冬に、コロコロのエケベリアを買ったものの、
梅雨入りすると…
「夏顔」といわれる姿に変わってしまいます。
今回は、その「夏顔」の特徴と対処法について紹介します。
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◆ 夏顔の対処法は、冬まで待つこと
左:夏顔 / 右:冬顔
さっそくですが…「夏顔」なったら、直ぐに対処できることはありません。
エケベリアをはじめ、多肉植物は、
季節に合わせて…「夏顔」と「冬顔」を、交互に繰り返します。
動物の「夏毛」と「冬毛」みたいな感じです。
「夏顔」と「冬顔」の特徴
エケベリアの夏顔は…
外の葉が伸びやすく、ロゼットのバランスが悪くなります。
そして、葉色は基本的にグリーン系になります。
反対の冬顔は…
ロゼットが奇麗なドーム型になりやすく、
葉色は、紅葉して見応えたっぷりとなります。
夏顔のあとは… 冬顔
夏顔になったからといって、
それがダメというわけではなく、もちろん… 枯れる原因にもなりません。
夏顔のあとは… 自然と冬顔がやってきます。
ですので、夏顔を対処しようとするなら、寒くなるまで待つしかありません
シャルルローズの例
▲ シャルルローズ
ここで、1つ例を紹介します。
- 購入時 : 4月
- 苗の直径: 3cm 程度
- 購入形態: カット苗
エケベリアなどの多肉植物は、上の写真のように…
「カット苗」と呼ばれる状態でも、販売されています。
基本… 土やポットは付属されません。
【変化】 冬顔 ⇒ 夏顔 ⇒ 冬顔
下記の写真は、1年かけて…
冬顔 ⇒ 夏顔 ⇒ 冬顔へと変わる様子です。
▲ 5月上旬
▲ 7月下旬
▲ 10月下旬
▲ 12月上旬
▲ 2月上旬
▲ 4月上旬(1年後)
いかがでしょうか。
梅雨入りして、判別不能な状態の夏顔になっても、
寒くなれば… 自然と冬顔に戻ってきます。
そして、また… 夏顔へと移っていきます。
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ストロベリーアイスの例
▲ ストロベリーアイス
もう1つ、別のエケベリアも紹介します。
こちらも、シャルルローズと同じスタイルで、
1年間の様子を観察しました。
冬顔 ⇒ 夏顔 ⇒ 冬顔
こちらも、夏顔を挟みますが…
1年ほど経てば、ちょうど冬顔に戻り、
いい感じにサイズアップしています。
・・・
・・
・
以上のように多肉植物は、
夏は、夏顔に… 冬は、冬顔になります。
葉色やフォルムの変化は、季節の流れに任せるしかありません。
◆ 夏顔は、失敗ではない
「夏顔」になると、
なんとなく、ガッカリした気分にもなりますが…
異常な状態ではなく… 普通の状態です。
夏顔は、なかなか防げない
夏顔になってしまう理由は、下記の通りです。
- 日照不足
- 肥料の効果
- 水分
- 気温・湿度
これは、仕方がないこと
日本では梅雨があり…
肥料を適度に与えたほうが、育ちはよいですし、
水やりが過剰になってしまう場合もあります。
そんなこんなで… どうしても、
梅雨入りくらいから、ロゼットが開いたり… 葉が伸びてしまいます。
夏顔は、ただの通過点
多肉植物は、枯らすまで終わりがないので、
どこに、重点を置くかは… 人それぞれです。
夏顔を防止するのがゴールではなく、
ただの通過点なので… その続きを楽しむことは、いくらでも可能です。
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◆ 性質的に、伸びやすい多肉もある
▲ 夏のカンテ
夏顔といっても… ハンパなく伸長するエケベリアもあります。
恐らくですが…
元々の性質のため、仕方がないと思います。
- カンテ
- セクンダ(七福神)
- シャビアナ
- エレガンス
メジャーな原種で絞ると、こんな感じで…
そのハイブリッドも、伸びやすい特徴を引き継ぎます。
ピンキーの例
▲ ピンキー(購入時:1月上旬)
ピンキーはハイブリッドで、
両親は…「カンテ」と「シャビアナ」の伸び伸び夫婦なので、
子供のピンキーもよく伸びます。
