この記事は、エケベリア属「リラシナ」の栽培記録です。
緩いカールのかかった葉が特徴の原種で、
ロゼットも花っぽい独特の高級感があります。
また、価格も安めなので…
特にオススメしたいエケベリアになります。
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◆ 基本情報 リラシナ
| 科 | ベンケイソウ科 | 
|---|---|
| 属 | エケベリア属 | 
| 学名 | Echeveria lilacina | 
| 流通名 | リラシナ | 
| - | 
| 生育期 | 秋・春 | 
|---|---|
| 価格帯 | 350 円前後 | 
| 栽培難易度 | ★☆☆ | 
| 増やし方 | 葉挿し | 
| 剪定&挿し芽 | 
リラシナは原種

◎ メキシコ
リラシナは、メキシコ原産の原種です。
交配親としても人気が高く、
数多くのハイブリッドが作出されています。
夏に紅葉するタイプ

種小名の「lilacina」は、先頭にライラックが文字が含まれています。
葉色は、パウダーで白っぽい感じですが、
気温が高くなるほど…
パープル系(ライラック)の発色が目立ちます。
紅葉の葉色は不安定
紅葉しやすいのは夏ですが、肥料の有無や…
水やりの加減、陽射しの当たり方によっても異なります。
そのため、春や秋のほうが紅葉する場合もよくあります。
ネット販売
| - | |
| ストア内検索:リラシナ | |
※ 売り切れの場合あり
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◆ 季節の変化
夏
 
▲ 7月上旬
 
▲ 8月下旬
| 葉色(肥料・並) | 淡いブルーグリーン | 
|---|---|
| 葉色(肥料・少) | 淡いブルーグリーン | 
| エッジの色 | ほぼ葉色と同様 | 
| 爪の色 | ピンク系 | 
| ロゼット | ピンク系 | 
| 備 考 | 陽当たり・肥料の有無で紅葉しやすい | 
冬
 
▲ 12月上旬
 
▲ 2月下旬
| 葉色(肥料・並) | 淡いブルーグリーン | 
|---|---|
| 葉色(肥料・少) | 淡いブルーグリーン | 
| エッジの色 | ほぼ葉色と同様 | 
| 爪の色 | ほぼ葉色と同様 | 
| ロゼット | 丸まりやすい | 
| 備 考 | - | 
リラシナの花


春にピンク(オレンジ)の花を咲かせます。
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◆ 購入時の写真と
1年後の比較
購入時の写真


購入日:2019/8 7.5cm ポット
夏に購入した「カクトロコ」さんのリラシナ。
エケベリアの中では薄めの葉をしており、
パウダーも強めなので、いつも白っぽく見えます。
夏の紅葉が特徴ですが、派手に色付く感じではありません。
約1年後の様子


栽培から翌年の春(5月)に蒸らしてしまい、
微妙なロゼットの状態です。
涼しいイメージの5月でも、
真夏日になるケースが増えてきたので油断できません。
◆ 1年間で行った、主な作業
- 植替え
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◆ 夏と冬の管理目安
冬の管理(屋外)
| 弱い -3℃まで | 強い -5℃まで | とても強い 凍害なし | 
|---|---|---|
| - | 〇 | - | 
多肉植物全体で比べると「強い」タイプ。
目安としては「-5℃」までなら、凍害の影響はなし。
これより低下すると、多肉植物によっては…
一部が凍結したり、全体が凍結し枯死する可能性が高まります。
霜除け & 風除けは必須
屋外での管理では「霜除け&風除け」は必須です。
どちらかが未設置の場合では、上記の管理気温まで耐えられず…
霜害や凍害によるダメージを負いやすくなります。
梅雨 & 夏の管理
| ▼ 遮光率 | ▼ 水やり | |
|---|---|---|
| 梅雨入り ~ | 20~50% | 控えめ | 
| 梅雨明け ~ 9月中旬ころ | 50% | 控えめ | 
※ 遮光率 & 水やりは、目安としてお考えください。
※ 水やりは、多肉の状態を確認しながら調整ください。
注意ポイント
遮光
風通し
病気・害虫
雨ざらし
徒長(水やり)
高温(猛暑日)
高温・乾燥に強いタイプ。
水やりは「量 or 回数」を減らすのが安全。
ロゼットに水滴が残ると、蒸れやすいので…
遮光を行い、雨ざらしも避けたほうが無難です。
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◆ 栽培メモ
1. 強健で育てやすい
暑さ・寒さ、病害虫にも強いタイプで、
育てやすいエケベリアです。
また、葉挿しも得意なタイプかと思います。
蒸れる場合もあり

