この記事では、葉挿し栽培の2ndステージとして…
葉挿しが成功した後の育て方・管理方法について紹介します。
その前に「葉挿しって何? 成功って何?」という方は…
下記の記事からご覧ください。
記事の概要
- 葉を植える準備について
- 水やり・陽当たり
- 葉挿しから1年後の様子
ポイント
葉挿しからの苗でも、育て方や管理方法は…
基本的に親株と変わりません。
ポイントは小さくて若い苗なので、
大きく育った株とでは、暑さ・寒さなどの耐性が劣っています。
そのため、遮光を強めたり、
水やりの回数を増やすなどのケアをすれば、
1年後には親株に近いサイズと耐性を持った株に育っています。
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1. 植え付け準備
まずは、植え付け前に用意する…
容器や土について紹介します。
使用する容器
容器については、これといって決まりはなく、
底に穴が空いていれば、
素焼き鉢でも、ビニールポット、プラポットでも何でも大丈夫です。
深さ5cm ほどの浅い容器が適する
特に決まりはありませんが、葉挿しなどで育てる小さな苗では、
最初から大きなポットは不要です。
土の入れる深さは、5cmほどあれば十分ですので、
「育苗箱」や「プラグトレイ」が適しています。
おすすめプラグトレイ
▲ 1マス:4cm
▲ ハサミでカットすれば、分割できる
▲ 葉の大きさにより2~3枚までOK
プラグトレイは価格も安く、ハサミでカットできるので、
苗の数に合わせて調整できます。
もし、たくさんの葉を挿す場合は育苗箱も適しています。
底の穴から、土が漏れる場合は新聞紙
プラグトレイも、中央に穴が空いていますが、
土がポロポロと漏れ出す場合は、
新聞紙等の、切れ端で塞いでおけば解決します。
水やり後、排水しにくい場合は…
楊枝などを使い、新聞紙に2~3か所の穴を空ければOK。
土は肥料入り培養土
葉挿しから育てる場合でも、親株と同じ培養土で大丈夫です。
例えば「多肉植物の土」を使用している場合は、
葉挿しの苗でもそのまま使用できます。
肥料は必須
小さな苗から育てるので、適度な肥料が必須です。
ここで栄養不足にさせてしまうと、
枯れはしませんが、1年経っても豆くらいにか育ちません。
オルトランDXを混ぜる
葉挿しの苗が、すぐにカイガラムシの被害にあうことは…
可能性としてはかなり低いと思います。
心配な場合はオルトランを混ぜておくと安心です。
最初に土と混ぜておけば作業が楽
例えば、葉をプラグトレイに植えた後で…
オルトランを混ぜる(撒くと)と大変なので、
先に土とオルトランを混ぜておき、それを使えば時短になります。
植え付けについて
用意する葉は「発芽&発根」した葉か、
「発芽のみ」の葉となり、発根だけの葉は使いません。
植えるタイミングは人それそれ
葉を植えるタイミングは人それぞれです。
葉を取ったらすぐに植える人もいますので、
自分の好みに合わせて頂ければと思います。
ほぼ置くだけ
▲ 寝かせるだけで終了
▲ 根付いて育つ
葉を土に寝かせるだけで、根は自然と潜ってくれます。
潜る理由は、根が重力を感じて下へ伸びるからです。
もし、根が土に潜らない場合は、
表面に培養土や鹿沼土を使って、少しだけ埋めてあげます。
ここまでくると根が伸び過ぎ
あまりに根が伸び過ぎてしまうと、
植え込む手間が増え、無駄に時間がかかってしまいます。
根は伸び過ぎる前に植えてしまうのがオススメです。
ばら蒔いておくのもOK
▲ 玉葉
主にセダム属になりますが、葉が小さい…
虹の玉やレッドベリー、パープルヘイズなどは、
すぐに蒔いておいたほうが管理は楽になります。
ちょうどいい具合に育つ
ばら蒔いただけなので、うまく根付かずに…
枯れてしまうこともありますが、
ちょっと多めに蒔くことで、生き残った葉がほどよく成長してくれます。
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2. 水やり・陽当たりの管理
葉を植え付けたところで…
「水やり」と「陽当たり&遮光」の仕方を紹介します。
といっても基本的に、どちらも親株と変わりはありません。
水やりについて
葉挿しから育てるケースでも、水やりの仕方は基本通りです。
日照不足で水を与え過ぎると、葉挿しの苗でも徒長するので、
緩急をつけて行ってください。
間隔は短めになる
▲ 朧月の親株と葉挿し苗
葉挿しの苗のポイントとしては、上の写真のように…
大きく育った親株(左側)と、
小さな葉挿し苗(右側)では、幹や葉に水を溜め込める量が違います。
