽培記録
2022年もダイジェスト
4月上旬 植替え
▲ 40cmのプランター
▲ 14ℓ / 250円の土
▲ 緩効性肥料を適量
▲ そのまま植える
木箱が狭くなってきたので、プランターへ移植。
たくさんの土が必要なので、コスパのよい配合土を選択しました。
ただ、無肥料なので緩効性肥料を追加しています。
ポットも1つへまとめる
6月上旬
8月下旬
ちょっと肥料を多めに入れてしまったせいか、
かなりパワフルに育っています。
徒長も目立ってきましたが、これくらいなら問題ありません。
10月上旬 剪定
剪定を行い育苗箱(50cm×35cm)に植え付け。
土も前回と同様です。
11月上旬 成功率UP
豊富な栄養を取った葉っぱのせいか、
葉挿しの成功率が飛躍的に向上しました。
(栽培スペースが足りないので、せっかくですが処分しています)
2月下旬
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最終更新(’23.10)
4月上旬
7月上旬
8月下旬
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10月上旬 1年後の様子
いくつかの株は蒸れて消滅しましたが、
いつもどおりに育ってくれた感じです。
プランターの株の状態
1年前に剪定を行ったプランターの親株は、
追肥や植替えを行っていませんが、
まだまだ肥料が残っていたらしく、
元の勢いを取り戻すかのように育っています。
ポットの株の状態
こちらは葉の付きや脇芽の付きが悪くなっており、
そろそろ植替えの時期になりそうです。
この後の栽培は、繰り返し
▲ before
▲ after
これまで毎年のように増やしてきた乙女心ですが、
繁殖は打ち止めにして、大部分を寄せ植えなどに回します。
また、冬には凍って枯れる前提で、野ざらしの屋外で管理する予定です。
繁殖がとても簡単な多肉植物ですが、
長く栽培を楽しむポイントとしては、
ただ増やすだけではなく、上手に消費して…
多肉を抱え過ぎないことも重要な対策になります。
以上、セダム属「乙女心」の栽培記録でした。
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