リラシナだけに限ったことではありませんが、
排水しにくい形状のエケベリアでは、
ロゼットの隙間(特に株元)に水滴が残ると、蒸れる確率が上昇します。
2. 発根は遅れる場合もある

▲ 胴切り後の様子

▲ 胴切りから2ヵ月

▲ ちょうど発根を確認
こちらも、リラシナだけではありませんが、
挿し穂の発根は遅れる場合もあります。
通常は2週間~1ヵ月ほどですが、
2ヶ月ほどかかっても不思議ではありませんし、
発根しないまま枯れることもありません。
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◆ 栽培記録
2019.7 ~
主な栽培環境
● 陽当たり(晴天時)
5~7時間程度 / 1日
● 遮光(目安)
| 期 間 | 遮光率 | 
|---|---|
| 4月上旬 ~ 梅雨明け | 約20% ~ 約50% | 
| 梅雨明け ~ 10月上旬 | 約50% | 
| 10月上旬 ~ 11月下旬 | 約20% | 
| 11月下旬 ~ 4月上旬 | なし | 
● 雨対策 有り
年間を通して、基本的に雨で濡れることはありません
● 凍害(霜・風)対策 有り
冬季の夜間は、基本的に霜・風に当たることはありません
使用する土、肥料、農薬
● 植替えの土
多肉植物の土【プロトリーフ】
(※ 元肥を含む)
● 追肥(目安)
植替えから1年後に適量
● 殺菌・殺虫剤(目安)
| 薬剤名 | 使用量 | 
|---|---|
| オルトランDX粒剤 | 毎年、春に1回 | 
| ダコニール1000 | 毎年、軽く散布 | 
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2019-夏
栽培記録
7月下旬 リラシナを購入


▲ 7.5cm ポット 250円
園芸店で購入した「カクトロコ」さんのリラシナ。
まだ、肥料が残っているようで、
全体的にもゴツゴツとした感じです。
8月下旬 夏の様子


夏はいつも通り、雨や直射日光に注意して管理します。
水やりの際は、なるべく葉と葉の間に…
水滴が残らないほうが、蒸れる確率を軽減できます。
病気・害虫には強い
病害虫には強いようで、
オルトランだけでも十分かと思います。
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2019-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2019
10月上旬 あまり変化なし


だいぶ、涼しくもなってきましたが…
ここでも大きな変化はなく、
順調といえば順調に育っています。
秋の植替え


見た感じでは、まだ植替える必要もありませんでしたが、
他の多肉と一緒に植え替えていました。
(表面のみ鹿沼土、中は培養土)
11月中旬 引き続き、順調

気温が下がり、フォルムは徐々に締まってきそうな気配です。
それ以外、大きく変わった様子はありません。
冬 シーズン / 2019
1月上旬 冬の様子

グリーンっぽい葉色にも見えますが、
陽射しの強弱になります。
天気や明暗によって、ブルーやグリーンにも映ります。
寒さには強いタイプ
耐寒性としては寒さに強いタイプなので、
「-7℃」くらいなら耐えてくれると思います。
できれば「-5℃」までのほうが安心です。
2月下旬 柔らかい感じに…


購入時と比べると、葉の枚数が増え…
ロゼットのフォルムも、柔らかくなった感じがします。
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2020-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2020
5月中旬 葉が蒸れる


まだ5月ですが、ゲリラ豪雨からの晴天&遮光忘れで、
下側の葉が蒸れてしまったようです。
幸い、幹へのダメージが無かったので助かっています。
生き残った状態

幹が短いエケベリアでは、他の多肉と比べると…
圧倒的に蒸れやすく、
春~秋までは常に注意する必要があります。
6月上旬 葉色が変わる


ロゼットは微妙ですが、葉色はリラシナを感じさせます。
やはり、冬より夏のほうが…
このエケベリアの魅力は高まります。
夏 シーズン / 2020
8月下旬 1年後のリラシナ


