この記事は、エケベリア属「ラウリンゼ」&「モンロー」の栽培記録です。
名前の違う両者ですが、どちらも同じエケベリアになります。
また、ラウリンゼは交配種の特徴の1つともいえる…
「名前の合成」も収まりと響きがよく、
王道のエケベリア交配種として、不動の人気を確立しています。
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◆ 基本情報 |
ラウリンゼ
科 | ベンケイソウ科 |
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属 | エケベリア属 |
品種名 | Laurinze |
流通名 | ラウリンゼ |
- |
生育期 | 秋・春 |
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価格帯 | 600円前後 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
増やし方 | 葉挿し |
カット&挿し芽 |
ラウリンゼは交配種
- 左)ラウイ
E. laui - 右)コロラータ・リンゼアナ
E. colorata ‘Lindsayana’
「ラウイ」のパウダー具合と…
「コロラータ・リンゼアナ」の容姿がミックスされた感じです。
名前の合成は、交配種の特徴
交配種なので、両親の名前の一部分が合成されています。
ですが、ラウリンゼのように…
収まりのよい合成名となるケースは少なく、
オリジナルの名前を付けるほうが、圧倒的に多い状況です。
似たような交配種も多い
ラウイとリンゼアナ(コロラータ)の交配は…
世界でも定番なようで、
国・地域によって、それぞれの名前があるようです。
ラウィータ
▲ 購入時(11月)
▲ 約2年後の状態
詳細は不明ですが、名前の合成っぽさからして…
ラウイとコロラータの交配種だと思います。
こちらも見た目は、ラウリンゼと余り変わりません。
また「ラ・コロ」という品種も同じかと思います。
サンアなども同様
他にもサンア(サンハ)や「交配式の表示のみ」などがあります。
厳密には違う品種になるかもしれませんが、
パッと見のフォルムは、だいたい同じです。
モンローについて
購入日:2020.10(7.5cmポット)
「ピュアリーフ」さんから購入したモンロー。
書籍「Guide To Echeveria」によると、
大きくなるラウリンゼに…
矮化剤(わいかざい)を散布し、小型化させた品種らしく、
その効果が切れると、再び大きくなってしまうようです。
どちらも、同じ顔に育つ
育てた結果は、どちらとも同じ顔になっています。
もし、モンローしか販売していなくても…
購入後、名札をラウリンゼに差し替えてもOKです。
ネット販売は、こちら
日本花キ流通 | ピュアリーフ |
ストア内検索:モンロー |
※ 売り切れの場合があります
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◆ 季節の変化
夏
▲ 7月上旬
▲ 8月下旬
葉色(肥料・並) | 淡いグリーン |
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葉色(肥料・少) | 淡いグリーン |
エッジの色 | オレンジ系 |
爪の色 | エッジと同様 |
ロゼット | 日照不足・水やりで広がりやすい |
備 考 | パウダーの量で葉色は異なって見える |
冬
▲ 1月上旬
▲ 2月下旬
葉色(肥料・並) | 淡いグリーン |
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葉色(肥料・少) | 淡いピンク系 |
エッジの色 | 淡いオレンジ系 |
爪の色 | エッジと同様 |
ロゼット | 丸まりやすい |
備 考 | パウダーの量で葉色は異なって見える |
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◆ 購入時の写真と
1年後の比較
購入時の写真
購入日:2019.9 /(6cmポット)
園芸店で購入した「優木園」さんのラウリンゼ。
購入時期が9月上旬だったので、グリーン系の葉色です。
また、長く育てたほうがパウダーの量は増えます。
約1年後の比較
肉厚な葉を持つので、育てやすく型崩れしにくいタイプです。
美観を保つには、カイガラムシに気を付けて…
葉のパウダーをこすらないように扱います。
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◆ 夏と冬の管理目安
冬の管理(屋外)
弱い -3℃まで |
強い -5℃まで |
とても強い 凍害なし |
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〇 | - | - |
多肉植物全体で比べると「弱い」タイプ。
目安としては「-3℃」までなら、凍害の影響はなし。
-5℃まで下がると一部で凍結がみられ…
-7℃では全体が凍結し、再起不能かと思います。
霜除け & 風除けは必須
屋外での管理では「霜除け&風除け」は必須です。
どちらかが未設置の場合では、上記の管理気温まで耐えられず…
霜害や凍害によるダメージを負いやすくなります。
梅雨 & 夏の管理
遮光(20~50%)
病気・害虫対策
徒長(水やり)
雨ざらし・風通し
高温(猛暑日)
高温・乾燥に強いタイプですが、朝から夕方まで…
