この記事は、グラプトセダム「秋麗【しゅうれい】」の栽培記録です。
多肉植物は「葉挿し」で増やせるタイプが多いのですが…
その中でも「秋麗」は成長が早く、
グングンと大きくなるのが特徴です。
秋麗とは「麗(うらら)かに晴れ渡る秋の日」を指すそうです
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基本情報
グループ | ベンケイソウ科グラプトセダム |
---|---|
流通名 | 秋麗【しゅうれい】 |
品種名 | xGraptosedum ‘Francesco Baldi’ |
増やし方 | 葉挿し / 挿し芽 |
秋麗は、属間の交配種
秋麗は、グラプトペタルム属とセダム属との属間交配種です。
左:グラプトペタルム属 朧月【おぼろつき】
右:セダム属 乙女心
秋麗は、丸っぽくなった朧月といった感じです。
「乙女心」が「玉葉」になると… ブロンズ姫になります。
秋麗シリーズは、主に3つ
流通名 | 属名 | 詳細 |
---|---|---|
❶ 秋麗 | グラプトセダム | 属間ハイブリッド |
❷ だるま秋麗 | Gペタルム か Gセダム | 不明 |
❸ 姫秋麗 | グラプトペタルム属 | 原種 |
「秋麗」の名が付く多肉はいくつかあります。
それぞれを比べてみると、フォルムは全く異なり、血のつながりもありません。
秋麗は、ブロンズ姫とは… 種違いの兄弟になります。
季節の変化
夏 5月~10月くらい
全体的にライトグリーンで、先端は少し赤く色づきます。
冬 11月~4月くらい
▲ 紅葉具合は変わりやすい「秋麗」
秋頃から、徐々にグレーやベージュっぽくなり、
冬には、奇麗なパープル系に色付きます。
発色の仕方は、季節や環境、株の状態により変化しやすい多肉だと思います。
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秋麗の花
撮影日:5月上旬
花の色・カタチは、親の「乙女心」に近い感じです。
交配親の花も紹介
左:グラプトペタルム属 朧月【おぼろつき】
右:セダム属 乙女心
購入時の秋麗
2018.9
購入日:2018/9
「おまかせ多肉セット」に混ざっていた秋麗で、
直径2cm ほどのプラグトレイに植えられていました。
ネットで購入 ※ 売り切れの場合あり |
---|
各ショップの【ストア内検索】で、
「秋麗」と入力すると探しやすくなります。
購入から約1年後の比較
直径2cm ⇒ 直径6cm のポットへ
成長スピードが早いので、小さめの苗でも…
約1年ほどで、そこそこ大きくなります。
2年後の比較
さらに「葉挿し」と「挿し芽」で増やしています。
時間さえかければ… 親指ほどの小さな苗からでも、
どんどん増やしていくことが可能です。
夏と冬の管理目安
冬の管理(耐寒性)
セーフティ | -4℃まで | 水分が多めでも、凍結しない目安 |
リスキー | -4℃まで | 水分が少なければ、凍結しない目安 |
フリーズ | ? | 不明 |
※ 記載した情報は、目安としてお考えください。
※1 なるべく水を控えて、水分が少ない状態で管理しています。
※2 多肉はボックスで囲み霜除けをしています。
※3 年間を通して屋外管理の多肉です。
「耐寒性・強」 屋外管理OK
秋麗は、多肉植物の中でも耐寒性が強いタイプです。
乾燥気味をキープすれば、
最低気温「-7℃」ほどになっても耐えてくれます。
凍結の限界は、わからず
かなり寒さには強い多肉なのですが…
何日も「-5℃」より厳しい寒さで管理しないほうが無難です。
梅雨&夏の管理(耐暑性)
「耐暑性・強」 通常の夏仕様でOK
- 遮光50%(※ 梅雨入り~)
- 風通しのよい場所で
- 水やりの回数は控えめ(※ 多肉の様子を見て判断)
- 殺虫・殺菌剤の散布(※ ベニカ、オルトランなど)
強健種ですが、徒長しやすいのが特徴
▲ 徒長した秋麗
乾燥や耐暑性も強い「秋麗」ですが、徒長しやすいタイプです。
梅雨時の過剰な水やりや、ちょくちょく雨に当ててしまうことで、
グングンと伸びていきます。
茎が伸びるのは仕方ないので、葉の間隔が開かないように注意します。
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栽培メモ
❶ 葉挿しからの成長スピードが早い
多肉植物は「葉挿し」から育てると、
大きく成長するまで2年、3年と必要ですが…
この「秋麗」は1年ほどで、グングンと大きくなります。
「葉挿し」の成功率は100%に近い!
