エケベリア属「コロラータ」シリーズの紹介です。
コロラータもまた、エケベリアを代表する種の1つになりますが…
似ている原種や品種も多く、
コロラータで悩まされる、カオスな状況だと思います。
この記事では、できる限り各々の特徴を整理しましたので…
皆さまの目利きレベル向上に、役立てて頂ければ思います。
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はじめに
謎の多いコロラータだけに、
参考文献として、下記のメディアの情報を参照しながら…
管理人の栽培記録と合わせ、紹介していきます。
※ Amazonの商品ページにリンクします
コロラータは原種
まず、コロラータは原種になります。
名前を見て、(和名は除き)意味が解らなければ、だいたい原種。
逆に、英語や日本語で解れば、だいたい交配種です。
ちなみに、コロラータはラテン語で「色付いた…」という意味になります。
原種を学ぶなら、この一冊
こちらの書籍は、エケベリア属の原種に特化した一冊です。
そのため、エケベリアの交配種や…
他の多肉植物の情報はありません。
その分「エケベリアの原種を知りたい!」という人にとって…
最高の一冊になると思います。
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コロラータの紹介
早速ですが、コロラータを分類すると…
2つのタイプがあり、それが下記になります。
- E. colorata fa colorata
- E. colorata fa brandtii
どちらもコロラータになりますが…
分かりにくいのは(1)のコロラータです。
さらに「リンゼアナ」というタイプもあり…
イマイチ、はっきりと区別ができません。
ブランディティはわかりやすい
いっぽう(2)のブランディティは…
見た目も分かりやすいフォルムなので、まずは先に紹介します。
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ブランディティ
ブランディティは葉が細くて薄いタイプです。
他のコロラータと比べても、
はっきりと違いが確認できます。
夏でも開かない
上の写真は夏顔になりますが、
夏でもロゼットは開きにくく、コンパクトに収まっています。
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コロラータ
ややこしく、わかりづらいのが…
「colorata fa colorata」のほうのコロラータです。
コロラータの葉色は?
I.C.Nのコロラータの記事には…
ラウイのような青白いコロラータもあります。
また、グリーンが強い個体や…
その中間っぽい感じもあり、多様なパターンが掲載されています。
色違いのコロラータは普通
「コキリノ」さんのブログ を拝見させて頂くと…
白色もあれば、緑色もあるのがコロラータで…
それは、複数の生息地で、
複数のタイプが確認されているからです。
生息地別のコロラータ
▲ コロラータ・タパルパ
コロラータには「タパルパ」や…
「アテマハック」といった、
生息地の名前を、学名の後に記載したものがあります。
例)E. colorata, Tapalpa
例)E. colorata, Atemajac
同じ生息地でも、複数のタイプがある
これも、先と同様に、
色・形が違うタパルパやアテマハックがあるそうです。
そのため、地名を入れて区別しようとしても…
それだけでは区別できない状況になり、混乱の元にもなっています。
形容詞が付いたコロラータ
コロラータには「野生・コロラータ」や…
「ワイルド・コロラータ」といった、謎のコロラータも見かけます。
こちらは、地域名ではなく…
原種のコロラータだと伝えるための、日本独自のネーミングかと思われます。
メキシカンジャイアント
メキシカンジャイアントは、コロラータの…
ビッグフォーム版だとI.C.Nには記載されています。
また、半端ないほど巨大化した写真も載っています。
小さく育てれば、普通のコロラータ?
