この記事は、エケベリア属「ピーチプリデ」の栽培記録です。
ワイドな葉を持つロゼットが特徴で、
暖かみのある淡いグリーンの葉色と、コスパが魅力的です。
いっぽう、寒さに弱いエケベリアとしても知られ…
油断すると真っ先に凍ってしまうため、注意点なども含めて紹介します。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
◆ 基本情報 |
ピーチプリデ
科 | ベンケイソウ科 |
---|---|
属 | エケベリア属 |
品種名 | Peach Pride |
流通名 | ピーチプリデ |
- |
生育期 | 秋・春 |
---|---|
価格帯 | 350円前後 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
増やし方 | 剪定&挿し芽 |
葉挿し(未確認) |
ピーチプリデは交配種
※ 詳細は不明
- 左)パリダ
E. pallida - 右)エケベリア ?
E. ?
詳細は不明ですが「パリダ」の交配種のようです。
パリダは外葉が枯れやすいタイプですが、
ピーチプリデは、その傾向が余り無く…
フォルムが崩れにくいの特徴です。
ネット販売
カクトロコ | 日本花キ流通 |
ストア内検索:ピーチプリデ |
※ 売り切れの場合あり
寒さに弱い理由
▲ 凍害で再起不能のパリダ
ピーチプリデが寒さに弱いといわれる理由は、
親と思われる「パリダ」が寒さに弱いからです。
そのため、凍ったピーチプリデを発見すれば…
もれなくパリダも凍っており、その逆もあります。
パリダ交配種は、凍害に注意
▲ 凍った「白鳳」
ピーチプリデと一緒に、よく紹介されるのが「白鳳」です。
白鳳もまた、パリダが親となっているため…
パリダ交配種は、凍害に注意して管理します。
寒さに弱いエケベリアの特徴
1例となりますが、パリダのように年中グリーン系の葉色で…
ピンクのエッジを持つエケベリアには注意します。
ロゼットの大小は問わず、葉に柔軟性があるのも特徴です。
0℃なら、余裕で大丈夫
寒さに弱いといっても、多肉植物の中での話です。
パリダもピーチプリデも…
「-3℃」までなら、無傷で耐えてくれますし、
寒さに弱いとされる、他の多肉植物でも同様です。
そのため、0℃予報であれば…
屋内に移動させる必要はなく、屋外でも十分に管理が可能です。
軒下での管理や、霜除けの設置は必須
他のグループとの比較
他のグループと比較すると…
セダム属なら「月の王子(黄麗)」や「ロッティ」、
セデベリア属なら「樹氷」や「オレンジドリーム」、
クラッスラ属、カランコエ属、アエオニウム属、コチレドン属では全般です。
他にもたくさんありますが…
これらが寒さに弱いとされるグループや種になります。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
◆ 季節の変化
夏
▲ 7月上旬
▲ 8月下旬
葉色(肥料・並) | グリーン |
---|---|
葉色(肥料・少) | グリーン |
エッジの色 | 葉色と同様 |
爪の色 | ピンク系 |
ロゼット | 日照不足・水やりで広がりやすい |
備 考 | - |
冬
▲ 11月下旬
▲ 2月下旬
葉色(肥料・並) | 淡いグリーン |
---|---|
葉色(肥料・少) | 淡いオレンジ系 |
エッジの色 | 淡いオレンジ系 |
爪の色 | ピンク系 |
ロゼット | 丸まりやすい |
備 考 | - |
・・・
・・
・
◆ 購入時の写真と
1年後の比較
購入時の写真
購入日:2020.3 / 2ポット購入
左の黒ポットは「多肉永遠」さんで、右が「カクトロコ」さんです。
サイズに違いはありますが…
同じ環境で育てれば、同じようなフォルムに揃います。
約1年後の比較
凍害により、黒ポットは再起不能となり…
残ったもう一方も、特大ダメージを負っています。
ピーチプリデは寒さに注意する品種ですが、
それ以外は育てやすいエケベリアになります。
・・・
・・
・
◆ 夏と冬の管理目安
冬の管理(屋外)
弱い -3℃まで |
強い -5℃まで |
とても強い 凍害なし |
---|---|---|
〇 | - | - |
多肉植物全体で比べると「弱い」タイプ。
目安としては「-3℃」までなら、凍害の影響はなし。
-5℃まで下がると一部で凍結がみられ…
-7℃では全体が凍結し、再起不能かと思います。
霜除け & 風除けは必須
屋外での管理では「霜除け&風除け」は必須です。