そのため、左側の親株のほうが多くの水分を溜め込めます。
土の保水力も違う
さらに土の量も異なるので、
量の多い左側ポットの水持ちがよく、右側は水切れが早くなります。
まとめると、ポットの多肉と比べ…
トレイで育てる葉挿し苗のほうが、水やりの頻度は高まります。
親の葉が枯れるまで、水やりは不要
▲ 紫麗殿(パキフィツム属)
葉挿しを始めた直後は、よく親の葉が残っています。
この親葉が、水分・栄養分を蓄えているので、
親葉が枯れるまで水やりは不要になりますが、
心配であれば水やりをしても大丈夫です。
なかなか枯れない親葉
▲ 半年後の様子
親葉が枯れる前に、水やりをすると…
その親葉も水を吸ってしまい、大きめの葉っぱなら、
半年以上にわたり生き残る場合もあります。
陽当たり&遮光について
発芽・発根までは日陰でも大丈夫でしたが、
新しい芽や根は、強い陽射しへの抵抗力が低いので、
植えた後では少しづつ陽に慣らせていきます。
遮光しながら陽に慣らす
陽に慣れていない苗は、直射日光に当てると…
日焼けして枯れやすくなります。
まずは、明るい日陰の場所に置いたり、
直射日光の元では、遮光をして陽の強さを調整します。
春・秋でも遮光を意識する
春や秋でも、まだまだ陽射しは強烈です。
そのため、親株と一緒に育てると、
葉挿しの苗だけ、すぐに焦げて枯れることがあります。
この辺りの調整は、栽培経験が必要になりますが、
だんだんと感覚をつかめるようになります。
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3. 1年後の様子
葉挿しを始めて1年もすれば…
よく売っている2~2.5号サイズくらいには育ちます。
中粒多肉のケース
▲ before
▲ after(1年後)
この多肉はセデベリア属のピンクベリーという品種です。
状態によっては1枚の葉っぱから…
複数の幹が伸びて、2つ以上のロゼットに育つ場合もあります。
エケベリアのケース
▲ before
▲ after(1年後)
この多肉はエケベリア属の…
メキシカンスノーボールという品種です。
片方の葉は途中で枯れてしまいました。
ばら蒔き多肉のケース
▲ before
▲ after(1年後)
この多肉はセダム属のパープルヘイズという品種です。
簡単に紹介しましたが、全般的に上記のような感じで育つので、
1年間は特に植替えもせず、そのまま育ててOKです。
特別な作業も無し
葉挿しから育てた苗でも、特別な作業はありません。
親株と違うポイントは、先述した通り…
初期段階での水やりや遮光の調整だけです。
途中で枯れる場合もある
なかには栽培途中で蒸らしてしまったり、
原因不明で枯れてしまう場合もありますが、
少数であれば気にしなくても大丈夫です。
ポイントは親葉
葉挿し苗の初期段階では、親葉が元気で枯れないほうが、
新しい芽に栄養を渡せるので、
安定的に苗が育ちやすくなります。
また、水やりを忘れても、親葉のバックアップがあるので水切れも起こしません。
大きすぎる親葉はカットしてもOK
▲ 朧月
基本的に親葉は残したほうが無難ですが、
なかには大きな葉を持った多肉もあり、これがかなりのスペースをとります。
もし発芽・発根していてらカットしてしまってもOKです。
【1年後~】サイズアップなら植替え
1年ほど育てれば、根は十分に伸びて…
肥料も切れかけてくるので、さらに大きく育てたい場合は…
1サイズ大きなポットに植え変えてもOKです。
だいたい2~2.5号で間に合います。
植え替えなくても枯れません
多肉は植え替えなくても、意外と現状をキープしてくれます。
もし、下葉が枯れが目立ってきたリ…
著しく葉が減ってきたら植替えが必要になります。
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【まとめ】基本は親株の管理と同じ
葉挿しから育てる場合でも、根付いてしまえば…
親株と同じ感じで管理できます。
ただ、基本は同じですが…
耐性や体力面ではだいぶ劣るので、
特に強烈な陽射しには注意する必要があります。
やってみればすぐに慣れる
写真やテキストで説明すると、長くはなりますが…
やっていることは、葉を取って土の上に載せるだけです。
そして待つだけです。
多肉は全体的に葉が多いので、
試しに取ってみても親株には影響しません。
失敗してもリスクはありませんで、どんどん挑戦して頂ければと思います。
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