この記事は、センペルビウム属「ガゼル」の栽培記録です。
植物にクモの巣が引っかかっているのは、よく目にしますが、
このガゼルは、自分で糸を巻きながら大きくなります。
数ある多肉植物の中でも、特殊なタイプなので、育ててみるのも面白いと思います。
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基本情報
グループ | ベンケイソウ科センペルビウム属 |
---|---|
流通名 | ガゼル |
品種名 | Sempervivum arachnoideum ‘Gazelle’ |
増やし方 | 株分け |
生育期 | 春・秋(冬に近い) |
---|---|
価格帯 | 300円前後 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
ネット販売 | - |
ガゼルは「巻絹」の栽培品種
学名からすると… ガゼルは巻絹【アラクノイデウム】の栽培品種っぽいです。
巻絹は、ネット上でしか見たことがないので、
両者の違いはよくわかりませんが、
パッと見は… そっくりで、ネームプレートがないと見分けがつかないと思います。
アラクノイデウム【arachnoideum】は、ラテン語で「クモの巣のような」という意味になります。
糸を巻くセンペルビウムは、他にもある
▲ アラクノイデウム「クレアチン」
サイズや紅葉具合に差がありますが、
糸を巻くセンペルビウムは、いくつかあります。
上の「クレアチン」という品種も、元の種は「ガゼル」と同じです。
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季節の変化
夏 5月~10月くらい
夏は、全体的にグリーンです。
葉も外側へ開き気味になる傾向です。
グルグル巻きの場合もある
▲ 2年目の様子
もしかすると、長期で栽培したほうが、
夏でも、糸でグルグル巻きになるかもしれません。
冬 11月~4月くらい
1、2月の寒さで紫色に紅葉し、
暖かくなるにつれ… その紫色が退色してグリーンが目立ってきます。
葉の間も詰まってきて、トレードマークの糸もモリモリです。
氷点下の寒さにさらすことで、全体が濃い紫色になります。
夏と冬の管理目安
冬の管理(耐寒性)
「耐寒性・超強」屋外管理OK
▲ 「-30℃」& 霜当てOK
センペルビウム属は、優れた耐寒性の持ち主で「-30℃」まで凍結しないようです。
また、霜に当てても無傷で…
寒さが厳しいエリアでも、1年を通して屋外管理が可能です。
梅雨&夏の管理(耐暑性)
遮光は50%以上で、涼しく管理
- 遮光50%以上(※ 梅雨入り~)
- なるべく、風通しのよい場所に置く
- できるだけ、雨に当てない
- 水やりの回数は控えめ(※ 多肉の様子を見て判断)
- 殺虫・殺菌剤の散布(※ ベニカ、オルトランなど)
直射日光は、避けて管理する
▲ 長期の直射日光では、糸も焼けてしまう
夏は、劇的に弱いという訳ではありませんが、
あまり得意ではないようです。
5月くらいから、遮光をしてもよいくらいなので、
夏は、できるだけ涼しくて、乾燥気味に管理するのが無難です。
害虫には、好まれやすい
※ 別のセンペルビウム
センペルビウム全体で「アブラムシ」と、
「カイガラムシ」に好まれやすい感じがしますので、
春から夏に、ベニカやオルトラン等の散布がオススメです。
ただ… ガゼルなどの糸巻タイプのセンペルは害虫被害を受けにく気がします。
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購入時のガゼル
購入日:2018.10 6cm ポット
園芸店で購入した「優木園」さんのガゼルです。
やはり目を引くのは糸で、見慣れてしまうと特別な感じはしませんが…
初見は、見入ってしまうかもしれません。
購入から約1年後の比較
夏で、失敗した感じです
購入から半年後までは絶好調でしたが…
子株を量産した頃から、あまり調子が上がりませんでした。
