この記事は、エケベリア属「野バラの精」の栽培記録です。
育てやすい多肉は、いくつもありますが…
「野バラの精」もその1つで、
1年を通して育てやすく、赤い爪が特徴のエケベリアになります。
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◆ 基本情報 |
野バラの精
科 | ベンケイソウ科 |
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属 | エケベリア属 |
流通名 | 野バラの精 |
品種名 | Nobara-no-sei |
生育期 | 秋・春 |
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価格帯 | 300 円前後 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
増やし方 | 葉挿し |
カット&挿し芽 |
「野バラの精」は交配種
- ♀ E. spec nov. Zaragoza
- ♂ E. derenbergii
(クスピダータ)サラゴーサ系と、
デレンベルギー(静夜)のハイブリッド。
どちらかというと… 前者寄りのフォルムで、赤い爪が特徴です。
ネット販売
カクトロコ | - |
ストア内検索:野バラの精 |
※ 売り切れの場合あり
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◆ 季節の変化
夏 6月~10月
▲ 7月の様子
▲ 8月の様子
葉色(肥料・並) | 淡いグリーン |
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葉色(肥料・少) | 淡いグリーン |
エッジの色 | 葉色と同様 |
爪の色 | レッド |
備 考 | - |
冬 11月~3月
▲ 10月の様子
▲ 12月の様子
▲ 2月の様子
葉色(肥料・並) | 淡いグリーン |
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葉色(肥料・少) | 白っぽいグリーン |
エッジの色 | 葉色と同様 |
爪の色 | レッド |
備 考 | - |
野バラの精の花
撮影日:5月上旬
花の色は、デレンベルギー寄りでオレンジ色の花を咲かせます。
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◆ 購入時の写真と
1年後の比較
購入時の写真
購入日:2018/11 7.5cm ポット
園芸店で購入した、カクトロコさんの野バラの精。
7.5cm ポットに植えられ、300円前後の価格帯です。
約1年後の様子
約1年で、ロゼットの大きさは2cm ほどアップ。
また、葉の枚数も増えて、
全体的にボリュームアップしています。
背が伸びる場合もあり
上から見ると、サラゴーサに近い感じですが、
横から見ると…
デレンベルギーっぽい特徴になる場合もあります。
ドーム状のロゼットに仕上げたい場合は、
定期的に、仕立て直したほうが良いと思います。
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◆ 夏と冬の管理目安
冬の管理(屋外)
弱い -3℃まで |
強い -5℃まで |
とても強い 凍害なし |
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- | 〇 | - |
多肉植物全体で比べると「強い」タイプ。
目安としては「-5℃」までなら、凍害の影響はなし。
これより低下すると、多肉植物によっては…
一部が凍結したり、全体が凍結し枯死する可能性が高まります。
霜除け & 風除けは必須
屋外での管理では「霜除け&風除け」は必須です。
どちらかが未設置の場合では、上記の管理気温まで耐えられず…
霜害や凍害によるダメージを負いやすくなります。
梅雨 & 夏の管理
遮光(20~50%)
病気・害虫対策
徒長(水やり)
雨ざらし・風通し
高温(猛暑日)
高温・乾燥に強いタイプですが、朝から夕方まで…
丸一日、陽が当たる場合は50%前後の遮光が必要。
水やりは多肉の様子を確認しつつ「量 or 回数」を減らすのが安全です。
雨ざらしはトラブルの原因になりやすい
梅雨~初秋にかけては病気や葉蒸れ、徒長の原因となるため、
雨ざらしの状態を避けるのが無難です。
また、定期的に農薬を散布することで…
病気・害虫の被害も抑えられます。
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◆ 栽培メモ
1 育てやすい強健なエケベリア
エケベリアは基本的に強健なのですが、
野バラの精も、その1つになります。
耐寒性、耐暑性も高く、手の掛からないタイプです。
2 「葉挿し」でも増やせる
こちらも…「野バラの精」に限った事ではありませんが、
「葉挿し」からでも増やせます。
状態がよいの葉を使い、暖かい季節なら… 成功率は上昇します。
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◆ 栽培記録
2018.11 ~
主な記録
植替え | ’19-10 | ’21-04 | - |
葉挿し | ’19-11 | ’20-03 | - |
挿し芽 | - | - | - |
病害虫・生理障害
カイガラムシ | ’21-10 | - | - |
2018-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2018
11月上旬 「野バラの精」を購入
▲ 7.5cm ポット / 250円
店頭に並んでいる時は、これくらいのサイズだと思います。
厳冬期では… タグにプリントされているような、
引き締まった株になりやすくなります。
子株付き
よく見ると… 奥に小さな株が潜んでいます。