どちらかが未設置の場合では、上記の管理気温まで耐えられず…
霜害や凍害によるダメージを負いやすくなります。
梅雨 & 夏の管理
遮光(20~50%)
病気・害虫対策
徒長(水やり)
雨ざらし・風通し
高温(猛暑日)
高温・乾燥に強いタイプですが、朝から夕方まで…
丸一日、陽が当たる場合は50%前後の遮光が必要。
水やりは多肉の様子を確認しつつ「量 or 回数」を減らすのが安全です。
雨ざらしはトラブルの原因になりやすい
梅雨~初秋にかけては病気や葉蒸れ、徒長の原因となるため、
雨ざらしの状態を避けるのが無難です。
また、定期的に農薬を散布することで…
病気・害虫の被害も抑えられます。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
◆ 栽培メモ
1. 12月&3月に気を付ける
時期はお住まいの地域によって異なりますが、
余り寒さには強くない品種なので…
冬の前後にやってくる寒波にも気を付けます。
油断していると凍りやすい
暖地 or 寒地以外にお住まいの方は、
だいたい12月下旬~2月下旬が…
凍害に警戒しやすいシーズンだと思います。
そのため、クリスマス前や3月上旬では、
何となく余裕を感じてしまい…
そこに寒波がやってくると、1日で惨劇を目の当たりにします。
2. 幹立ちする品種
販売時点では、茎が見えない場合もありますが、
幹立ちしながら成長します。
長く育てれば脇芽も伸びてきます。
葉挿しは未実施
葉挿しは試してませんが、余り得意なタイプではないようです。
・・・
・・
・
◆ 栽培記録
2019.11 ~
主な記録
植替え | ’21-09 | - | - |
葉挿し | - | - | - |
剪定&挿し芽 | ’21-09 | ’22-10 | - |
● 殺菌・殺虫剤(目安)
オルトランDX粒剤 | 毎年、春に1回 |
ダコニール1000 | 毎年、軽く散布 |
● 病害虫・生理障害
現在まで、大きな病気・害虫・日照不足等の被害はなし
● 植替えの土
多肉植物の土【プロトリーフ】
(※ 元肥を含む)
● 追肥(目安)
植替えから1年後に適量
・・・
・・
・
2019-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2019
11月上旬 ピーチプリデを購入
▲ 150 円(3cm ポット)
最初に購入したのは、カクトロコさんの1寸ポットです。
園芸店やホームセンターでよく見かけます。
お目当ての多肉が、通常の2.5寸ポットで見つからなくても…
1寸ポットシリーズに並んでいることもあります。
1号 = 1寸 ≒ 3cm
7.5cmポットへ植え替え
1寸ポットでは不安定なので、
早々に7.5cmポットへ植え替えています。
ピーチプリデは小さく育てるのもオススメです。
冬 シーズン / 2019
1月上旬 -4℃まで下がる
2019年シーズンは、12月下旬から寒さが厳しくなりましたが、
それでも1月の最低気温は…
「-4℃」ほどで、厳しすぎる冬とはなっていません。
よく観ると、ジワジワときている
後からよく観てみると、葉のエッジが茶色に変色しています。
耐寒性としては、この辺りが限界のようなので…
屋外管理での最低気温は「-3℃」までが安心です。
2月中旬 寒波で凍結
2月ともなると、さすがに寒波は避けらず…
そのまま屋外管理を続けていたため、
特大ダメージを負い、再起不能となっています。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
2020-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2020
3月中旬 追加購入
黒ポットは「多肉永遠」さんで、茶色が「カクトロコ」さんです。
サイズに違いはありますが…
肥料で差が付きやすいエケベリアだと思います。
また、幹立ちもしやすく、脇芽もそこそこ伸びてきます。
5月上旬
・・・
・・
・
夏 シーズン / 2020
7月上旬 初夏の様子
黒ポットは1ポットづつ分けています。
梅雨時では、それなりロゼットが広がりますが、
どんな多肉でも、冬になれば解消されます。
8月下旬 夏の終わり
夏越しは得意なエケベリアだと感じます。
幹立ちしたおかけで、地表面は風通しがよく…
蒸れることは、あまり無いかと思います。
梅雨・夏の管理方法
他の多肉植物と同じく、適度な遮光を行い…
雨ざらしを避けて管理すれば問題ありません。
