この記事は、コチレドン属「熊童子」の栽培記録です。
名前の通り、子熊の手のようなフォルムが人気の定番多肉で、
見た目の衝撃は、多肉植物界No.1といってもよいくらいです。
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基本情報
グループ | ベンケイソウ科コチレドン属 |
---|---|
流通名 | 熊童子【くまどうじ】 |
学名 | Cotyledon tomentosa ssp. tomentosa |
増やし方 | 挿し芽 |
生育期 | 春・秋 |
---|---|
価格帯 | 300円前後 ※ 錦は600円前後 |
栽培難易度 | ★★☆ |
ネット販売 | ・ フラワーネット ・ カクトロコ ・ レイテストプランツ |
クマ も ウサギ も…tomentosa【トメントサ】
コチレドン属の代表がクマなら…
カランコエ属の代表は「月兎耳」や「黒兎耳」といった流通名を持つウサギシリーズです。
ウサギシリーズも、ふわふわの毛をまとっているので、
tomentosa【トメントサ】と名付けられた種もあります。
属名 | 種小名 | 流通名 |
---|---|---|
Cotyledon | tomentosa | 熊童子など |
Kalanchoe | tomentosa | 月兎耳など |
種小名の tomentosa とは「ビロード毛のある」というラテン語です。
「子猫の爪」とハイブリッドもある
▲ 子猫の爪
熊童子の小型バージョンで、爪の数も少なめです。
熊童子に比べると、育てやすく感じます。
熊童子 × 子猫の爪
こちらは両者のハイブリッドですが、
ほとんど熊童子に見えると思います。
成長した様子
1年ほど栽培した、冬の様子になります。
育て方は、熊童子と変わりません。
季節の変化
熊童子は、年中… ほぼ同じ色
▲ 12月の熊童子
紅葉が始まっていてもおかしくない時期ですが、
基本的にグリーンままで、
爪の赤い部分が少し広がるくらいだと思います。
夏の様子
▲ 8月の熊童子
こちらは、夏の写真になりますが、
夏も冬も、だいたい同じ色をしています。
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購入時の熊童子
購入日:2018.12 300円 / 6cm ポット
園芸店にて購入した優木園さんの「熊童子」。
夏は苦手ですが… 秋から春にかけては、よく育ちます。
ネットで購入 ※ 売り切れの場合あり |
・ フラワーネット ・ カクトロコ ・ レイテストプランツ |
---|
各ショップの【ストア内検索】で、
「熊童子」と入力すると探しやすくなります。
購入から約1年後の比較
夏で失敗
上手に育てると、ボリューム満点に育ちますが…
途中で落葉させてしまうと、スカスカが目立ってしまいます。
1年目の夏は、失敗しやすい多肉だと感じます
錦(斑入り)は、2タイプある
▲ 熊童子・錦
どちらも「熊童子・錦」ですが、一般的な「白斑」と、
黄色い斑が入る「黄斑」の2タイプが流通しています。
❶ 白斑
オーソドックスな斑入りバージョンで、
グリーンとクリーム系のコントラストが奇麗です。
販売価格は、通常の熊童子より高めに設定されています。
❷ 黄斑
こちらのほうがレアのようで… 値段も割高です。
黄斑も、キレイといえば奇麗なのですが、
斑のイエローが目立ちにくいので、よく比べないと気付かないかもしれません。
斑の入り方は、安定していない様子
黄色の斑は、株全体ではなく一部に入るようです。
脇芽は、全く入っていない葉っぱもあり、
普通の熊童子になってしまう場合もあるかと思います。
白斑は、デリケート
「熊童子」自体が、多肉植物の中でも難しいタイプです。
そして、斑入りの「白斑」は、
さらに虚弱体質らしく、日照不足でもダメ…
陽が強すぎてもダメ… といった感じで、夏場の管理に気を遣います。
個人的に、多肉栽培で一番難しく感じるのが「熊童子・白斑」です
黄斑は、熊童子と同じくらい
白斑がデリケートなのに対して、
黄斑は、それほどでもありませんでした。
感覚的には、普通の熊童子と同じくらいです。
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夏と冬の管理目安
冬の管理(耐寒性)
「-4℃くらいまでが安全」 屋外管理は注意