上の写真の株は、大雑把なロゼットな気もしますが…
小さく育てたフォルムが、
一般的なコロラータのフォルムなのだと思います。
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コロラータの特徴
ここまでのまとめとしては、
コロラータは、生息地ごとに違いがあり…
葉色や地名で区別するのが難しいかと思います。
ただ、コロラータらしさを感じる…
基本的なプロモーションは共通していると感じます。
全体の雰囲気
タパルパ / コーデュロイ
Mジャイアント / 東雲
全体の雰囲気では、アガボイデスにも似ています。
葉色が違うと別のエケベリアに見えますが、
葉の形やロゼットの造り具合は、かなり共通していると感じます。
I.C.Nのアテマハックの写真は、アガボイデスに見えます。
桃太郎との比較
▲ 桃太郎×4
区別しにくいのは「桃太郎」だと思います。
コロラータとチワワエンシスの交配種なので…
とても似た姿になりますが、
よく観ると、区別が付きやすいかと感じます。
1. 成長点付近の違い
▲ 桃太郎
個人的な感想ですが、どの桃太郎も…
成長点付近のロゼットは、
葉先から爪にかけて、内へ内へと巻き込んでいます。
コロラータの場合
桃太郎と比べてみると、成長点付近は…
葉っぱ同士の空間が広く、
適度な隙間があるため、ゆとりを感じられます。
両者の比較
実際に隣に置いて比べれば、
桃太郎のほうが密度が高く、窮屈な印象があると思います。
2. 葉先&爪
もう1つの比較ポイントとして、
横から見ると「桃太郎」の葉のシルエットは…
ドラクエのスライムのような感じです。
先端は急激に先細り、爪が主張しています。
両者の比較
コロラータの葉は、根元から先端まで…
緩急の弱いカーブで、爪と一体化している感じです。
桃太郎は、中心の葉ほど急カーブになっています。
まとめ
まとめのまとめとして、
「コロラータっぽいなぁ~」と感じる…
平均的なフォルムは、上記のようなタイプかと感じます。
Mジャイアントや、地域名が付いたコロラータ以外は…
ひっくるめてコロラータでよいと思います。
多様性のあるコロラータ
複数の生息地に、複数のタイプがあるため…
多彩な色・形のコロラータがあります。
そのため、コロラータとして販売されている株でも…
大なり小なりの違いがあります。
地域名を付けても、別の顔の場合もあり
「コロラータ,地域名」で表記されていれば…
原種(変種)にあたりますが、
それでも、顔違いの可能性があります。
表記のルールの話になりますが、
コロラータの名を省略し、地域名だけを表記するのはNGです。
顔違いが多いのは仕方がありませんが…
コロラータの名に、形容詞を加えたり…
省略してしまうことで、
ますます、コロラータで困惑する人が増えてしまうのだと思います。
桃太郎と区別できないときは…
ロゼットを横から見て、
「永沢くん」ならコロラータ。
「スライム」なら、桃太郎 or チワワエンシスです。
ですが、桃太郎のような株に…
コロラータの名札が付いている場合もあるので…
解明されるまで、上手に付き合っていく必要があると感じます。
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リンゼアナ
▲ リンゼアナ
続いて、謎の多いリンゼアナになります。
コロラータの1タイプですが、区別して扱われています。
しかし、ネットで画像を検索しても…
見れば見るほど、同じに見えてくると思います。
販売者も分からないと思う
よほど原種に強い生産者さんでないと…
区別が付かず、
ラベルに付いた名前を、そのまま信用すると思います。
また、コロラータとリンゼアナを…
区別していない場合もあるかと思います。
リンゼアナも細分化
リンゼアナの中にも、選別した個体があり…
日本では「中里リンゼアナ」などが有名なようです。
普通のリンゼアナとの違いは、素人には…
「おそ松くん」レベルの難易度なので、
そこには触れず、1つのリンゼアナとして紹介します。
コロラータとの比較
一般的なリンゼアナは、コロラータと比べ…
下記のような特徴があるそうです。
- コンパクト
- わずかに葉の幅が広い
- 先端が尖った葉
- エッジや爪がより赤い
上の写真の比較であれば、
「まぁまぁ違うな~」という感じですが…
文言だけでは、ちょっと厳しいかもしれません。
夏と冬のリンゼアナ
冬と夏のリンゼアナになりますが、
フォルム的にはコロラータと、余り変わらない気がします。
さらに、いくつかの株を見比べていくと…
どんどん沼にハマっていく感じです。
リンゼアナの特徴
1番の相違点としては、個人的に…
「赤っぽい爪とエッジ」になるかと思います。
I.C.Nや書籍の写真を見比べても…
グリーン系の葉色に、赤い爪とエッジが目立っています。
逆に、パウダー系の青白い株に…
リンゼアナと表記されることはないと感じます。
それでも、確信は持てず
エッジの赤みは、季節や栽培環境にも影響されるので…
両方を同じ環境で育てて…
2年ほどは、季節の変化も比較する必要があると感じます。
リンゼアナは背が低い?
