「葉挿し」後編|葉っぱの管理&栽培方法

この記事は、多肉植物の…

「葉挿しを使った、増やし方」後半パートです。

内容としましては、

葉を取り終わってからの、管理と栽培方法になります。

前半パートは、こちら

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▼ 管理・栽培の手順

葉っぱ1枚からの葉挿しでは、

1年~1年半ほどで、5cm 前後まで成長しますが…

そこまでの栽培を、4ステップで紹介します。

  1. 発芽&発根までの管理
  2. 栽培の準備
  3. 水やり、遮光の管理
  4. 1年後・その後の流れ

❶ 発芽&発根までの管理

最初に、葉を取った後の管理ですが…

人によって、2つに分かれます。

  1. スグに土に挿す
  2. 発根&発芽するまで、そのまま管理

結果は、どちらでも変わりません。

土に挿しても、挿さなくても…

成功するときは成功し、

失敗するときは、失敗します。

初心者には、
そのままの管理がオススメ

取った葉は、土には挿さず…

発芽・発根まで、そのまま管理するのがオススメです。

その理由は… 

事前に、土と容器を用意する必要がなく…

省スペースで管理できるためです。

また、成功した葉の数に合わせ、

土や容器を、あとから準備できるのもメリットになります。

単純に、発芽・発根が確認しやすい

土に埋まっていなければ、

発芽・発根が確認しやすく、

かかった日数も把握できます。

100均の収納ボックスが便利

このような、可動式の「仕切り板」がある収納ボックスなら、

葉の数や、大きさに合わせて、

臨機応変に対応できるので重宝します。

雑な管理でも… 大丈夫

発芽・発根するパワーは、

葉の中に蓄えられているので、

土に挿さっていなくても、影響はありません。

ボックスに放り込んでおくだけで大丈夫です。

 ボックスのフタは、閉じてもOK

1ヵ月くらいが、区切りの目安

1ヵ月ほどしても、

発芽・発根しない場合は、

失敗なので… 次回にチャレンジしてみます。

 管理の際は、直射日光は避ける

葉を取ってからは、直射日光を避けて管理します。

絶対に、直射日光がダメな訳ではありませんが、

日陰や、明るい場所のほうが無難です。

 冬になれば、直射日光でもOK

気温は、20℃以上が望ましいと思います

寒くなると、活動が鈍くなってしまうので、

「葉挿し」を始める際は…

20℃を超える季節が、成功しやすいと感じます。

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❷ 栽培の準備

▲ 左の4枚は「発根のみ」で失敗

約2週間~1ヵ月を目途に…

発芽・発根した葉を選別します。

同じ多肉でも、両方が生え揃うタイミングは異なるので、

様子を観ながら、選別します。

 植えるタイミング

発芽&発根は、成功した証なので、

土に植えて栽培しても…

確実に、大きく成長します。

根の長さは「1cm 未満」が簡単

▲ これくらいの、根の長さなら…

▲ 寝かせるだけで終了

▲ 自然と育つ

根の長さが、5mm ~10mm ほどに伸びたら、

葉を土に寝かせるだけで…

根は、自然と潜ってくれます。

潜る理由は… 根が重力を感じて、下へ伸びるからです。

 寝かせる際は、根が下になるように調整

 ここまでくると… 根が、伸び過ぎ

あまりに、根が伸び過ぎてしまうと、

土の中に、植え込む手間が増え…

無駄に時間がかかってしまいます。

根が地上部に伸びると、根が枯れやすくなる

根はだいたい… 土の中に潜ってくれますが、

地上部に出ている場合は、

ピンセットで土の中に押し込むか…

土をかけて、根を隠してやったほうが安全です。

[rakuten-03]

ばら蒔いておくのもOK

▲ 玉葉

虹の玉やレッドベリー、玉葉といった…

小粒~中粒のセダムなら、

発根・発芽、上下左右も気にせず… すぐに蒔いてもOKです。

ちょうどいい具合に、育つ

ばら蒔いただけなので…

うまく根付かずに、枯れてしまうこともありますが、

ちょっと多めに蒔くことで、

生き残った葉が、ほどよく成長してくれます。

使用する容器

容器は、底に穴が空いていれば、

素焼きでも、プラポットでも… 何でも大丈夫ですが、

底が5cm ほどの、浅い容器が適しています。

 プラグトレイも、おすすめ

▲ 1マス:4cm

▲ ハサミでカットすれば、分割できる

▲ 葉の大きさにより、2枚…3枚までOK

プラグトレイは、価格も安く…

ハサミでカットできるので、

苗の数に合わせて調整できます。

 底の穴から、土が漏れる場合は新聞紙

プラグトレイも、中央に穴が空いていますが、

土がポロポロと漏れ出す場合は、

新聞紙等の、切れ端で塞いでおけば解決します。

水やり後、排水しにくい場合は…

楊枝などを使い、新聞紙に2、3か所の穴を空ければOKです。

土は、培養土でもOK

葉挿しから育てる場合でも、

親株と同じ、培養土で大丈夫です。

例えば…「多肉植物の土」を使用している場合は、

葉挿しの苗でも、そのまま使用できます。

 お好みの土で、大丈夫です

元肥入りがオススメ

小さな苗から育てるので、

最初は、ある程度の肥料成分が、

成長を手助けしてくれます。

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❸ 水やり、遮光の管理

栽培の準備が整ったところで、

水やり、遮光の管理を紹介します。

 基本的に、親株と変わらない

「水やり」「遮光」の管理は、

親株と変わりはありません。

葉挿しからの栽培でも、基本は同じです。

関連記事は、こちら

親の葉が枯れるまで、水やりは不要

▲ 紫麗殿(パキフィツム属)