冬顔 ⇒ 夏顔 ⇒ 冬顔
▲ 5月中旬
▲ 7月中旬
▲ 8月下旬
▲ 12月上旬
▲ 2月上旬(約1年後)
ロゼットの直径だけなら… 劇的に大きくなります。
同じエケベリアには見えませんが、
顔の変わり具合は、とにかく楽しめます。
誰が育てても伸びる… と思う
恐らくですが… カンテやカンテ系ハイブリッドを、
冬顔のまま、育て続けるのは困難だと感じます。
肥料の有無や、水やりレベルではなく、
どうやっても、伸びるタイプだと感じます。
ブルーバードも有名
▲ 購入時の状態(1月)
▲ 購入から半年後の状態(7月)
交配は「コロラータ」と「デスメチアナ」で、
どちらとも、それほど葉が伸びないタイプだと感じますが、
このブルーバードは、葉が垂れてブサイクになります。
夏顔とは、ちょっと違うかも…
ブルーバードは、幹立ちしやすく…
垂れた葉は、冬になっても元に戻りません。
このようなイレギュラーも、中にはあります。
・・・
・・
・
エケベリアだけでも、ハイブリッドを合わせれば…
膨大な数があるので…
生まれつきの性質を見抜くには、時間がかかります。
「どう見ても… 失敗でしょ!」と感じても、
その品種にとっては、普通の夏顔であることもあります。
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◆ 夏顔と、葉の伸長の違い?
▲ カトルス
夏は、葉の伸長とともに、夏顔になっていきますが、
「伸長の許容範囲」となると、
普通の夏顔なのか… それとも、管理ミスによる葉の伸長なのか…
なかなか、判断が付きません。
エケベリアは、茎ではなく… 葉が伸びやすい
セダムの徒長は… 茎が伸びますが、
エケベリアは、外側の葉がよく伸びます。
葉の伸長を、徒長といってよいのかは… よくわかりませんが、
とにかく、エケベリアは外葉が伸びます。
カトルスの例は、微妙…
カトルスは、セクンダ(七福神)に近い感じの原種で、
夏顔でも、葉が伸長しやすいタイプだと思います。
ですが… 上の写真(右)では、水を与えすぎた感じにも映ります。
迷ったら、画像検索が手っ取り早い
「普通の夏顔」と「管理ミスによる葉の伸長」で迷ったら、
ネットの画像検索で、調べるのが早いです。
先駆者さんの画像から、大量に比較できるので…
そのエケベリアの「平均の顔」を確認できます。
シルエットの例
▲ シルエット(1月)
こちらも、カット苗で購入して1年間ほど育てましたが、
梅雨時は「水を与え過ぎたかな~」と感じます。
その様子が、下記です。
1年間の様子
▲ 3月上旬
▲ 5月上旬
早くも紅葉は収まり、5月上旬に夏顔となりました。
ただ、ここまでは…
ロゼットの崩れもなく、普通の夏顔だと感じます。
5月下旬に植替え
まだ、梅雨入りもしていないので、植替えを行いました。
ロゼットは、そこそこをキープ中です。
ここからは、余計な伸長だと感じる
▲ 7月上旬
▲ 8月下旬
ここで、大きく外側の葉が伸びました。
葉が伸びた要因は…
- 植替えの時の肥料
- 梅雨入り後の日照不足
- 水の与えすぎ
- 実は、伸長しやすいタイプ
などが考えられますが、
どれが、どれだけの影響を与えているか… は、
ハッキリとわかりません。
ですが、個人的な感想としては… 水を与え過ぎたと感じます。
冬顔でも、リカバリーしきれず…?
▲ 10月下旬
▲ 12月上旬
▲ 2月上旬(約1年後)
決して… 悪くはないと思うのですが、
葉が伸び過ぎたぶん…
外葉の引き締まりが、足りないようにも感じます。
「胴切り」や「葉挿し」に回すのも、あり
イマイチなロゼットに感じたら、
春にでも「胴切り」で再調整も可能ですし、
開いた外葉は「葉挿し」にも回せるので、まったく心配はいりません。
水の管理は必要
どうせ… 夏顔になるなら、
雨ざらしにして、水やりも適当で大丈夫そうな気もします。
ですが… できる限り、
水やりを控えめに調整し、外葉の伸長を抑え込んだほうが、
冬になった際に… ロゼットが整いやすく感じます。
関連記事は、こちら
半年… 1年で結果を求めるのは、時期尚早
普通の夏顔なのか…?