冬顔の状態で比べてみると、葉の長さに違いが見られます。
特に成長点付近が顕著で、
リンゼアナと思われるタイプは葉が短く…
そのため、全体的に高さもありません。
こちらも、確信は持てず
この比較も、秋でないと比べられません。
冬は寒さで丸まり過ぎてしまい、
夏は暑さで開いてしまうからです。
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リンゼアナのまとめとして、
個人的には、爪・エッジの赤みと…
背の低さが、リンゼアナっぽさを感じさせてくれます。
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購入した株 ❶
最後に、管理人が購入したコロラータを見比べてみます。
栽培期間は、購入から1年~3年ほどでマチマチですが…
撮影日は、どれも11月下旬となります。
コロラータ
ピュアリーフさんで購入したコロラータ。
どちらかというと、
桃太郎やチワワエンシスっぽく見えます。
下山コロラータ
下山さんも、上のコロラータと同じで…
桃太郎やチワワエンシスっぽく見えます。
コロラータ
「日本花キ流通」さんで購入したコロラータ。
こちらは、桃太郎でもなくリンゼアナでもない…
王道のコロラータっぽさを感じます。
メキシカンジャイアント
メキシカンジャイアントの名で購入した株。
普通のポットと肥料で育てましたが…
急激に巨大化するような兆候はありませんでした。
コロラータ・タパルパ
タパルパという地域に生息しているコロラータ。
他のタイプもあるそうで…
「タパルパ = 上の写真」とは限定できないようです。
ただ、メキシカンジャイアントに近い感じみたいです。
コロラータ・パウラ
「コロラータ・パウラ」という名前で購入。
詳細は不明ですが、個性の強いフォルムです。
もし、葉色が艶の有るグリーンだったら…
アガボイデスに見えるはずです。
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購入した株 ❷
コロラータ
「コロラータ」の名前で購入。
上の写真は「胴切り」後の写真で、元は1株から増やしています。
爪・エッジは赤く目立っていますが…
コロラータ寄りのフォルムだと感じます。
コロラータ
「原種コロラータ」の名で購入したコロラータ。
稀に「原種」と付いた株を見かけますが、
交配種が多いエケベリアなので、
その区別として付いているだけだと感じます。
この株はリンゼアナといわれれば、リンゼアナっぽい気もします。
リンゼアナ
「ピュアリーフ」さんから購入したリンゼアナ。
色々な写真を見比べてみると、
このような雰囲気を持つ株が、リンゼアナなんだと思います。
リンゼアナ
「いとうぐりーん」さんのリンゼアナ。
葉先の赤みが弱いですが、
フォルム的には、リンゼアナっぽい雰囲気です。
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以上、「コロラータ」シリーズの紹介でした。
なんとなくコロラータの雰囲気をつかめて頂けたかと思います。
リンゼアナとの違いは…
「う~ん、雰囲気でしょうか?」
現状では、名札を信用するしかありませんが…
この先、正規の名前が付いたり、
区別できるポイントが解明されるかもしれません。
それまでは、大切に育てながら…
色々なショップから、購入してみるのも面白いと思います。
合わせて、表記方法などの…
ルールも学んでおくと、自分の中で整理が付いてきます。
参考文献の紹介
繰り返しになりますが、参考文献の紹介になります。
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