この記事では、多肉植物・アエオニウム属の、
特徴と管理方法を紹介します。
アエオニウム属は、比較的… 葉が薄く、
大小、様々なタイプがありますが、
初めての人でも、簡単に育てられる多肉植物だと感じます。
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◆ 年間スケジュール
❶ 成長期 | ❷ 水やり | ❸ 遮光 | ❹ 繁殖 |
---|---|---|---|
春:〇 | 通常 | 20% | 〇 |
夏:× | 控えめ | 50% | × |
秋:〇 | 通常 | 20% | 〇 |
冬:◎ | 通常 | 不要 | 〇 |
※ スケジュールは目安となります
アイクリソン属も同様
見た目や育て方が、アエオニウム属と変わらない、
アイクリソン属も同様です。
下記の2つは、正確にはアイクリソン属のようです。
- レモネード
- 愛染錦
❶ 成長期は、冬(秋 ~ 春)
アエオニウム属は、気温が下がる冬が一番の成長期です。
これは… 春・秋に成長する、
一般的な多肉とは異なるポイントになります。
実際は、10月くらいから活発に…
メインは冬ですが… 10月くらいから、
成長の変化を感じられると思います。
そして、翌年の梅雨くらいまで成長するので、
秋・冬・春と3シーズンは、楽しめます。
❷ 水やりは、土が乾いたら
水やりは、基本通りに…
土が乾いたら、たっぷりと与えます。
アエオニウムは、冬も成長期なので… 忘れずに与えます。
控えすぎると、下葉が枯れやすい
水切れに強いのが、多肉植物の特徴ですが…
アエオニウムは葉が薄いので、
水を控えすぎと…
大きく成長する前に、下葉が枯れやすくなるので注意します。
❸ 陽当たりを好む
他の多肉と同様に陽当たりを好みます。
「黒法師」や「カシミアバイオレット」など、
濃い葉色を持つタイプは、年間を通して陽当たりが必要です。
遮光して、屋外管理がベスト
陽当たりを好みますが、
強すぎる光は「葉焼け」する可能性があるので、
冬以外は、遮光をしてあげるのが無難です。
❹ 増やすには、秋・冬が適期
成長期が冬なので、増やしたい場合は、
冬に繁殖作業を行ってもOKです。
気温が低い… 11月 ~ 3月くらいが、おすすめです。
「カット」と
「挿し芽」で増やす
▲ 黒法師
茎の途中をカットして、
親株から、脇芽を出す方法が1つ。
カットした先端部分(挿し穂)を、
「挿し芽」で育てるのが2つ目となります。
【葉挿し】は、上手くいかないと思います
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・
カットすると、棒から発芽
カットされた棒状の親株からは、
新しい芽がでてくるので…
安定的に、増やすことが可能です。
種類によって異なる
今回の黒法師では、新芽が出てきましたが…
アエオニウムなら、どんな種類でも、
棒状の親株から、発芽する訳ではないようです。
関連記事は、こちら
先端部分(挿し穂)は、
「挿し芽」で育ちます
カットした挿し穂を、土に植えると…
そのまま育てることができます。
時間は掛かりますが…
脇芽が出てくるので、そのうち増えていきます。
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トータルで、育てやすい多肉植物
アエオニウム属は、多肉でよく心配される…
「徒長」や「葉の伸長」を気にせずに育てられます。
水やりも、比較的に簡単で…
基本通りに、乾いたらたっぷりと与えます。
あとは、適度な日光浴をさせれば、
色付きもよく、しっかりとした株に育ちます。
◆ アエオニウム属の種類
「黒法師」で有名なアエオニウム属ですが、
その種類は、いくつかあり、
個人的に…「見た目の違い」で分けると、4つのタイプがあります。
❶ 薄葉タイプ
▲ 黒法師
黒法師が、薄葉タイプの典型で…
葉は薄く、長く伸びたり短くなったりと、
季節や環境によって変化します。
同じようなアエオニウム
- カシミアバイオレット
- 艶姿【あですがた】
❷ やや肉厚タイプ
▲ 伊達法師(グリーンティー)
黒法師などの薄葉タイプと比べると、
やや肉厚な葉を持っています。
葉色は、派手な傾向があります。
同じようなアエオニウム
- サンバースト
- 夕映え(キウイ)
❸ 小型タイプ
▲ 小人の祭り
数は少ないですが、アエオニウム属の中では、
ロゼットが圧倒的に小型です。
そのため、近くで観賞するのがオススメとなります。
同じようなアエオニウム
- 小人の花束
❹ つぼみタイプ
これまでのタイプとは異なり、
葉色の変化は乏しいですが、
春から夏になると、つぼみ型に変形する面白いタイプです。
同じようなアエオニウム
- ドドランタリス
- ギガンティア
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梅雨 & 夏の管理
▲ 八咫の鏡
夏は、休眠シーズン
▼ 遮光率 | ▼ 水やり | |
---|---|---|
梅雨入り ~ | 20~50% | 通常 |
梅雨明け ~ 9月中旬ころ |
50% | 控えめ |
※ 遮光率 & 水やりは、目安としてお考えください。
※ 水やりは、多肉の状態を確認しながら調整ください。
水やりのポイント
夏は、休眠期となりますが、
特徴としては… 水やりは「梅雨明け前」まで、