春のアクシデントが無ければ、
綺麗なロゼットに仕上がっていたと思います。
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2020-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2020
10月下旬


動きが少なく微妙な状態が続きます。
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冬 シーズン / 2020
12月上旬


12月になっても変わらずの状態です。
2月上旬


せっかくの多肉シーズンでしたが、
春の影響を引きずったのか、冴えない結果となりました。
なかには、このようなケースもあるので仕方がありません。
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2021-春~冬
栽培記録
春 シーズン / 2021
4月上旬 ミニサイズへ


外葉が完全に枯れて、バランスはよくなりました。
ただ、肥料も完全に切れてしまったようで、
花芽もかなり背が低く、すべてがミニサイズです。
春の植替えを行う

▲ 7.5cm ポット
植替え時の写真を、撮り忘れてしまいましたが、
ここで植替えを行っています。
6月中旬


成長期と肥料の効果もあって、
リラシナらしいフォルムを取り戻しつつあります。
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夏 シーズン / 2021
8月下旬 復調のリラシナ



まだ小ぶりですが、ロゼット・葉色ともに…
いい感じに調子を取り戻してくれました。
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秋 シーズン / 2021
10月上旬

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冬 シーズン / 2021
12月中旬

2月中旬


やはり、夏をよい状態で越すと、
秋~冬にかけて綺麗なロゼットを長く楽しめます。
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2022-春~冬
栽培記録
春 シーズン / 2022
5月上旬 開花&植替え


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夏 シーズン / 2022
7月上旬

8月下旬

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秋 シーズン / 2022
10月上旬


10月上旬 葉挿し

▲ 1ヶ月後の様子(11月)

▲ 2ヶ月後の様子(12月)
葉は大きめですが、簡単に取れるエケベリアです。
2ヶ月ほど待ちましたが1枚のみの成功となりました。
おそらく、葉挿しは得意なタイプだと思いますので、
繰り返し試せば、成功率は変わってくると感じます。
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冬 シーズン / 2022
12月上旬 葉の垂れ下がり


10月頃から薄々と感じていましたが、
なぜか、あまり水を吸っていません。
そのため、下葉が垂れ下がりシワも目立っています。
2月下旬


定期的に水を与えても、一向に改善する雰囲気がありません。
冬でも普通に水を吸いますが、今回のケースは謎です。
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最終更新(’23.8)
春 シーズン / 2023
3月中旬 胴切り


なかなか水を吸わないので、
株のチェックを含めて胴切りしています。
特に問題なし


幹や葉、根っこにも異常がなく、もしかすると…
底面給水を続けていれば、吸ってくれたかもしれません。
4月中旬 親株の様子


理由はよくわかりませんが、胴切り後には水を吸い始め、
いつも通り脇芽も伸びてきています。
5月上旬 発根を確認


いっぽうの挿し穂は、水切れが目立っています。
ひっくり返してみると、やっと発根したばかりで、
今回は発根まで2ヵ月ほどかかりました。
底面給水が役立つ

極端に水切れが目立つ場合は、
上から水を与えるより、底面給水のほうが手間が省けます。
常に土が湿るように、受け皿に水を溜めておけばOKです。
水を吸って回復する様子



今回は発根したばかりの株で、根の量も少ないため、
約1ヵ月は底面給水を継続していました。
土は湿りっぱなしでしたが、
特に根が腐ることもなく回復しています。
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夏 シーズン / 2023
6月下旬

8月下旬

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この後の栽培は、繰り返し
 
▲ before
 
▲ after
この後も同じようなサイクルで育ちます。
リラシナは強健な性質で、暑さ・寒さにも強く…
肥料を多めに与えると、大きくも育つエケベリアになります。
また、晩春~晩秋にかけて紅葉しやすいタイプですので、
冬の発色は大人しい感じです。
以上、エケベリア属「リラシナ」の栽培記録でした。
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