セーフティ | -2℃まで | 水分が多めでも、凍結しない目安 |
リスキー | -4℃まで | 水分が少なければ、凍結しない目安 |
フリーズ | -5℃ | これくらいが限界 |
※ 記載した情報は、目安としてお考えください。
※1 なるべく水を控えて、水分が少ない状態で管理しています。
※2 多肉はボックスで囲み霜除けをしています。
※3 年間を通して屋外管理の多肉です。
「-7℃」で、凍結を確認
「-7℃」まで冷え込んだ日に、凍結を確認しています。
「-4℃」くらいまでなら、大丈夫です。
梅雨&夏の管理(耐暑性)
「直射日光はNG」 夏は涼しくして管理
- 遮光50%以上(※ 梅雨入り~)
- なるべく、風通しのよい場所に置く
- できるだけ、雨に当てない
- 水やりの回数は控えめ(※ 多肉の様子を見て判断)
- 殺虫・殺菌剤の散布(※ ベニカ、オルトランなど)
梅雨の日照不足で、落葉する場合がある
▲ 7月の状態
日照不足になってしまうと、落葉する場合があります。
葉の一部が黒くなったり、落葉する兆しを確認したら、
LEDライトを当てて補助すると、復活しやすくなります。
高温にも、あまり強くないので注意
▲ 9月上旬の状態
熊童子には、真夏がしんどいようで…
管理するなら、風が通る場所で、遮光50%以上をキープしたほうが安全です。
暑さのダメージは、寒くなるまで長引きやすくなります。
・・・
・・
・
以上の経験から… 夏の「熊童子」は、
色々と注文が多いので、下記のように管理しています。
- 梅雨は、定期的にLEDライトで光合成を補助
- 梅雨明けは、遮光50%以上で管理
これで、なるべく落葉を抑えることができると思います。
栽培メモ
❶ 意外と、難しいタイプの多肉植物
熊童子は、梅雨から夏に弱く…
調子を崩し始めると、立て直すのに苦労します。
涼しいシーズンはよく成長しますが、夏の管理が難しく、
セダムやエケベリアより、苦戦するかと思います。
❷ 増やすなら、挿し芽
まだ、試していませんが…
増やすなら、カットしての「挿し芽」が適していると思います。
「葉挿し」は、不向きのようです。
栽培記録
2018.12 ~
主な記録
病害虫・生理障害
日付 | 内容 | 対象 |
---|---|---|
‘19.07 | 落葉(日照不足) | 錦(白斑) |
‘19.09 | 高温障害 | 熊童子 |
‘20.07 | 落葉(日照不足) | 全体 |
繁殖
方法 | 回数 | 時期 | 成功率 |
---|---|---|---|
● 葉挿し | 1回(4枚) | 秋 | 0% |
● 挿し芽 | 未 |
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2018-冬
栽培記録
12月上旬 熊童子を購入
▲ 優木園 300円 6cm
12月に園芸店で見つけた「熊童子」になります。
冬でも、意外と元気で、脇芽がでやすく、
夏に失敗しても… 寒い時期に再生し始めます。
寒過ぎるのは、得意ではない
※ 別で育てた写真
写真は、別の熊童子になりますが、
耐寒性でいえば「-4℃」ほどが限界になります。
夜間の冷え込みが厳しい場合は、室内へ移動させたほうが安全です。
2019-春
栽培記録
3月中旬 春の様子
パッと見は、ほとんど変わっていませんが…
意外と、冬も成長しやすく…
よく観ると、小さな脇芽が付いています。
7.5cm ポットへ植替え
まだ、ビニールポットでも大丈夫ですが…
春になったので、なんとなく植え替えてみました。
4月下旬 熊童子・錦を購入
ノーマルの熊童子だけでも楽しめますが、
斑入りも、緑・白・赤のコントラストが奇麗なので、こちらもオススメです。
栽培の難易度は高めです
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2019-夏
栽培記録
7月上旬 熊童子は現状維持
6月下旬から、長い梅雨に突入しています。
下の葉は枯れてきたものの、大きなダメージなどは見当たらず元気です。
株のサイズは、余り変わっていませんが、茎は、だんだんと伸びてきます。
7月下旬 「錦」が落葉
7月の中旬くらいまで、元気に育っていましたが、
長梅雨からの日照不足の影響で、
みるみるうちに葉が落ちていきます。
はじめての梅雨なので、原因がわからず
▲ 日照不足ならLEDライトが有効
今となっては、日照不足だと判断できますが、