通常通り、土が乾いたら… たっぷりと与えます。
天候は、気にしない
茎が伸びるアエオニウム属ですが…
セダムの徒長のように、不格好にはなりません。
梅雨の期間でも…
天候を気にせず、土が乾いていたら… 水やりOKです。
水やりの頻度・感覚は、観葉植物やグリーンネックレスと同じ
梅雨明け後は… 控えめに
梅雨が明けて、夏本番の天候になると…
これまでの水やりでは、
蒸れてしまう可能性があります。
ですので、梅雨が明けたら…
9月中旬頃までは、月に2、3回で十分です。
乾燥には強いアエオニウム属
水が切れると、下の葉が枯れやすいですが、
成長点や茎は… 乾燥に強いので、
風の通る日陰なら、秋まで断水してもOKです。
休眠期の特徴
▲ ドドランタリス
休眠期の夏になると…
ロゼットを閉じる傾向があります。
アエオニウム属の中では「ドドランタリス」が、
わかりやすく変化してくれます。
水やりで、左右されやすい
▲ 2月上旬の様子
同じドドランタリスの2月の写真ですが、
成長期だけあって、
葉っぱもノビノビとしています。
水やりが不足すると、
5月上旬でも夏モードへ
▲ 4月上旬
▲ 5月上旬
夏になると「夏姿」になる… といわれていますが、
水が不足すれば…
5月上旬でも、さっさと「夏姿」になってしまいます。
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水やりで、リカバリー可能
▲ 6月上旬
梅雨明け前に、ロゼットが閉じたり… 枯葉が目立ってきても、
水やりの頻度を上げると、
ロゼットは開き、枯葉も軽減されます。
ほかのアエオニウムでも同様
蒸散を防ぐためだと思われる
ドドランタリスのように、
水切れで、引きこもってしまう理由は、
蒸散を防ぐためだと思われます。
多肉植物は、日中… 気孔を閉じて蒸散を防いでいますが、
それでも足りないので…
気孔が集中する葉裏を隠すように、
ロゼットが閉じるのではないかと思います。
【まとめ】チェックポイント
遮光
風通し
病気・害虫
雨ざらし
徒長(水やり)
高温(猛暑日)
梅雨明け前までの水やりは、通常通りでOK。
アエオニウム属は、全体的に高温・乾燥に強いタイプですが、
土が乾いたら、しっかりと水を与えます。
梅雨明け後は…
遮光を強めて「量 or 回数」を減らすのが安全です。
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冬(凍結)の管理
安 全 | ~ -3℃ | 水分が多めでも、凍結なし |
注 意 | -3℃ ~ -5℃ | 一部、凍結の可能性あり |
危 険 | -5℃ ~ | 一部 ~ 全体が凍結 |
霜除け 必須 |
※ 凍結の温度は、目安としてお考えください。
それほど、寒さに弱くはない
アエオニウムの耐凍性は、そこそこあり…
「-3℃」くらいなら、やられません。
寒波には注意ですが、屋外で管理できる多肉です。
耐凍性のレベル
弱 | 並 | やや強 | 強 |
---|---|---|---|
– | 〇 | – | – |
多肉植物全体で比べると…「並」タイプ。
目安としては「-3℃」までなら、
ほぼ、凍結しないと思います。
「-5℃」まで下がると厳しい
▲ 葉の周囲が凍結した「八咫の鏡」
「-5℃」を超えると、だいぶ厳しく…
「-7℃」では、一発で全損するレベルです。
カットして、下部を救出できる場合もあり
種類にもよりますが… 茎が生きていれば、
凍結した上部をカットして、
残った下部から、新芽を出させることも可能です。
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◆ 病気・害虫
病 気 | 害 虫 |
---|---|
黒点系の病気 | ❶ カイガラムシ |
- | ❷ アブラムシ |
※ 環境によっては、病害虫の被害は異なります
病害虫は、通常の対策でOK
病気・害虫とも…
多肉植物では、よくあるタイプなので、
それほど警戒しなくても大丈夫です。
また、薬剤を散布しなくても病害虫の被害に遭わないこともあります。
● 病気の内容
春から夏にかけて、
葉に黒い点々があらわれる…
「黒点系の病気」になる可能性があります。
予防には… ベニカ
定番のベニカで予防できます。
発症しても、株全体が枯れてしまうことはありませんが、
解消するには、葉の入れ替えを待つしかありません。
梅雨前に散布がおすすめ
● 害虫の内容
▲ アブラムシ
▲ カイガラムシ
害虫は、定番の
「カイガラムシ」と「アブラムシ」になります。
予防&解消には… オルトラン
どちらも、定番の害虫なので…
定期的にオルトランを撒いておけば予防できます。
緊急で駆除したい場合は、
アブラムシにはベニカ… カイガラムシには専用殺虫剤を使用します。
梅雨前や植替え時の散布がおすすめ
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以上… アエオニウム属の特徴と管理方法になります。
まとめると…
明るい場所と、たっぷりの水を好む多肉植物です。
基本的に育てやすく、
幹立ちして、オシャレなタイプだと感じます。
氷点下でも耐えますが…
「-3℃」を超えないように注意します。
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