高温で多湿になる環境は、なるべく避けた方が安全です。
病気・害虫にも強いタイプ
無農薬でも病気には強いと感じます。
害虫はカイガラムシ対策として、
粒剤のオルトランを土に混ざておけば安心です。
・・・
・・
・
2020-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2020
10月上旬 エッジから色付く
秋頃には鮮やかなグリーンから、淡いグリーンへと変わり…
エッジのピンク色も目立ってきます。
・・・
・・
・
冬 シーズン / 2020
12月上旬 淡い紅葉
冬でも大きな変化はありませんが、
外葉は淡いオレンジや桃色に変わり…
温かみのある、グリーンの葉色に変わります。
薄い肥料のほうが、淡くなりやすい
肥料が切れてくると、グリーンが抜けて…
白っぽく見える葉が増えてきます。
12月中旬 寒波の一撃
前々から「ここ1番の冷え込み」と予報されていましたが、
「まだ、12月の中旬だし…」と侮っていたら、
ガッツリとやられてしまいました。
こちらは、残念ながら再起不能
凍ってもグリーンが残っていれば、回復できる可能性があります。
ただ、上の写真のような葉色だと…
どの多肉植物でも再起不能です。
1日でダメになるのが多肉植物
凍害の怖さは、芯まで凍らせてしまうと再生できないことです。
夏に起こる蒸れた状態も、1発で枯れる場合があるので…
常緑の多肉植物では、夏と冬の管理が…
初心者にとっての鬼門とされています。
・・・
・・
・
2月中旬 その後の様子
1度でも大きなダメージを負ったら、春まで回復の見込みはありません。
上の写真のような状態であれば…
枯れてはいませんので、0℃を切らない場所で管理しておきます。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
2021-春~冬
栽培記録
6月中旬 そのまま続行
春になれば徐々に葉が入れ替わり、見た目も回復してきます。
今回は植替えを行わず、そのまま育てていますが…
4月頃に植替えたり、仕立て直しをしてもOKです。
7月中旬
・・・
・・
・
8月下旬
凍結から半年もあれば、ある程度の葉が入れ替わり…
次第に見た目も回復してきます。
9月上旬 植替え&挿し芽
ここで、伸びた脇芽をカットしています。
また、購入から1年半ほど経ったので植替えです。
購入当時と比べると、だいぶ幹立ちしている様子が伺えます。
7.5cmポットへ
カットし脇芽は、すぐに土へ植え付け。
この時期なら、2週間ほど経てば…
発根して根付き始めると感じます。
11月下旬
・・・
・・
・
2月下旬
今年は「-3℃」までに抑えて管理。
無事に2月も乗り切っています。
・・・
・・
・
2022-春~冬
栽培記録
春 シーズン / 2022
3月上旬 春の油断
3月3日に、三度の凍害に遭ってしまいました。
3月に入ると、気分的には春っぽさを感じますが…
雰囲気や季節感に惑わされず、
温度管理を徹底するのが、凍害を防ぐポイントです。
天気予報は気を抜かずチェック
特に3月上旬の最低気温は、地域によって異なりますが…
「-5℃」を下回る場合もあるので、
天気予報は抜かりなくチェックしておきます。
5月上旬
・・・
・・
・
夏 シーズン / 2022
7月上旬
・・・
・・
・
秋 シーズン / 2022
8月下旬
10月下旬 胴切り
脇芽が育ってきたので、より陽を当てるため…
先端のロゼットは剪定しておきました。
葉焼けに注意
大きなロゼットの下にある葉っぱは、陽に慣れていません。
季節は晩秋でも、直射日光に当て続けると…
確実に葉焼けを起こします。
これは、どんな多肉植物でも共通です。
葉焼け対策のポイント
葉焼け対策の考え方としては、
「秋の陽射しなら大丈夫」といった、季節や気温で判断するのではなく、
「葉っぱ1枚単位で、陽に慣れてるか?」を…
基準に判断すると、葉焼けさせる確率を大幅に減らせます。
2月中旬
・・・
・・
・
スポンサーサイト
最終更新 2023 / 10
4月上旬
6月下旬
8月下旬
10月下旬
・・・
・・
・
この後の栽培は、繰り返し
最後のまとめとしまして…
今後も同じようなサイクルで育ちます。
基本的に育てやすいエケベリアですが、凍害に注意して管理します。
また、似たような葉を持つエケベリアも同様です。
増やしたい場合は、剪定して脇芽を作るのが無難かと思います。
以上、エケベリア属「ピーチプリデ」の栽培記録でした。
・・・
・・
・