当時は、落葉の原因がわからず、
とりあえず、LEDライトを当てています。
普通の熊童子は耐える
ノーマルの熊童子は、落葉はせずに無事でした。
先に落葉した「錦」に合わせてLEDライトを当てていたので、
無事に過ごせたのだと思います。
8月中旬 調子を崩しはじめる
無事に長梅雨を乗り切った熊童子ですが…
8月下旬あたりから、調子を崩しはじめ、
気付いた頃には、葉っぱに茶色系の点々が現れていました。
今回の原因は、遮光不足
長梅雨だったぶん、
強めの太陽を浴びせ過ぎて、夏バテしたようです。
遮光50%以上が安全
梅雨が明けると、連日の晴天が続くので、
日照は十分に足りています。
反対に、熊童子は高温によるダメージを受けやすいので、
梅雨明け後は、できる限り涼しくして管理するのが理想です。
錦は、風前の灯火
梅雨のダメージに、猛暑のダメージも加わり、
もうヘロヘロ状態ですが… 秋から復調しました。
2019-秋
栽培記録
9月上旬 ますます状況が悪化
多少… 涼しくなってきたものの、
容態は悪化していき、葉っぱも落ちていきます。
成長期に入り、新芽は伸びる
全体的には、このまま枯れていきそうな勢いですが、
新芽はしっかりと出てきます。
ですが… 枯れていくスピードのほうが早く、再生が追い付かない感じです。
「錦」は再起をかけて… 植替え
葉っぱも4枚ほどしか残っていませんが、
新たに植え替えて、復活を目指します。
表面は「鹿沼土」ですが、中は元肥入りの培養土を使用しています。
10月上旬 トップジンMを散布してみる
春に比べると、スッカスカになってしまった熊童子。
同じ頃、他の多肉も謎の病気でボロボロになっていたので、
「トップジンMゾル」という殺菌剤を使ってみました。
今回の、殺菌剤の散布は… 間違い
この当時は、わかりませんでしたが…
原因は、夏の高温障害を引きづっていただけなので、
殺菌剤の散布は、意味がありません。
落葉は、収まるまで待つしかない
涼しい秋になっても、落葉が止まらない場合は、
さらに待つしかありません。
完全に落ちきれば、新芽が育つ割合が増えてきます。
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11月上旬 赤い点々… 葉焼け
▲ 「遮光なし」からの葉焼け
解決方法を見出せないまま、色々と迷走しているうちに、
葉っぱにも赤い点々があらわれました。
「ついに、末期症状か… それとも新手の病気か!」
と、思いましたが… これは、ただの「葉焼け」です。
葉焼けが心配なら、11月でも「遮光20%以上」をキープしても、よいかと思います。
熊童子は、爪が赤く染まるくらいが丁度いい
丁度いい日照具合だと、爪だけが赤くなります。
葉っぱの中央まで赤くなった場合は、
陽が強すぎると思います。
逆に陽が弱すぎると、爪が赤くなりません
カットして再生を目指す
撮影日:11月上旬
そのまま育てていたら、復調すると思いますが…
当時は見限ってしまい、先端をカットしています。
錦を、追加購入
熊童子・錦には「白斑」と「黄斑」の2つがあります。
「黄斑」は、よく観ないと気付かないレベルです。
初代・錦は、微妙に葉が増える
半分、諦めていましたが… なんとか踏ん張ってくれて、
微妙に、葉が増えています。
2019-冬
栽培記録
1月上旬 復活の兆し
熊童子は、冬でも脇芽が出やすいのが特徴です。
夏に落葉させた場合でも、
葉の付け根から、どんどん新芽がでてきます。
新規で購入したほうが増えやすい
この状態から、育て直すのも悪くはありませんが…
葉の枚数が少ないので、
ボリューミーに戻すのは時間がかかります。
余裕があれば、新規で1ポット購入してしまったほうが増やしやすくなります。
カットした先端部分は、発根せず
▲ カットから約2ヶ月後
だいぶ待ってみましたが… どれも発根しそうもないので、今回は諦めました。
次のチャンスをうかがいます。
1月上旬 初代・錦… 復調
前回から2ヵ月ほど経ちました。
冬の間は、陽が当たる窓際などで、室内管理にしても大丈夫です。
2月中旬 熊童子を、追加購入
▲ カクトロコ 250円
園芸店にてカクトロコさんのポットを追加購入です。
初代・熊童子の回復を待ってもよかったのですが、
やはり… 時間がかかってしまう為、追加で購入しています。
・・・
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