丸一日、陽が当たる場合は50%前後の遮光が必要。
水やりは多肉の様子を確認しつつ「量 or 回数」を減らすのが安全です。
雨ざらしはトラブルの原因になりやすい
梅雨~初秋にかけては病気や葉蒸れ、徒長の原因となるため、
雨ざらしの状態を避けるのが無難です。
また、定期的に農薬を散布することで…
病気・害虫の被害も抑えられます。
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◆ 栽培メモ
1. 強烈な寒さに注意
ラウリンゼは、基本的に育てやすいエケベリアです。
注意点としては…
冬の最低気温は「-3℃」までに抑えたほうが、
凍害によるダメージを負いません。
-5℃まで下がると、被害に遭う確率が上昇します。
水やり、生育状況により異なる
同じ多肉植物でも、株の状態や水分量…
ちょっとした置き場所の違いにより、
凍結する最低気温が変化します。
そのため、予想外に耐えてくれる場合や、その逆もあります。
ラウイの交配種は注意
▲ ラウイは特に注意
親のラウイも、強烈な寒さには注意します。
また、ラウイ交配種も同様の傾向があり、
ラウリンゼをはじめ…
シャンペーン、アイスグリーン、白鳳などが該当します。
2. オルトランだけもOK
病気・害虫の件ですが、ラウリンゼは…
パウダーが強いエケベリアなので…
ベニカ等の薬剤を多量に霧吹きすると、
パウダーが取れてしまうことがあります。
カイガラムシだけに注意
パウダーが強い多肉は、病気に強いと感じます。(個人的な見解)
そのため、カイガラムシ対策として…
オルトラン【粒剤】だけを、定期的に使用していれば十分です。
パウダー多肉は、カイガラムシの分泌物が付くと…
本体ではなく、分泌物のほうが取り除くのに厄介です。
3. 葉挿しもOK
試したのは「ラウィータ」という品種になりますが、
ラウリンゼやモンローでも同様だと思います。
上手に外せれば、成功率も50%以上はあるかと感じます。
取るのが少し難しいタイプ
肉厚で大きな葉っぱのため、根元を持って丁寧に外さないと…
途中でちぎれやすくなります。
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◆ 栽培記録
2019.9 ~
主な記録
植替え | ’19-10 | ’20-09 | ’21-10 |
葉挿し | - | - | - |
剪定&挿し芽 | - | - | - |
● 殺菌・殺虫剤(目安)
オルトランDX粒剤 | 毎年、春に1回 |
ダコニール1000 | 毎年、軽く散布 |
● 病害虫・生理障害
現在まで、大きな病気・害虫・日照不足等の被害はなし
● 植替えの土
多肉植物の土【プロトリーフ】
(※ 元肥を含む)
● 追肥(目安)
植替えから1年後に適量
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2019-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2019
9月上旬 ラウリンゼを購入
▲ 580 円(6cm ポット)
親のコロラータ(リンゼアナ)は、
桃太郎の親でもあるため、白っぽい桃太郎にも見えます。
10月上旬 植替え
外葉がポットに食い込んでいるため、一回り大きいサイズへ植え替えです。
両親とも大きくなるエケベリアなので、
ラウリンゼも大きくなります。
11月中旬
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冬 シーズン / 2019
1月中旬 気温低下で丸まる
多くの多肉植物は、朝晩が冷え込んでくる11月頃になると、
ロゼットの中心ほど葉が閉じ、防寒機能を高めます。
紅葉も相まって、一般的にこの状態が好まれます。
2月中旬 -7℃ に耐える(注意)
1月から氷点下が続きはじめ、2月中旬に「-7℃」を記録しました。
それでも、葉先や爪に凍結した様子は無く、
ガッチリと丸まって、寒さに耐えている感じが見て取れます。
来年度はダメージを負う
ラウリンゼは寒さに強いと思いましたが、
来年度の冬は、同じ「-7℃」でダメージを負いました。
モンローなど、他の品種の状態も考慮すると…
「-3℃」までに抑えたほうが安全かと感じます。
様々な条件が重なって、結果が変わる
相手は植物なので、個体差や成育状況に加え…
ちょっとした環境の違いにより、
レシピ通りに育てても、なかには…
残念な結果に終わってしまう場合もあります。
そのあたりを加味して栽培すると、
楽しく健全に多肉栽培を続けられると思います。
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2020-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2020
5月中旬 春の様子
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夏 シーズン / 2020
7月上旬 初夏の様子
冬の間はラウイの面影が強い気がしましたが、
夏になって葉が伸びてきたせいか…
なんとなく、リンゼアナ(コロラータ)っぽさを感じられます。
8月下旬 夏の終わり
夏も終盤になりますが、現状をキープしてくれました。
ポットの縁に、外葉の先端が乗っかると…
それがストッパーとなり、ロゼットが開きにくくなります。
葉焼け
直射日光を浴び続けたらしく、いつの間にか葉焼けです。