写真のように… 葉挿しを始めた直後は、

親の葉が付いている状態です。

この親葉が、水分・栄養分を蓄えているので、

枯れるまで、水やりは不要になります。

ですが… 心配であれば、水やりをしても大丈夫です。

親葉は、半年以上… 枯れない場合もある

▲ 半年後の紫麗殿

親葉が枯れる前に、水やりをすると…

大きめの葉っぱなら、

半年以上… 生き残る場合もあります。

 親葉が枯れるスピードは、種類によって異なります

 水やりの間隔は、やや短め

大きく育った親株と… 小さな葉挿し苗では、

水を溜め込む能力が異なるので、

後者のほうが… 水やりの間隔は、やや短めになります。

水の与えすぎには、注意

イマイチ… 水やりの間隔が、つかめない場合は、

親株と同時でも良いと感じます。

逆に与え過ぎてしまうと… 徒長しやすくなります。

「慣らし」と「遮光」

発芽・発根までは、日陰でも大丈夫でしたが、

ここからは…  

少しづつ、陽に慣らせていきます。

また、陽に慣らせた後でも…

冬以外は、直射日光を避ける必要がある為、遮光が必要になります。

❶ 発芽した後は、陽に慣らす

▲ コミックトム

発芽した後の小さな苗でも…

日照不足の環境では、

親葉の水分により、徒長しやすくなります。

徐々に、陽に慣らす

すぐさま… 直射日光に当てると、焦げて枯れるので、

まずは、明るい場所に置いたり、

直射日光の元では…

遮光をして、陽の強さを調整します。

 「春・夏・秋」の遮光も、重要

▲ 2cm 未満の多肉(姫秋麗・錦)

葉挿しの苗は、親株と比べると…

だいぶ小さいサイズなので、耐久力も劣ります。

そのまま、親株と一緒に育てると、

葉挿しの苗だけ… すぐに焦げて、枯れることがあります。

 小型の多肉は、特に注意

葉挿し苗は、遮光を2倍に強める

5月や10月頃は、涼しい季節ですが…

陽射しは、まだまだ強いので、

親株よりも、遮光率を上げて管理します。

春や秋でも、失敗しやすい

特に… 秋に「葉挿し」を行った苗が、

冬から春にかけて、強まっていく陽射しに耐えられず…

5月でも遮光不足で、枯らしてしまう可能性があります。

 遮光の加減や好みは、慣れと経験で左右されます

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❹ 1年後・その後の流れ

葉挿しを始めて、春と秋を1回づつ過ごせば…

そこそこの大きさに育つので、

管理の仕方は、親株と同じとなり、

そして、ここからは… 2択になります。

  1. 大きくしたい場合は、植替えを行う
  2. 置き場所に困る場合は、まとめる

❶ 大きくしたい場合は、植替えを行う

普通は… 大きく育てたいと思いますので、

その際は、半年ほどで…

プラポットやビニールポットなどへ植替えます。

例えば…

3月上旬に開始したら、次の植替えは9月上旬になります。

ただ… 1年ほど植え替えなくても大丈夫です。

より大きな鉢と、新しい土

最初に使用した容器では、サイズも小さく…

培養土の肥料も切れやすいので、新しく植え替えます。

また、容器も… 一回りほどサイズアップしたほうが、

根が伸びて、大きくなりやすいと感じます。

❷ 置き場所に困る場合は、まとめる

ここまで、前半・後半とやってきましたが、

「葉挿し」あるある… なのが、

増やしても「置き場所に困る…」というオチです。

あっという間に、スペースが消える

意気込んで、たくさん増やしても、

1ポットが10ポットになったら…

あっという間に、置き場所が埋まってしまいます。

 対処方法は、まとめる

▲ ピンクベリー

▲ リトルビューティー

1つの手段としては…

大きめの鉢やポットを用意して、

すべての苗を、まとめると… 省スペース化できます。

とりあえず… 寄せておくのも便利

奇麗な「寄せ植え」を作るには、

多肉の数やカラー、種類にも左右されてしまうので、

そこは、まず… 諦めて、

何でも構わず、寄せておくのもオススメです。

 元気な多肉をストックするのが重要

サイズアップの時間は、鈍化

ギュウギュウに押し込む感じなので、

ポットに、1苗だけ植えた状態と比べると…

サイズアップのスピードは、ゆるやかになります。

・・・
・・

「葉挿し」で増やす目的は、

人それぞれになりますが…

多肉栽培に慣れていくと、増やし方の加減もわかってきます。

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◆ まとめ

はじめての葉挿しは、
夢中で楽しめる

「葉挿し」での繁殖は、

多肉植物の醍醐味ですので、

特に… はじめての「葉挿し」なら、夢中で楽しめると思います。

多肉植物ならではの、難しさ…

多肉植物の難しいポイントは…

常緑で、陽射しを必要とする事です。

なので、1年中… 陽に当てて栽培するには、

相応のスペースを、常に確保する必要があります。

スペースの問題は、解決しにくい

また、多肉にも栽培品種が多いので、

色々と購入すると… 保険株を作りたくなったり、

大きな寄せ植えを、作りたくなってしまいます。

そんなことをしていると…

あっという間に、スペースが無くなってしまうので、

増やしたくても… 増やせない… という悩ましい問題が、

多肉植物には付きまといます。

どのように消化するか…

無限に場所があれば、

ひたすら増やすことができますが、

限りあるスペースで、理想の多肉環境を構築するのは…

永遠のテーマになりそうです。

ですが… まずは先のことは考えず、

「葉挿し」での栽培を楽しんで頂ければと思います。


「葉挿し」前編|上手に増やす、基礎知識

白雪姫 & 白雪の華

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