増やしたい場合は「葉挿し」がオススメです。
「秋麗が」属するグラプトセダムは、
葉挿しが成功しやすいグループでなので、初心者でも簡単に増やせます。
❷ 大きさはコントロールできる
秋麗は、大きくなりやすいのですが…
徒長もしやすく、下葉も広がりやすいのが特徴です。
なので、普通に植替えていくと… それなりの大きさに育っていきます。
あえてデメリットを上げれば、場所を取りすぎてしまう事です。
小さなポットで、生育を制限する
▲ プラグトレイのままなら、大きくなりにくい
▲ 紅葉もしやすい
上の写真は「葉挿し」から、1年ちょっと育てている状態です。
プラグトレイのままで管理すると、
元々の土の量が少ないので、保水力が低い状態が続きます。
そのぶん、生育が控えられ、大きくなりづらい反面… 紅葉はしやすくなります。
プラグトレイでの栽培期間は、1年くらいが目途
通常の生育を、抑え込んでいるので…
「葉挿し」でスタートしても、
プラグトレイでの栽培期間は、MAX1年くらいを目途にして、
6cm ポットなどに植替えたほうが、健康的に育つと思います。
❸ 夏頃に、下の葉が広がるのは仕様
▲ 7月上旬の様子
▲ 5月下旬の様子
▲ 12月下旬の様子
夏前になると… 下の葉が大きく広がります。
冬になると、下葉にシワが寄って、徐々に枯れていきますが、
秋麗の通常のサイクルなので、問題ありません。
栽培記録
2018.9 ~
主な記録
繁殖
方法 | 回数 | 時期 | 成功率 |
---|---|---|---|
● 葉挿し | 3回 | 秋 | 100% |
● 挿し芽 | 3回 | 秋 | 100% |
非常に繁殖力が強く、涼しい時期の「葉挿し」なら簡単に成功します
病害虫・生理障害
現在まで、病気・害虫・日照不足等の被害はなし
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2018-秋・冬
栽培記録
9月上旬 秋麗を購入
▲ 秋麗は、〇の中
秋麗を買ったというより…「おまかせ多肉セット」の中に混じっていました。
この頃は、まったく多肉の知識がなく…
お試し程度に購入したのが懐かしく思えます。
右隣は、セダムの「乙女心」で秋麗の親になります。
セット商品より、単品がおすすめ!
今、思うと… セットではなく単品で購入するのがおすすめです。
秋麗の場合… 単品で購入すれば、
直径7cm 前後のポットに3株ほど植えられています。
上の写真の「秋麗」より、大きく育っているので見栄えもいいと思います。
9月中旬 なんとなく… 植替え
この頃は、育て方がまったく分からなかったので、
なんとなく、大きなポットに植え替えています。
「葉挿し」と「挿し芽」に挑戦
気が変わり…「葉挿し」と「挿し芽」にチャレンジです。
上の写真のような「秋麗」なら…
「葉挿し」と「挿し芽」に移行するほうがオススメです。
10月上旬 発根を確認
▲ カットから3週間後くらいの様子
発根は、カットから10日ほどで確認しました。
カットして、スグに土へ植える場合は…
切り口を1日ほど乾燥させて、約2週間後の水やりでOKです。
摘んだ葉っぱの様子
▲ 約2週間で発根を確認
ほとんどの葉で、先に発根し… 後から発芽を確認しました。
今回は、6枚すべてが大きく育っています。
10月中旬 ポットへ植える
▲ 6cm ポット
前回から1ヵ月ほど経過した状態です。
なかなかのブサイクですが…
秋麗(グラプトセダム全般)は、ここからでも見栄えの良い状態に持っていけます。
葉挿しの植え付け
秋麗は葉も大きく、根もゴチャゴチャしていないので、
比較的、植えやすいと思います。
今回の土は、市販の培養土「多肉植物の土」のみを使用
ポットは、もっと小さくてOK
どんなポットが適しているのか… 分からなかったので、
今回もオーバーサイズのポットへ植えています。
プラグトレイなどで十分
▲ プラグトレイの状態(※ 別の秋麗)
「葉挿し」の初期段階では、それほど根っこが伸びていないので、
底の深さが3cm くらいのプラグトレイなどで十分です。
サイズオーバーのポットは、土の量が増えて保水性も上がるので…
水やりに慣れていないと、徒長させやすくなります。
植え付け後は、日光に慣らす
この段階では、苗も小さく… 日光にも慣れていないので、
遮光(50%ほど)して、1週間ほど慣らします。
今回の場合は、12月上旬まで遮光しています
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11月下旬 少し大きくなる
