この記事では多肉植物の高温障害と低温障害について紹介します。
様々な農作物でも聞かれる名前ですが、
多肉植物の場合では、株を枯らせるまでの影響はほぼありません。
逆に葉色が綺麗に見えてしまうため、
個人での栽培では、さほど影響を感じないトラブルの1つとなります。
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症状は葉色が変わる
高温&低温障害は、植物によって違いはありますが、
多肉植物の特徴としては、葉の一部…
または全体から色が抜けてしまいます。
回復しやすいトラブル
障害といっても多肉植物の場合は、葉色が変わるだけで…
2ヶ月ほど経てば、自然と元に戻ります。
そのため、多肉のトラブルの中では、
軽度な部類に入り、その後の生育にも影響はありません。
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◆ 高温障害
▲ 通常の葉色
▲ 障害後の葉色
真夏に発生しやすい高温障害では、葉が黄色っぽく変色します。
そのため、斑入り品種に見えたり…
まったく別の種類に見えることもあります。
上の写真はセンペルビウム
どんな多肉でも障害が起こると思いますが、
なりにくい種類もあるかと思います。
季節斑とは違う
多肉植物にも「斑入りタイトゴメ」などの季節斑タイプがあります。
涼しい期間だけ斑が入る品種で…
夏の間は消えてしまいます。
ですが、季節斑タイプでは正常なサイクルなため、高温障害とは異なります。
「葉蒸れ」とも異なる
▲ 蒸れた状態
夏にかけて起こりやすい「葉蒸れ」とも異なります。
黄色っぽく変色するのは同様ですが、
葉蒸れは透明度があり、すぐに腐ってしまうのが特徴です。
レアな現象?
管理人の環境下では、がっつりと…
全体に高温障害が起こった多肉は、まだ1品種しかありません。
環境によっては、かなりレアな症状なのかもしれません。
高温障害になる条件は謎
障害が発生する条件はいくつかあるようですが、
「葉焼け」や「葉蒸れ」、また「水切れ」をさせずに…
高温障害だけを引き起こす条件は謎です。
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◆ 低温障害
▲ 通常の葉色(2月)
▲ 障害後の葉色(2月)
高温障害とは逆で、厳冬期に起こりやすいのが低温障害です。
こちらは発色が低下し、鮮やかさが失われます。
また多肉特有のグラデーションが消え、単色に見えることもあります。
凍害とは紙一重
▲ 低温障害
▲ 凍害
低温障害は凍害目前のサインとなります。
葉色の変化で気付ければ、葉や株を失うことはありませんが、
一夜で急に冷え込んでしまうと、
低温障害を突破して、一発で凍害になってしまいます。
やや赤っぽくなるケースもあり
▲ before
▲ after
多肉の種類によっては、低温障害や凍害で…
少し赤っぽく変わる場合もあります。
上の写真はサブセシリスというエケベリアですが、
ブルー系の葉色を持ったカンテやラウイなども、こんな感じに変わりやすい傾向です。
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◆ 自然と回復する
障害が発生すると、葉色は変わってしまいますが、
一過性のため、葉の入れ替わりを待たず…
次第に元の状態へと回復します。
高温障害
▲ 8月
▲ 10月
高温障害が起こりやすいのは7~8月頃です。
そこから徐々に回復し、10月頃には元の葉色に戻ります。
重度でも元に戻りやすい
▲ 9月上旬
▲ 10月上旬
▲ 11月上旬
管理人の環境下では、高温障害の事例は少ないのですが、
重度の障害でも元の葉色に戻っています。
低温障害
▲ 2月
▲ 4月
▲ 5月
低温障害が起こりやすいのは1~2月頃です。
高温障害より、回復するまで少し時間がかかりますが、
5月頃には元の葉色に戻ります。
真っ白になっても戻りやすい
上の写真は、レティジアの斑入り品種になります。
斑入りなので、元々クリーム色の面積が多いタイプですが、
それでも、かなり色が抜けてしまっています。
グリーンの葉色が戻ってくる
真っ白の葉になっても、徐々にですが、
淡いグリーンの葉色が戻ってきます。
ほぼ落葉はしない
障害が起こっても、葉蒸れや…
凍害になっていなければ落葉はしません。
そのままのフォルムを保ちます。
耐久性は落ちる
色が抜けている間は、斑入りの状態と同じようで…
直射日光を浴び続けると、
葉焼けする傾向が強いかと思います。
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以上、多肉植物の高温&低温障害の特徴になります。
栽培環境によっては、1度も被害に遭わないトラブルかもしれません。
もしなったとしても慌てる心配はなく、
障害があらわれた後は、負荷をかけずに…
養生して管理すれば、葉色は自然と戻ってきます。
また、見た目も悪くはならないので、
夏・冬のイベントとして鑑賞するのも、1つの楽しみかと思います。