株(ポット)によって、
子株の有無にも違いがあります。
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冬 シーズン / 2018
※ 写真を撮り忘れました。
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2019-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2019
3月中旬 花芽が伸び始める
冬の間もジワジワと成長を続け、だいぶ立派になっています。
エケベリア属の多くは、
12月~2月頃になると、花芽が目立ってくる傾向です。
5月中旬 野バラの精 開花
花の様子は、デレンベルギー(静夜)に近い感じで、
奇麗なオレンジ色です。
見飽きると… カットされる傾向
花芽は、そのまま成長させて問題ありませんが、
ロゼットが変形したり、栄養を持っていかれるので、
開花前にカットする場合もあります。
この野バラの精は、全部で5ヵ所から花芽が伸びましたが…
2ヵ所だけ咲かせて… 後はカットしています。
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夏 シーズン / 2019
7月上旬 夏の姿へ…
気温が高くなってくると、
エケベリア属の多肉は、ロゼットを広げやすいくなります。
おそらく… 暑さ対策のための性質だと思います。
8月下旬 元気に過ごす
野バラの精は、梅雨から夏でも育てやすく感じます。
暑さ、乾燥にも強いので…
水やりも、控え気味(月1~2回ほど)で大丈夫です。
害虫・病気の被害も無し
アブラムシ、カイガラムシといった害虫被害は見られませんでした。
春頃にオルトラン等の散布をおすすめします。
背が伸びる場合もある
親のデレンベルギーのように、背が伸びる場合もあります。
横から見ると… ちょっとブサイクなので、
仕立て直してもよいかと思います。
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2019-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2019
10月中旬 植え替え
購入から1年が経つので… ここで植え替えました。
ですが、株を様子を観てから判断してもOKで、
無理に植替える必要はありません。
9cm ポットへ植え替え
ロゼットをドーム状にするため、
下側2段の葉を取り除いています。
横からの見た目は… 少しバランスがよくなったと思います。
葉挿し と 株分け
購入当時から付いていた小さな子株は、
意外と大きくは成長しなかったので、別ポットに分けしました。
また、取り除いた葉は「葉挿し」に回します。
葉挿しは、不発
今回… 親株から取った葉は、
シワも多く、いかにも寿命っぽい感じでしたので、
すべて不発で終わりました。
葉挿しの成功率を上げるには、元気な葉を使用します。
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冬 シーズン / 2019
1月上旬 若干… 冬顔へ
夏に比べると、グレーや蒼っぽい葉色になります。
また、夏とは反対に…
寒さ対策で、ロゼットの中心ほど丸まってきます。
2月中旬 -7℃ でも凍らず
1月から氷点下が続きはじめ、
2月中旬に「-7℃」を記録しました。
それでも、まったく寒さを寄せ付けない感じがします。
爪は、ダメージを受けた様子
写真ではわかりずらいのですが…
爪が枯れた葉もあるので、
-7℃辺りが、限界なのかもしれません。
子株もセーフ
株分けした子株もセーフでした。
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2020-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2020
3月下旬 「葉挿し」リトライ
▲ 下2列ほどを取る
今回は、昨秋とは異なり…
フレッシュな葉を使って「葉挿し」にチャレンジです。
ポットから抜いたほうが簡単
野バラの精のような、葉がギッシリと詰まったタイプは…
ポットに植えたままだと外しにくいので、作業の際は抜きます。
それでも… 最初の1枚…2枚は、
取りにくいので、失敗しても仕方がありません。
その後は、指が入るスペースができる為、外しやすくなります。
ボリューミーなロゼットを維持
葉の枚数が多いエケベリアなので、
下から2段までを取っても…
見た目の印象は、さほど変わりません。
4月中旬 「発芽 & 発根」 を確認
取り除いた葉は、土には植えず…
日陰に置いて様子を見ています。
その後、約2週間ほどで「発根 or 発芽」を確認しました。
5月下旬 葉挿しの様子
そのまま2ヵ月ほど放置した状態です。
親の葉が元気なら…
すぐに植えなくても大丈夫ですが、
根が乾いてチリチリになりそうなら、早めに植えます。
また、根が伸び過ぎると… 植え込むのが手間になります。
8割が成功
発根が先行しても… 発芽が先行しても…
1ヵ月もあれば、だいたい両方が揃います。
どちらかの場合もよくありますが…
今回の野バラの精は、約8割が「発芽と発根」を確認しています。
100均の木箱に植える
植える容器は、下から水が流れれば何でもよいのですが…
今回は、塗装した100均の木箱に植えました。
葉挿しで育てる場合… 容器の高さは3~5cm ほどで十分です。
土は市販の「多肉植物の土」
使用する土は、ホームセンターなどで販売されている、
「多肉植物の土」がおすすめです。
肥料も適度に含まれているので、綺麗に育ちます。
屋外へ移動
ここから、屋外管理へ移行です。
まずは、丁寧に遮光をして… 陽に慣れさせます。
直射日光に当てすぎてしまうと、
葉焼けするので注意して管理します。
水やりも開始
水やりは、親葉に水分が残っているうちは不要ですが、
