この記事では、多肉植物「センペルビウム属」の…
特徴と管理方法を紹介します。
センペルビウムは「ずっと… / 永遠に…」という意味で、
厳しい氷点下でも凍らない、強い耐寒性を持っています。
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◆ 2つの特徴
◎ このあたりの山岳地帯に生息
センペルビウム属の多くは、アルプス山脈などの山岳地帯に生息しており、
大きく2つの特徴があります。
- 氷点下でも枯れない耐寒性
- 勝手に爆増する
1. 氷点下でも枯れない耐寒性
▲ 氷点下&霜が降りても凍らない
多肉植物は、比較的… 寒さに強い植物です。
それでも「-10℃」となれば、耐えられる多肉はそうありません。
ですが、センペルビウム属の多肉は…
「-30℃」に耐える耐寒性があります。
実質、どこで育てても凍らないので、屋外でも気兼ねなく栽培が可能です。
冬越しの心配は無用
多肉栽培にとっての難関…
「夏越し」と「冬越し」のうち、
冬越しの心配が無用というのは、たいへん魅力的です。
1年中… 屋外で管理できますので、
初心者の方でも、育てやすいグループになります。
2. 勝手に爆増する
▲ 3つの親株と、無数の子株
センペルビウムは、普通に育てるだけで…
本体(親株)から、いくつもの子株が伸びてきます。
その子株を取って、別の場所に植えると、
再び親株として育ち、たくさんの子株を付けます。
爆増するので、置き場所に困ることも…
とにかく増えやすいので、
ポットでは、すぐに一杯になりがちです。
スペースがあれば、地植えに移行してもよいかと思います。
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◆ 管理・栽培方法
続いて、センペルビウム属の栽培方法などについて紹介します。
栽培事例
実際の栽培事例は、上記の記事でも紹介しています。
1. 共通事項
陽当たりで綺麗に育つ
▲ 日向の場合
▲ 日陰の場合
他の多肉と同様に、陽当たりを好みます。
徒長や紅葉にも影響するので、
なるべく、陽当たりの良い場所で管理します。
水やりは、土が乾いてから
水やりの場合も、多肉栽培の基本通りに…
土が乾いたら、たっぷりと与えます。
水切れに注意
乾燥に強いセンペルビウムですが、
葉が薄めなので、水を控えすぎと…
大きく成長する前に、下葉が枯れやすくなります。
開花すると、株は枯れる
1年~3年ほど育てると、
中央のロゼットから花芽が伸び、梅雨あたりに開花します。
開花後は、枯れてしまいますが…
その前に、数多くの子株を残します。
2. 成長期は「秋と春」
センペルビウム属は、極寒にも強い多肉ですが…
成長シーズンは、他の多肉と同様で「春・秋」になります。
瑞々しく、葉色も抜群に綺麗
センペルビウムの場合は、栽培環境にもよりますが…
活発に活動を始める、春頃がベストシーズンになります。
繁殖も適期
繁殖させるのも「春・秋」が適期となります。
子株が伸びていれば、カットして植え付けられます。
また、植えれば根付きやすいシーズンです。
2. 夏の管理
▲ 中央の株は、高温障害で変色
他の多肉と同様に、陽当たりを好みますが、
夏の場合は、陽射しが強すぎます。
例えば、気温が高い状態で水やりを行うと、
上の写真のように、ダメージを負う株もでてきます。
遮光が必要な場合も多い
▲ 葉や糸まで焦げる
常に陽が当たる場所で管理する場合は、遮光が必須です。
陽に当て過ぎると「葉焼け」や、
水分不足で、外側の葉が枯れる要因となります。
3. 冬の管理
「-30℃」に耐えるので、凍害の心配はありません。
霜除けも不要で、野ざらしでも冬を越してくれます。
冬を好む訳ではない
楽に冬越しができるセンペルビウムですが、
特別、冬が好きという訳ではありません。
極端に、野ざらしで管理すると…
水不足などで、ロゼットは小型化してしまいます。
どのセンペルも、紫色に変わる
水切れや、水を吸えない状態だと…
暗い紫色へと紅葉し過ぎるため、
どのセンペルビウムも、同じような個体に見えてしまいます。
多少は手をかけてあげる
