この記事は、パキフィツム属「ベビーフィンガー」の栽培記録です。
パキフィツム属では小型のタイプで、
丸々とした葉と、パウダー越しのパープルの葉色も絶妙です。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
◆ 基本情報 |
ベビーフィンガー
科 | ベンケイソウ科 |
---|---|
属 | パキフィツム属 |
学名 | Pachyphytum ●●●? |
流通名 | ベビーフィンガー |
ベビービンゴ |
生育期 | 秋・春 |
---|---|
価格帯 | 500 円前後 |
栽培難易度 | ★☆☆ |
増やし方 | カット & 挿し芽 |
葉挿し |
ベビーフィンガーは原種?
◎ メキシコ
ベビーフィンガーは、花の様子からすると…
パキフィツム属の原種 or 栽培品種かと思います。
いくつかの学名で表記される
- P. machucae
- P. machucae ‘Baby Finger(s)’
- P. rzedowskii
検索すると、それっぽい原種が複数みつかり、
写真はどれもベビーフィンガーですが…
詳細までは不明のようです。
ネット販売
日本花キ流通 | - |
ストア内検索:ベビーフィンガー |
・・・
・・
・
いくつかの交配種が流通
エンジェル(ス)フィンガー
引用元は不明ですが、コロラータとの交配で…
韓国産のパキベリアのようです。
クラウンボール
こちらはデレンベルギーとの交配のようです。
どちらもベビーフィンガーの雰囲気を十分に感じます。
・・・
・・
・
◆ 季節の変化
年間を通して、あまり変化なし
▲ 6月の様子
▲ 8月の様子
▲ 12月の様子
▲ 2月の様子
パウダーが強い多肉なので、基本的にパープル系の葉色に見えます。
ですが、日照時間が少ない場合はグリーンに見え…
反対に、日照が多い場合はオレンジ色にも見えます。
また、パウダーの付き具合によっても見え方が変わります。
ベビーフィンガーの花
・・・
・・
・
スポンサーサイト
◆ 購入時の写真と
1年後の比較
購入時の写真
購入日:2018.10 / 6cm ポット
園芸店で購入したベビーフィンガー。
ちょっと徒長した状態なので…
綺麗に育てるには、それなりの日照が必要になります。
約1年後の比較
一般的な多肉植物と同様に…
半日陰以上の陽当たりを確保できれば綺麗に育ちます。
また、成長と共に幹立ちして脇芽も付いてきます。
小型の多肉植物
ベビーフィンガーは小型の多肉なので、
ロゼットの最大サイズは6cm前後かと感じます。
・・・
・・
・
◆ 夏と冬の管理目安
冬の管理(屋外)
弱い -3℃まで |
強い -5℃まで |
とても強い 凍害なし |
---|---|---|
- | 〇 | - |
多肉植物全体で比べると「強い」タイプ。
目安としては「-5℃」までなら、凍害の影響はなし。
これより低下すると、多肉植物によっては…
一部が凍結したり、全体が凍結し枯死する可能性が高まります。
霜除け & 風除けは必須
屋外での管理では「霜除け&風除け」は必須です。
どちらかが未設置の場合では、上記の管理気温まで耐えられず…
霜害や凍害によるダメージを負いやすくなります。
梅雨 & 夏の管理
遮光(20~50%)
病気・害虫対策
徒長(水やり)
雨ざらし・風通し
高温(猛暑日)
高温・乾燥に強いタイプですが、朝から夕方まで…
丸一日、陽が当たる場合は50%前後の遮光が必要。
水やりは多肉の様子を確認しつつ「量 or 回数」を減らすのが安全です。
雨ざらしはトラブルの原因になりやすい
梅雨~初秋にかけては病気や葉蒸れ、徒長の原因となるため、
雨ざらしの状態を避けるのが無難です。
また、定期的に農薬を散布することで…
病気・害虫の被害も抑えられます。
・・・
・・
・
◆ 栽培メモ
1. パキフィツム属は強健
ベビーフィンガーも含め、
肉厚な葉を持つパキフィツム属の多肉は…
耐暑・耐寒性が強く、育てやすいグループです。
セダムより寒さに強い傾向
セダムの「虹の玉」や、
「月の王子(黄麗)」などの…
肉厚セダムと比べても、より寒さに強い傾向です。
2. 葉挿しの成功率も高め
パキフィツム属の「葉挿し」の成功率は…
全体的に高めだと感じます。
葉も簡単に取れるので、転がしておくだけで…
ある程度は順調に育ってくれると思います。
・・・
・・
・
◆ 栽培記録
2018.10 ~
主な記録
植替え | ’19-10 | ’21-04 | - |
葉挿し | ’19-10 | ’21-04 | - |
挿し芽 | ’19-10 | ’21-04 | - |
● 殺菌・殺虫剤
オルトランDX粒剤 | 毎年、春に1回 |
ダコニール1000 | 毎年、春~夏に3回ほど |
● 病害虫・生理障害
現在まで、大きな病気・害虫・日照不足等の被害はなし
● 植替えの土
多肉植物の土(プロトリーフ)【元肥含む】
● 追肥
植替えから1年後に適量
・・・
・・
・
スポンサーサイト
2018-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2018
10月下旬 ベビーフィンガーを購入
▲ 500 円(6cm ポット)
園芸店で購入したベビーフィンガー。
ちょっと徒長気味ですが、
当時は、まだ珍しい多肉植物の1つだったと思います。
冬 シーズン / 2018
12月上旬 紅葉する
大きさは変わりませんが、