根っこの乾燥を防止するために、適度に与えています。
6月下旬 順調に成長
根も十分に張って、
特に問題もなく元気に育っています。
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夏 シーズン / 2020
8月下旬 野バラの精らしく成長
▲ ロゼットのサイズは1.5cm ほど
親株に比べると… ミニミニサイズですが、
姿カタチは、野バラの精です。
夏の間でも、それなりに大きく育ちます。
分頭しやすく、多頭もできる
葉挿しから育てても、
頭が2つや、2つ以上に別れることがあります。
親株は、いつも通り
春には、再びオレンジ色の花を咲かせ、
2回目の夏も、病害虫には見舞われず…
相変わらずの強健っぷりで育っています。
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2020-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2020
11月上旬 2年目の秋
大きな変化はありませんが、
季節も11月上旬ということで、冬顔に移りつつあります。
葉挿しの様子
こちらも、健康的に育っていますが、
なかには、育ちが悪い苗も見当たります。
赤い葉は、警告サイン
元々、紅葉で赤くなる多肉もあれば…
水切れ・肥料切れといったストレスで、赤くなる多肉もあります。
これらを区別するのは、経験が必要なのですが、
上の写真の場合では…
小さな赤い苗は、水が吸えていない状態です。
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冬 シーズン / 2020
12月中旬 寒波強襲で凍る
まだ、12月中旬ですが…
-7℃ほどの寒波で、中ダメージを負いました。
葉挿しの苗は、半分くらいの数が枯れています。
親株は、小ダメージ程度…
大きく育った親株なので、耐久力はあるようです。
パッと見では、凍結のダメージは確認できません。
2月中旬 ダメージが表面化
凍結から時間が経ち… じわじわとダメージが顕在化してきました。
外側の葉は、綺麗なピンクに発色しましたが、
「野バラの精」の場合では… 警告サインです。
今回は、凍結によるダメージで、ピンク色の葉に変わっています。
これ以上、寒さに当ていないよう対処
ピンクの葉色は一過性のもので、次第に枯れていきます。
これ以上、被害を拡大させない為にも、
強烈な寒さに当てないよう気を付けて管理します。
子株は、戻らずに凍死
寒さには強いタイプのエケベリアですが…
ダメージが大きかったらしく、
再び、戻ることはありませんでした。
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2021-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2021
4月上旬 春の植替え
栄養補給も兼ねて、ここで植替えです。
根と花芽は元気で、
花芽は毎年のように伸びてきます。
7.5cm ポットへ
まだ、下側の葉が枯れていきますが…
今後は、復調していきます。
葉挿しは、継続
生き延びた「葉挿し」の苗は、そのまま育て続けます。
こちらも栄養補給として、
液肥を2回ほど使っています。
6月中旬 復調の気配
どちらも、ダメージを負った葉がなくなり、
正常な状態に戻り始めています。
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夏 シーズン / 2021
8月下旬 完全に復調
春から夏の暖かい季節は、よく育ちます。
ここまで戻れば、特に心配もありません。
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2021-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2021
10月中旬 怪しい…葉挿し
ここまで、順調に回復してきた「葉挿し」の苗ですが、
急に… 水を吸わない状況となりました。
そのため、葉は柔らかくシワも増え、
エッジには、赤い警告サインが目立っています。
根が、だいぶ無くなっている…
苗のサイズからして…
そこそこ根が張っているはずですが、
土から抜いてみると、ほとんど消えている状況です。
カイガラムシ 発見
今回のカイガラムシ達は…
葉の表面には1匹も確認できないステルス型で、
茎の根元と、やや土に潜った状態で大量に発見しました。
オルトランに漬け込んで処置
目視でカイガラムシを取り除き、
念のため… オルトランを溶かした水に漬け込んでいます。
管理人は、よくオルトランの散布を忘れますが、
なるべく使ったほうが、被害に遭いません。
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冬 シーズン / 2021
12月上旬 葉挿し苗 復活
カイガラムシを退治してから、プラグトレイに植替え、
1ヶ月ほど経過した状態です。
発根して水を吸えたようで、シャキッとした葉が戻ってきました。
親株は、綺麗な冬顔へ
淡いグリーンに赤い爪が映えます。
オーソドックスなタイプですが、
いつ見ても飽きの来ないエケベリアです。
◆ 最終更新 2022.2
2月下旬 グレーっぽい葉色へ
早くも、肥料が切れてきたせいなのか…?
グレーっぽい葉色になっています。
昨年の凍害とは異なる発色の仕方で、ロゼット全体が均一に色付いています。
また、急激に葉が枯れることもありません。
葉挿しも同様
葉挿しの苗も、今年は凍らずに育っています。
この後は、ポットへ移して大きく栽培したり、
小さいまま寄せ植えのパーツとして使ってもよいと思います。
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以上を持ちまして、
エケベリア属「野バラの精」の栽培記録を終了します。