隅に置いている多肉は、寒冷紗などの…
遮光グッズから漏れていないかチェックします。
梅雨・夏の管理方法
他の多肉植物と同じく、適度な遮光を行い…
雨ざらしを避けて管理すれば問題ありません。
高温で多湿になる環境は、なるべく避けた方が安全です。
パウダー系の多肉は、病気には強い
パウダー系の多肉植物は、病気には強い気がします。
そのため、個人的な感想としては…
ベニカやダコニール等の殺菌剤は不要かと思います。
カイガラムシ対策でオルトラン
カイガラムシが発生する可能性はあるので、
粒剤のオルトランを土に混ざておくほうが安心です。
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2020-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2020
9月下旬 植替え(2回目)
▲ 3.5号・素焼き鉢
7.5cm ポットも、フチに葉っぱがめり込んできたので、
10.5cmの素焼き鉢へサイズアップです。
10月上旬 モンローを購入
▲ モンロー / 7.5cm ポット
ここで、ラウリンゼにそっくりなモンローを追加購入。
購入時は違って見えても、長く育てれば同じ状態になります。
比べてみる
サイズが違うだけで、同じエケベリアに見えます。
冬 シーズン / 2020
12月上旬 怪しい葉色
9月に植え替えたばかりなので…
グリーンの葉色になってもよいはずですが、
肥料切れしているようなピンク色が目立っています。
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2月中旬 凍害あり
前年を参考に「-7℃」ほどまで頑張っていましたが、
葉先にダメージがあらわれました。
限界を迎えたようなので、春までは「0℃」を超えないように管理。
株の状態で、耐寒性は異なる
株の状態により、凍らずに粘ってくれる場合もありますが、
安全マージンを取っておくと安心です。
ラウリンゼの場合は「-3℃」までが…
ダメージを負わない安心ラインかと思います。
モンローもダメージあり
モンローも近くで観ると、凍害による…
葉先の黒い点々を、いくつか確認しています。
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2021-春~冬
栽培記録
4月中旬 凍害の後遺症
凍結後では、葉先のダメージだけかと思いましたが、
意外と深刻なダメージを負っており、
外葉の枯れや、葉の変形が目立ってきました。
モンロー&ラウィータも同様
▲ モンロー
▲ ラウィータ
モンロー&ラウィータも同様に、葉の変形が目立っています。
ラウイやラウイ交配種に、このような症状が見られます。
葉の変形は、葉の入れ替えを待つ
葉が変形してしまうと、葉の入れ替えを待つしかありません。
1年以上は時間が必要となりますが…
気長に栽培しながら、綺麗なフォルムを目指します。
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ここから先は、回復までの様子を写真のみで紹介します。
8月下旬
▲ ラウリンゼ
▲ モンロー
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10月中旬
▲ ラウリンゼ(植替え)
▲ モンロー
12月上旬
▲ ラウリンゼ
▲ モンロー
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2月上旬
▲ ラウリンゼ
▲ モンロー
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2022-春・夏
栽培記録
4月上旬
▲ ラウリンゼ
▲ モンロー
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8月下旬
▲ ラウリンゼ
▲ モンロー
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最終更新 2022 / 10
10月上旬 凍結から1年半
▲ ラウリンゼ
▲ モンロー
▲ 比較
1年~1年半ほどあれば、ほぼ凍結前の状態に戻ると感じます。
また、購入時は別モノに見えた両者ですが、
現在のフォルムはほぼ揃って、同じエケベリアに見えます。
肥料が切れてきた様子
▲ 手前はラウィータ
まだ10月中旬ですが、手前のラウィータと比べると…
だいぶピンク色が目立っています。
前回の植替えが1年半くらい前なので、
管理人の土&肥料では、肥料切れが目立ってくる頃です。
ロゼットが小さくなってきたら、追肥で対応
淡いピンクの紅葉も綺麗ですが、この後は肥料不足のため…
外葉が枯れて、ロゼットが小さくなる場合があります。
その際は、栄養のある土への植替えや…
追肥をすることでサイズを保ちやすくなります。
また、ラウリンゼは大きくなりやすいので、
好みのサイズまで育ったら、少なめの肥料で調整するのもオススメです。
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この後の栽培は、繰り返し
最後のまとめとしまして…
今後も同じようなサイクルで育ちます。
基本的に育てやすいエケベリアですが、凍害に注意して管理します。
増やしたい場合は「葉挿し」です。
または「胴切り」でも少しづつ増やせます。
以上「ラウリンゼ」&「モンロー」の栽培記録でした。