夏の管理ミスもあったので、もう少し上手く育てられると思います。
親株の状態はイマイチでも… 子株は増えると思います
栽培メモ
センペルビウム属 共通
❶ 子株が増えやすい多肉
センペルビウムは、子株がたくさん付き、
ランナーと呼ばれる細い茎で繋がっています。
親株を奇麗に育てる場合は、子株は制限する
子株を、たくさん付けると…
その分だけ、栄養を持っていかれるので、親株が大きくなりません。
親株を奇麗に育てる場合は、伸びてきた子株を、
1つか2つまでに制限すると、親子共に奇麗に育ちやすくなります。
❷ 枯葉は溜まりやすい
センペルビウムは上から見ると奇麗ですが、
土と接する下の葉は、腐っていたり枯れていることが多いです。
梅雨時は、カビが生えたりすると厄介ですので、
定期的に取り除いてしまったほうが賢明です。
葉の根元をピンセットでつまんで、左右にグリグリすると簡単に取れます
栽培記録
2018.10 ~
主な記録
繁殖
方法 | 回数 | 時期 | 成功率 |
---|---|---|---|
● 株分け | 1回 | 春 | 100% |
● 株分け | 1回 | 秋 | 100% |
病害虫・生理障害
日付 | 内容 | 理由 |
---|---|---|
‘19.08 | 高温障害 | 遮光不足 |
‘20.08 | 葉焼け | 遮光不足 |
現在まで、アブラムシ&カイガラムシの被害はなし
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2018-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2018
10月上旬 ガゼルを購入
購入日:2018.10 (6cm ポット)
園芸店で購入した「優木園」さんのガゼルです。
まだまだ小さく青々としています。
購入時はやはり、1株より2株のほうを選んでしまいます。
10月中旬 別々のポットへ
最初… 親株と子株かと思いましたが、親株が2つでした。
「くっつき過ぎで変形しちゃうかな~」と思い、
ポットを分けて植え替えています。
11月中旬 マツボックリのようになる
何かを察したのか…?
だんだんと反り返ってマツボックリのような姿に…
奇麗な糸も切れてしまいました。
その後… 3ヵ月ほどで、元の状態に戻りました
11月下旬 紅葉がはじまる
真っ青だった葉っぱも、紅葉が進み始めます。
冬 シーズン / 2018
※ 冬シーズンは写真を撮り忘れました。
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2019-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2019
3月上旬 マツボックリが収まる
あのマツボックリ姿も、いつの間にか消えていて、
糸もグルグル巻きになっています。
サイズも、それなりに大きくなり順調に育っている感じがします。
3月下旬 子株… 現る
多肉1年生にとっては…
「もう出てくるの? ラッキー!」と感じるはずです!
ですが、見慣れてきちゃうので… この喜びは、おそらく初年度だけだと思います。
どんどん出てくる… どんどん伸びる
本体と子供のあいだの茎が「ランナー」ってやつです。
子株も既に、糸がマキマキです。
まだまだ、出てくる…
子株もすごいですが、親株の外観も美しく、
糸の量も、減ったり増えたりするのが不思議です。
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夏 シーズン / 2019
6月中旬 子株は、さらに成長
▲ 子株がでてきて3ヵ月ほどの状態
梅雨入りして6月中旬になりました。
紅葉はおさまりましたが… 緑と白のコントラストもキレイです。
株分けを行う
だんだんと、蒸し暑くなる時期なので…
「秋まで放置すればよかったかな…」と思いましたが、
株分けを決行です。
結果的には… 秋になってからがおすすめです!