▲ 約2ヶ月後の様子
葉が大きいせいか… 芽も大きくなり、
陽当たりがいいと… ほんのりピンク色に染まります。
冬 シーズン / 2018
※ 写真の撮り忘れです。
2019-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2019
3月上旬 順調に成長する
▲ 挿し芽の様子
全体的なバランスは、まだまだイマイチですが…
先端部分は見違えるほど「秋麗」らしい姿になってきました。
葉挿しの成長具合
「葉挿し」の秋麗も、順調です。
若干… 大きさや色が異なりますが、陽当たりの問題だと思います。
成長するに従い、だいたい同じカタチになってきます。
隙間に挿したのは、セダムのオーロラ
ポットに隙間があったので…
同時期に育てていた葉挿しからの「オーロラ」を植えました。
特に、意味はありません。
5月上旬 巨大化する「葉挿し」の苗
▲ 開始から約8ヵ月後の様子
前回の3月の写真と比べると、サイズアップがハッキリとわかります。
3月くらいから、だんだんと成長してきますが、
どの多肉植物も、4月下旬から7月上旬くらいが、大きくなりやすいと感じます。
夏 シーズン / 2019
7月上旬 さらに成長
▲ 約10ヶ月後の様子
昨年の秋にカットした「挿し芽」ポットも、
春から成長を続け、だいぶ… しっかりとしたフォルムになりました。
葉挿しもパワフルに巨大化
5月から2ヶ月弱ほどで、2倍くらい… 大きくなったように感じます。
ちなみに、親の「朧月【おぼろつき】」も、スグに大きくなります。
「多肉植物の土」(培養土)の効果もあると思う
土の選択は好みですが、
培養土を適度に使ったほうが、大きくしやすいと感じます。
その反面… 紅葉は遅れがちになります。
上の写真は、見栄えのため… 表面だけ「鹿沼土」を使用
8月上旬 葉が、横に広がる
梅雨~夏にかけても、大きくなりました。
特に、親の朧月のように葉がサイドに伸びたのが印象的です。
下の葉が伸びるのは… 仕様
秋麗は、夏頃から下側の葉が伸びてきます。
大雑把といえば… 大雑把なフォルムになるので、
できる事なら… 広い庭で豪快に展開させたほうが、似合うと思います。
「挿し芽」&「葉挿し」の比較
親指ほどの小さな苗から育てきた結果…
1年で… どちらも、ほぼ同じ大きさになり、
茎の太さも、ほとんど変わりません。
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2019-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2019
10月中旬 ほんのり… 紅葉
今までと比べて若干ですが…
葉っぱ全体が薄い紫色へ色づき始めました。
ビニールポットの苗は、仕立て直し
▲ カットして、仕立て直し
頭が重く、ポットが転びやすいので仕立て直しました。
面倒な場合は、がっしりとしたプラポットに、
ビニールポットのまま入れておけば、安定性が増します。
1日ほど乾かして、ポットへIN
今回… カットした穂は、スグに植えています。
少し発根もしているので、水やりはいつでもOKです。
さらに増やした場合は… 葉を取って「葉挿し」用に回します。
11月下旬 紅葉は、まだまだの状態
▲ この葉色も、奇麗ですが…
培養土100% + オーバーサイズのポットで育てたので、
適度な陽当たり & 11月下旬でも、赤みが不足しています。
紅葉しない場合は… 植替えを行わずに、来年の秋まで管理します
冬 シーズン / 2019
1月中旬 葉のシワが目立つ
ここにきて… 下葉のシワが目立ってきました。
これは寒さの影響ではなく…
ただの寿命で、通常のサイクルです。
枯れきるまで、取らないほうが良い
下の葉にシワが寄ってきた場合は… 枯れきるまで待ちます。
シワが寄ってきても、その葉っぱ自体は、
自身の水分や栄養分を、茎に戻すので、
水やりを控えても… 新しい葉が育ちやすくなります。
2月中旬 「-7℃」 まで下がる
今シーズン、一番冷え込んだ「-7℃」でも、
秋麗の 花芽 & 葉 に、凍結した様子はありませんでした。
水を控えていれば… かなり、寒さには強い多肉植物です。
何日も、寒さが厳しい場所に置かないほうがよい
今シーズンは、1日だけ「-7℃」となりました。
もし、連日「-5℃」より冷え込むようでしたら、
夜間だけは、室内等へ移動させたほうが無難だと思います。
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