パキフィツム属らしく、紫色に紅葉しています。
適度に日照時間を増やすと、パープル系の発色が強くなります。
冬の夜間は、屋内管理
初めての冬の為、夜間は屋内で管理です。
暖地では、年間を通して屋外管理が可能で…
寒さには、そこそこ強い多肉となります。
・・・
・・
・
2019-春・夏
栽培記録
春 シーズン / 2019
4月下旬 ゆっくりと成長
春となり、前回から4ヵ月ほど経ちましたが…
大きな変化は余り感じません。
紅葉も、少し冷めた感じがします。
5月上旬 ボリュームアップ
成長シーズンに入り、少しづつボリュームアップしています。
また、陽射しも強くなり…
綺麗な紫色の葉が戻ってきました。
夏 シーズン / 2019
7月下旬 夏色へ
梅雨時は青白い葉になりやすい傾向ですが、
陽に当たっているとパープルの葉色を維持します。
また、葉に付いたパウダーは重要ですので…
なるべく、触れないように管理します。
8月下旬 夏にも強い多肉
他のパキフィツム属と同様で…
夏の暑さにも強く、管理しやすい多肉です。
病気・害虫にも強そうな感じですが、
オルトランを撒いておけば安心だと思います。
水やりは、少ない回数でOK
肉厚な葉を持つ多肉なので、水切れに強く…
葉にシワが寄るまで待っても大丈夫です。
梅雨時では、月に1回でも十分だと感じます。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
2019-秋・冬
栽培記録
秋 シーズン / 2019
10月上旬 植替え
1年ほど経過したので植替えです。
状態的には追肥のみ施して…
来年の春まで待っても大丈夫そうな感じでした。
挿し芽 & 葉挿し
ここで繁殖を行っています。
まず「挿し芽」用に、脇芽を1つカットです。
「葉挿し」用として、葉を取る
続いて「葉挿し」のため…
パウダーがとれている下部の葉っぱを10枚取っています。
11月上旬 挿し穂 発根
▲ 発根まで約3週間
発根までは、明るい場所 or 日陰で管理。
この季節なら約2、3週間で発根すると思います。
植え付け & 水やり
忘れてしまい約1ヵ月後に植え付け。
下の葉は、だいぶシワが寄ってきましたが、
水を与えれば3日ほどで瑞々しい葉に戻ります。
回復しない場合は、追加で水を与えます
葉挿しは8割が成功
こちらも2、3週間ほどで発根&発芽。
成功率は8割でした。
パキフィツム属の多肉も、全体的に成功率は高めです。
プラグトレイに植える
ここから、水やりを始めています。
11月中旬 1年後の様子
ロゼットのサイズは直径5cmほどなりました。
ベビーフィンガーは6cmくらいがMAXのようです。
冬 シーズン / 2019
12月上旬 開花
多肉植物の開花は、全般的に春がピークになりますが、
まれに冬に咲く場合もあります。
2月中旬 -7℃ でも凍らず
1月から氷点下が続きはじめ、
2月中旬に「-7℃」を記録しましたが…
ダメージは確認していません。
葉挿しの葉っぱもクリア
葉挿しの葉っぱも、同様に大丈夫でした。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
2020-春~冬
栽培記録
20年度はダイジェストで紹介
5月中旬 焼けた葉挿し
葉挿しで育てていた葉が、ほとんど燃え尽きていました。
炎天下を3日間ほど放置したのが悪かったのですが…
近年の5月は、暑さに要注意の1ヵ月です。
遮光率20%では、耐えられず…
小さな葉っぱから育てる葉挿しでは、
通常のポット株より、過保護に育てます。
日照時間が長い日向に置いている場合は、
遮光を50%ほどに強めておきます。
6月中旬 順調に成長
残った株は元気に成長しています。
これくらいまで育っていれば、
強い陽射しでも、葉焼けしにくい耐久力を得ています。
7月上旬 脇芽が伸びる
このまま茎が伸びていくパターンかと思いましたが、
1年ぶりに脇芽が伸びてきました。
10月中旬
12月中旬 早めの寒波
珍しく12月で「-7℃」ほどの寒波に見舞われました。
寒さに強いパキフィツム属ですが、
若干ダメージを負った感じがします。
2月中旬 凍結でダメージ
その後も、度重なる寒波によりダメージが蓄積されたのか…?
凍害レベルまで進んでしまいました。
・・・
・・
・
2021-春~冬
栽培記録
21年度もダイジェストで紹介
4月上旬 仕立て直し
何とか生き延びてくれたので、ここで仕立て直しです。
毎度の「挿し芽」と「葉挿し」を使って増やします。
6月上旬 発根と植付け
※ 7.5cmポット
8月下旬 またも枯らす
今回も「葉挿し」の葉を枯らしてしまいました。
慎重に育てたい場合は、
大きな株と「葉挿し」の葉を、別々の容器に分けるのがオススメです。
10月上旬
2月上旬
4月の仕立て直しから8ヵ月が経過。
急激には大きくなりませんが…
順調に育っている印象です。
・・・
・・
・
スポンサーサイト
最終更新 2022 / 5
前回と余り変わっていない様子です。
もう少し大きくなったら、
1株づつ植え直したほうが見栄えがよいと思います。
この後の栽培は、繰り返し
まとめとしまして…
このまま育てれば、幹立ちして少しづつ脇芽も増えていきます。
増やしたい場合は「葉挿し」がオススメです。
成長速度はゆっくりに感じますが、
徒長にだけ注意して育てれば、綺麗な株に仕上がります。
・・・
・・
・
以上を持ちまして…
パキフィツム属「ベビーフィンガー」の栽培記録を終了します。