株分けのタイミングについては、別記事でまとめました。
親株から、ランナーをカット
土に刺しやすいように、邪魔な葉っぱを取り除きます。
子株の茎を1cm ほど残しておくと、挿しやすくなります。
直径2cm未満の子株は、カットしないほうが無難
小さい子株までカットしてしまいましたが、
カットするなら、
ロゼットの直径が2cm 以上に育ってからが無難です。
株分け 完了
丁度いいサイズのポットが無かったので、
とりあえず、素焼き鉢にまとめて植えています。
水やりは、1週間後に行う
今回は、ノウハウもないので…
ひとまず1週間後に、たっぷりと水を与えました。
秋には、十分に根が張っていたので、これでよかったと思います
7月下旬 子株を付けると、消耗する
▲ ボリュームダウンした親株
親株に戻り… 梅雨明け間近の写真です。
春に子株を付けると、その分だけ… 栄養を持っていかれるらしく、
親株は、痩せてしまう傾向です。
株分けした子株の様子
撮影日:7月中旬
株分けから、1ヶ月を過ぎようとしていますが、
夏の半休眠シーズンなので… さほど変わっていません。
ですが、腐ったり枯れてしまった様子はなく、葉も硬くしっかりとしています。
8月下旬 親株、さらに…枯れていく
まだまだ暑い日が続いていますが、
さらに、外葉の枯れが目立ってきました。
原因は、遮光不足
2019年は、はじめての夏だったので、
遮光具合が読めず… 直射日光に当てる日もありました。
恐らく、それが原因で調子を崩し始めたのだと感じました。
「遮光50%」または「明るい場所」で十分
耐寒性は、最強なセンペルビウム属ですが…
夏の暑さは、得意ではなさそうです。
かといって、劇的に弱いという感じでもないので…
しっかりと遮光をして、直射日光を防げば、調子を落とさずに育ってくれます。
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2019-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2019
9月中旬 親株の、植替えを行う
土から掘り出してみると…
かなり枯葉が溜まっていました。
約1年ぶりの植替えになりますが、枯葉が圧着されている感じです。
ミルフィーユ状の枯葉は、除去しにくい
ある程度… 枯葉を取ってみましたが、
根元から奇麗に取ることができません。
さらに、何重にも枯葉が積み重なっていて、引き抜くこともできません!
1週間ほど、日陰で乾かしてみた
乾燥させれば「パリパリになって取りやすいかな…?」
と思ったのですが、変わりませんでした。
1週間以上、土から出して放置しても株が枯れることはありません
電動工具でスッキリ除去
▲ 枯葉を削りとった状態
人力で枯葉を除去しようとすると、日が暮れてしまいそうです。
電動工具のトリマーでガリガリと削って、根っこの周辺を奇麗にしました。
本来は… 木材に溝を掘ったりするものですが、
高速回転するビット(ドリル)で枯葉を削り落とします。
もう一度、植え直す
枯葉を全て取り除いたあと、植え直しています。
結局… 1年前に購入した大きさと、あまり変わらなくなってしまいました。
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子株の様子・秋
撮影日:10月上旬
6月に株分けした子株ですが… まったく変わっていません!
でも、暑い夏を乗り越えてくれただけでOKです。
引き続き、陽射しが強すぎたらしい…
秋になりましたが、親株と同様に… 外葉の枯れが目立っています。
こちらも、夏からの遮光ミスが影響している感じです。
ですが、心配だった根は… しっかりと張っていたので、結果オーライとします。
枯葉の掃除
掘り起こしたついでに、目立ってきた枯葉を掃除します。
これがまた… 意外と、地味で面倒な作業でした。
株分けは… 秋まで待ったほうが無難
▲ 6cm ポットに植え直し
外の枯葉を取ったぶん… 一回り小さくなり、
その結果… ランナーで親株にぶら下がっていた春のほうが大きなサイズでした。
はじめての株分けなら… 秋がオススメ
多肉の管理に慣れてしまえば… 夏以外で株分けしてもよいと思います。
もし、はじめての夏越しの場合なら、
秋以降に、株分けしたほうが無難です。
11月下旬 復調の兆し
▲ 右ポットが親株
▲ 親株の様子
色々しているうちに… 気温も下がったせいか、
調子がよくなり、親株も子株も… 葉が増えて大きくなっています。
冬 シーズン / 2019
1月中旬 引き続き、好調
秋と比べると… どの株も、ロゼットが大きくなっています。
また、紅葉も進んで、
これくらいの色付きが、一番キレイに見えるかもしれません。
2月中旬 霜に当ててOK
▲ 「-30℃」あたりまで凍結せず
▲ どの地域でも凍結の心配は無し
僕が住むエリアでは、2019年度の最低気温は「-7℃」でした。
それでも、ぜんぜん寒さは余裕なので、年中… 屋外管理がおすすめです。
霜に当てても問題ありません。
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