この記事は、多肉植物における…
梅雨~夏にかけての管理方法(夏越し)について紹介します。
特に、梅雨・夏の扱いが難しいとされる多肉ですが、
まずは「ここだけは知っておきたい」というポイントを簡潔にまとめています。
もし、梅雨~夏の管理が解らないという方は、
1度ご覧いただければ、だいたいの流れが掴めると思います。
記事の概要
- 夏のトラブルを紹介
- 夏越しの知識3点
- 1.多肉の性質
- 2.環境づくり
- 3.水やり
ポイント
常緑多年草の多肉植物は、もちろん夏も管理する必要があります。
イメージとしては、直射日光を避けて…
できれば軒下の環境で、
水を少なめに与えると、夏越ししやすい感じです。
実際の作業では、慣れや経験がモノをいいますが、
これだけでも知っていれば、夏でも枯らせてしまうことはありません。
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◆ トラブルの実例
本題の前に、梅雨~夏にかけて起こりやすい…
3つのトラブルを紹介します。
栽培初心者であれば、必ずといってよいほど…
これらのトラブルを経験するはずです。
1. 徒長(とちょう)
まず、梅雨入り後に経験しやすいのが徒長です。
この時期は雨に当たりやすく、一気に日照時間も激減するため、
葉や茎が間延びした状態に変わりやすくなります。
徒長で枯れることはありませんが、注意したい症状です。
▼ 徒長に関する記事
2. 葉焼け
葉焼けは真夏の炎天下で起こりやすい現象です。
多肉は陽当たりを好む植物ですが、
晴れて猛暑日が何日も続けく中では、葉が焼けてしまいます。
こちらも直ぐには枯れませんが、見た目の美しさを損ないます。
3. 蒸れ
ゲリラ豪雨からの急な炎天下など…
高温多湿の状態で発生しやすい症状です。
多肉へのダメージが大きく、最悪は枯れてしまうため…
最も避けたいトラブルに該当します。
▼ 蒸れに関する記事
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▼ 夏越しの知識
上記のトラブルを回避して、無事に夏を乗り切るには…
下記の内容を覚えておく必要があります。
- 多肉植物の性質を知る
- 軒下の環境を整える
- 梅雨・夏の水やりを知る
これら3つは非常に重要なポイントです。
春から多肉栽培をはじめた方には、
ちょっと忙しいスケジュールですが、
事前に知っておく事で、夏は夏なりの多肉栽培を楽しむことができます。
1年目の夏は、誰でも難しい
知識を入れておくことに越したことはありませんが、
梅雨・夏が難しいのは、やはり経験不足だからです。
多肉栽培は失敗して覚える側面もあるので、
どうしても時間もかかってしまいます。
ですが、知識があることで、失敗した経験も生きるため…
年々、夏越しさせるのは簡単になると思います。
流れを手短に解説
この記事では、全体の流れを把握しやすいよう…
細かな情報は含まれていません。
より詳しい情報は、各章でリンクしている詳細ページをご覧ください。
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1. 多肉の性質を知る
梅雨~夏の管理には、多肉の性質を知っておく必要があります。
春の間は調子よく育っていても、梅雨入り頃から…
多肉が嫌う環境となり、栽培と管理がシビアになってくるからです。
▼ 多肉の性質に関する記事
性質のポイント
▲ 蒸れたエケベリア属の多肉
多肉植物は、とても乾燥に強い植物ですが、
日本の夏のような高温多湿が苦手で、
特にエケベリア属の多肉は、蒸れやすい種類として有名です。
一般的な草花と混同してはダメ
植物栽培でありがちなのが、
「自然のまま、外に置いておけば元気に育つ」という思い込みです。
太陽に当てることは重要ですが、
ヒマワリなどの草花と、同じ感覚で管理すると、
先に紹介したトラブルが発生しやすくなります。
日本の夏が苦手
簡単にまとめると、多肉植物は日本の夏が苦手という事です。
ですが、適切な栽培環境を整えれば…
多肉もしっかりと元気に育ってくれます。
次の項目では、その適切な栽培環境について紹介します。