冬でも定期的に水を与えたり、
霜除けをしてあげるほうが、株の状態はよいと思います。
もし、ロゼットが小さくなってしまっても、
春まで待てば、活動を再開するので…
自然に大きなロゼットへと回復します。
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◆ 繁殖は「株分け」
▲ 親株と子株の状態
センペルビウム属の多肉は、
「株分け」という方法で増やしていきます。
株分けは、簡単な作業
▲ 子株をカット
▲ 植え付け
作業的には簡単で…
親株と繋がっている子株をカットして、植え付けるだけです。
その後、2週間ほどで発根し、しっかりと根付いてくれます。
春になると、子株が増える
どのセンペルビウムも、春になると子株が目立つようになります。
増やす適期は「春・秋」なので…
その期間以外は、親株から切り離さないほうが無難です。
ランナーで繋がる
ランナーとは…
親株と子株をつなぐ、長い茎のことです。
少数ですが、他の多肉植物でも見られます。
適度な肥料(栄養)が必要
親株に栄養が足りないと…
大きく育たず、子株の付きも悪くなります。
「増えすぎて困る…」という場合は、
あえて、肥料分が少ない土で育てるのも有効です。
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◆ 種類・品種
センペルビウム属も、原種をはじめ…
様々な栽培品種が流通していますが、似ている品種も多い印象です。
1. 基本のカタチは同じ
▲ カナダズケイト
▲ 上海ローズ
様々なセンペルビウムがありますが、
基本的には、葉が多いロゼットで…
幹立ちしにくいのが特徴です。
見分けが付かない品種も多数
栽培環境や季節によって、どのセンペルも…
同じ品種にしか見えない場合があります。
2. パシフィック という冠名の品種が多い
▲ パシフィック グリーンローズ
▲ パシフィック ラッシー
センペルビウムを探していると…
「パシフィック」と付いた品種を、よく見かけます。
詳細は不明ですが…
数え切れないほどの品種があります。
3. 糸があったり、毛があったり
なかには、糸でグルグル巻きになったタイプや、
モフモフ系のタイプもあります。
4. 栽培品種にも期待
エケベリアも顔負けの、ド派手カラーリングです。
このようなタイプも増えてくれると、
センペルビウムも、さらに楽しめそうです。
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◆ 病気・害虫
センペルビウム属の病害虫対策も、他の多肉と同様です。
基本的に、定番の「ベニカ」と、
「オルトラン」で十分かと思います。
また、無農薬でも被害に遭わないケースもあります。
病気は「黒点系の病気」
春から夏にかけて、葉に黒い点々があらわれる…
「黒点系の病気」になる可能性があります。
予防には「ベニカ」
定番のベニカで予防できます。
発症しても、株全体が枯れてしまうことはありませんが、
解消するには、葉の入れ替えを待つしかありません。
梅雨前に散布がおすすめ
害虫は2つ
▲ アブラムシ
▲ カイガラムシ
害虫は主に「カイガラムシ」と「アブラムシ」の2つになり、
どちらも、植物ではお馴染みです。
予防にはオルトラン
定期的にオルトランを撒いておけば、どちらも予防できます。
緊急で駆除したい場合は…
アブラムシにはベニカを使い、
カイガラムシには専用殺虫剤で対応します。
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【まとめ】センペルビウム属
センペルビウム属の多肉は、寒さに強く…
1年中、屋外で管理できるグループです。
ただ、冬が好きという訳ではないので、
野ざらしではなく…
適度に手をかけたほうが、冬でも綺麗な株をキープできます。
注意ポイントは、夏の間
夏の猛暑では、傷む可能性が高いので、
「遮光」や「水やりの調整」を行い、上手に管理する必要があります。
特に、夏の間だけ注意すれば…
初心者の方でも簡単に育てられるグループになります。