伸びさせてしまったのか…? は、
その多肉の「性質」や「状態」、また「栽培環境」にも左右されます。
ですので… 同じ多肉でも、
3年くらいは、観察を続けてみるのがベストだと感じます。
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◆ 夏顔に、なりにくいケース
色々なエケベリアを育てていると、
それほど、夏顔が目立たないケースも見かけます。
その要因は、下記の通りだと感じます。
(※ 元々、伸長しやすいエケベリアは除外)
- 日照が足りている
- 肥料が切れる または 使わない
- 水やりが適正
水やりの加減が、コントロールしやすいと感じる
水を控えてやれば、
肥料の栄養分も吸えないので…
水やりの調整が、葉の伸長を抑えやすいかと感じます。
桃太郎のケース
▲ 購入時の状態(3月)
2年ほどの管理を通して、
水やりの調整と…
肥料が切れていく感じ… を紹介します。
「元肥入り」の土で、植替え
▲ 5月上旬
使用した土: 多肉植物の土(元肥入り)
植え替えのときだけ、
「元肥入りの土」を使い、
それ以降は、追肥を行っていません。
夏顔の様子
▲ 8月上旬
植替え後は、水を与え過ぎたようで、
ロゼットは開いてしまいましたが、
これくらいになら、
夏顔としては… 許容範囲だと感じます。
その後の様子
▲ 12月上旬(半年後)
▲ 5月下旬(1年後)
▲ 8月下旬(1年3ヶ月後)
▲ 12月上旬(1年半後)
その後は、水やりを意識したせいか…
夏になっても、大きく開くことはありませんでした。
また、紅葉具合も…
肥料が切れてきて、明るめの発色に変わっています。
植替えから、2年後の状態
▲ 5月下旬
植替えから、2年が経ちましたが、
これまでの画像から、5月の状態を比べてみると…
毎年のように、葉色やフォルムが違います。
また、肥料の効果も… 徐々に切れてきた感じがします。
植替えから2年後の感想
- 葉色は奇麗
- ロゼットは締まってフォルム良し
- 花芽がショボい
- 外葉がキープできず、枯れやすい
肥料が切れるメリットを感じることもあれば、
「やっぱり栄養不足かな…?」と、
感じることもありました。
肥料の使い方は、人それぞれ
肥料は、素人でも気軽に使えて… サイズアップさせやすいと思います。
ただ… 大きくなるのは確かですが、
そのぶん、葉の伸長の要因になるかもしれません。
また、明らかに… 紅葉具合は冴えないと感じます。
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イレギュラーも、多い
上の桃太郎のように、必ずしも…
肥料と水やりを控えれば、フォルムをキープできる訳ではなく、
そのときの状況や、多肉の性質によっても違いはでてきます。
シャルルローズ 2年目
▲ 5月下旬
冒頭で登場したシャルルローズの2年目です。
植替えから1年間…「追肥なし」なので、
夏顔にも変化があると思いましたが…
前年より、葉が伸びた感じがします。
ピンキー 2年目
▲ 5月下旬
ピンキーも追肥なしで、2年目に突入しましたが、
前年の5月と同じ感じです。
7月には、さらに開くと思います。
・・・
・・
・
ここでも、経験あるのみ
夏顔への変化は、読めないことも多く、
理想の夏顔になったり…
思った以上に、葉が伸長したり… と、
ちょっとした、水やり具合や環境の変化でも、大きく変わってきます。
◆ 夏顔のまとめ
- 夏顔の対処法は、冬まで待つこと
- 夏顔 ⇔ 冬顔 は普通のこと
- 夏顔の状態だけで、一喜一憂しない
- 種類によっては、だいぶ葉が伸びる
- 多肉の状態や環境によっても、だいぶ葉が伸びる
- 水の管理で、余計な葉の伸長は防ぎやすい
色々な、ケースがある
多肉植物の経験が浅いほど、
どうしても… 目の前の1つ1つが大切に感じます。
ですが、慣れてくれば、
夏顔になっても… 冬顔に戻ることを経験しているので、
「こんなもんかな~」くらいに思えてきます。
四季に合わせた、変化も楽しみに…
紅葉のように… 特定のイベントのほうが、
季節感を楽しめますし、変化の差も楽しめます。
これも… 多肉植物の魅力の1つだと思います。
・・・
・・
・
以上…
エケベリア「夏顔」の特徴と対処法 でした。
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