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2. 夏の環境を整える
「高温多湿が苦手なら、過ごしやすい環境をつくってあげよう」というのが、
夏越しの基本となります。
農家さんがビニールハウスで栽培するのも…
雨や直射日光を防ぐことで、安定的に多肉が育つからです。
▼ 夏の環境についての記事
環境づくりのポイント
もし、雨や直射日光がダイレクトに当たる…
野ざらしの環境なら「雨よけ」と「日よけ」の設置がオススメです。
この2つを設置して、軒下の環境にすれば、
高温多湿の状態は大幅に改善されます。
(元々、透明な屋根が付いたベランダ等で栽培している場合は、そのままで大丈夫です)
「雨よけ」と「日よけ」の効果
雨よけは、そのまんまですが…
多肉(の土)が雨で濡れ、多湿になるのを防ぐためです。
日よけも、強すぎる太陽光を抑え…
高温になるのを防ぐためで「遮光」とも表現できます。
この2つを同時に設置することで、高温多湿の状態を防げます。
資材はビニールシートや寒冷紗が一般的
▲ 寒冷紗(かんれいしゃ)
まず、雨よけに使う資材はビニールシートです。
そして、日よけに使うのが寒冷紗や不織布と呼ばれる…
メッシュ状のシートとなります。
ビニールシートが外で、内に寒冷紗などを仕込みます。
▼ 寒冷紗・遮光についての記事
環境に合わせて設置する
1番簡単な軒下の環境は、特に資材を必要としない窓際だと思います。
雨には当たらず、網戸が日よけ代わりとなり…
強烈な陽射しから守っててくれるからです。
管理する多肉が増えると大変
環境づくりは、管理する多肉の数に比例して…
設置には手間や費用が掛かります。
ここが多肉栽培の難点で、
ご自宅の環境によって、有利・不利というのは発生してしまいます。
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3. 梅雨・夏の水やり
最後は、梅雨・夏の水やりの仕方です。
植物の中では特殊なポジションの多肉では、
水を与えて過ぎてしまうと、
冒頭で紹介したエケベリアのように、多肉を枯らす原因になります。
詳細記事は、こちら
水やりのポイント
多肉植物は、とても乾燥に強い植物です。
1週間以上、水を与えなくても…
草花のように、シワシワになって下を向くことはありません。
とは言っても、徐々に水分は抜けてしまうので、
どこかで、水を与える必要がありますが…
基本的に、少量の水分で間に合ってしまうのが多肉植物になります。
1. 梅雨入りからは少量
▲ 徒長した多肉
晴天の日数が少ない梅雨時では、
土に含まれる水分が乾燥しづらい状況となります。
そのため、春の調子で水やりを行ってしまえば、
水分が過剰となり、徒長する原因となります。
水切れしにくい多肉植物
多肉は乾燥地帯で育つ植物なので、
葉や茎に多くの水分を溜め込んでいます。
たとえ土がカラカラの状態でも、
内部にストックした水分で生き残ることができます。
2. 真夏も少量で大丈夫
暑い夏になれば、水やりで忙しいイメージがありますが、
ここでも多肉植物には少量で大丈夫です。
それは、暑すぎるせいで…
水分の放出を抑えようと働き、省エネ状態となるからです。
日中の水やりはリスクが伴う
炎天下での水やりは、土内部の水分がお湯になって葉や茎を痛めます。
それが致命傷となり、株全体が枯れてしまいます。
そのため、夏の水やりは涼しい夕方以降が一般的で…
与える水の量も、水切れしない程度で十分となります。
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【まとめ】知識2割、経験8割
色々と紹介してきましたが、
やはり、慣れ・経験で夏越しは上手くなります。
最初に紹介したトラブル3選は、誰でも経験しますので、
その時になったら、この記事に書かれている内容も、
より分かりやすくなると思います。
それまでは、梅雨入りぐらいから「徒長・葉焼け・蒸れ」には、
注意が必要とだけ覚えておいてください。
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