乾燥地帯に生息している多肉植物にとって、
イヤな季節が、日本の梅雨になります。
「梅雨」と「真夏」の管理は難しいとされる多肉ですが、
どちらが管理しにくいかといえば…
やはり… 日照が少ない前者だと感じます。
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▼ 梅雨の注意点 4つ
梅雨に入ると、春とは打って変わって、
トラブルに見舞われる可能性があります。
それが、下記の4点です。
- 日照不足による徒長
- 日照不足による落葉
- 水滴・多湿による蒸れ
- 病気 & 害虫の被害
1年目では、どうしても経験不足なので…
特に徒長は、避けては通れない内容かと思います。
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それでは、1つづつ紹介します。
❶ 日照不足による徒長
▲ 虹の玉【セダム属】
多肉栽培1年目に、大ハマりするのは徒長だと感じます。
徒長の具合は、多肉によって異なりますが、
伸びやすいはセダム属になります。
伸びやすい多肉は、注意
▲ 秋麗【グラプトセダム】
・ セダム属
・ セデベリア属
・ グラプトペタルム属
・ グラプトセダム属
グループ別にみると… セダム属をはじめ、
上記のような、セダム属と他のグループで交配した、
属間ハイブリッドの多肉には注意が必要です。
幹(茎)が伸びやすい「幹立ち」の性質も特徴です
日照不足では、徒長は仕方なし
▲ ピーチ姫【グラプトセダム属】
植物の性質上… 日照不足になると、
徒長するのは仕方がありません。
「葉挿し」の初期段階でも、日照不足だと徒長します。
徒長を抑えるには、水やりを調整
▲ これは徒長
▲ こちらは徒長ではなく、幹立ち
日照不足では、どうしても徒長してしまいますが、
水やりを控えることで、ある程度は… 抑えられます。
「徒長」と「幹立ち」の見極めは…
葉と葉の間に隙間がなければ、幹立ちなのでOKです。
「ずんぐり」と幹立ちは、人の好み
▲ ブロンズ姫【グラプトセダム属】
茎が伸びたら、カットしてコンパクトにまとめるも善し…
そのまま伸ばして、
自然のままを、演出するのも善いと思います。
夏の水やりは、こちら
夏顔に、変化するのも仕方なし…
左:冬 / 右:夏 |グリーンローズ
左:冬 / 右:夏 |アフターグロー
夏になると、葉色はグリーン系になります。
さらに、グループや種類によっては…
葉が伸びて、バランスが大きく崩れます。
このようなタイプでは、夏の間は仕方がありません。
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❷ 日照不足による落葉
件数は少ないのですが…
日照不足と思わしき、落葉が発生しました。
恐らく… 病気ではないと思います。
落葉した多肉植物の種類が、こちら
- 乙女心【セダム属】
- 恋心 【セダム属】
- 八千代【セダム属】
- 熊童子【コチレドン属】
共通点は、ジェリービーンズ系のセダムです。
あと、不明なのが… 熊童子になります。
落葉してから、腐るスピードは激早
▲ 八千代
▲ 熊童子
特にセダムの場合は、
落葉して1日くらいで真っ黒です。
いつ、落ちるかは… わからず
肝心な、落葉する目安ですが… よくわかりません。
恐らく… 梅雨の間でも、ちょくちょく晴れ間があれば…
1ヵ月以上は大丈夫だと思います。
むしろ… 落葉しない多肉のほうが圧倒的だと感じます。
梅雨入り前までに、日光浴をしたほうが無難
通常の管理であれば、
梅雨入り前までは、日照時間は足りていると思います。
「葉挿し」や、小さな脇芽を「挿し芽」で栽培した場合は、
元々の体力が低そうなので、注意が必要かもしれません。
LEDライトなら、抑えられる
こちらも、サンプル数が少ないのですが…
落葉中のセダムに、植物用LEDライトを使うと、
3日程度で、落葉は収まりました。
その後も順調に回復し、通常の生育に戻っています。
心配なら、ライトを使うのがオススメ
10日以上、ほとんど曇りの状況なら、
4時間なり… 8時間なり… 適当に使用して、
光合成をさせてやったほうが無難です。
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❸ 水滴・多湿による、蒸れ
▲ オーレウム【アエオニウム属】
多肉植物の葉っぱは、健康な状態なら…
水滴が付いたり、土に埋まっていても元気です。
ですが… 蒸れなどでダメージを負って腐りはじめると、
上の写真のオーレウムのように、カビてきます。
梅雨の、晴れ間には注意
▲ 微妙な葉の隙間には、湿気が溜まりやすい
梅雨時でも、たまには晴天で気温が高くなります。
その際… 直射日光に当たり続けるなどして、
水滴が残ったロゼットの… 周辺温度が上昇し、
いつの間にか、蒸れて腐ってしまうことがあります。
対処方法
対処方法としては、下記の2点です。
- 雨で濡れないよう、軒下で管理
- 水やりの際は、多肉の脇から与える
❶ 雨で濡れないよう、軒下で管理
多肉植物は、湿度が低い季節なら…
雨で濡れても問題ありませんが、
湿気が多い季節は、なるべく避けたほうが無難です。
ひとまず… 屋根代わりになればOK
板状のポリカなどを使う屋根は、
DIYでも、難しいと思いますので…
簡易的に、ポリエチレンシートでも大丈夫です。
❷ 水やりの際は、多肉の脇から与える
こちらも、上記の軒下管理と理屈は同じで…
ロゼットの間に、水滴を残さない為です。
また、病原菌の活動を抑える効果もあるようです。
多肉のフォルムによって、使い分けもOK
▲ 黒法師【アエオニウム属】
水滴が、自然と流れ落ちるフォルムの多肉なら、
上から水やりをしても大丈夫です。
また、そこまで神経質になる必要もありません。
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❹ 病気 & 害虫の被害
環境によっては… 梅雨入りくらいから、
病気や害虫の発生が、チラホラと目立ってくるかもしれません。
管理する多肉が増えるほど、
それに比例して、病気の発生率も増加すると思います。
多肉には、いくつかの病気がある
多肉には、いくつの病気があるのか分かりませんが…
個人的に発症した3つの病気を紹介します。
❶ 黒点系の病気 その1
▲ 上海ローズ【センペルビウム属】
センペルビウムに付いた、黒い点々ですが、
どんな多肉でも、感染すると思います。
これで、葉が腐ったり… 株が弱っていくことはありませんが、
黒点が付いた葉は、入れ替えを待つしかありません。
❷ 黒点系の病気 その2
▲ 舞乙女【クラッスラ属】
▲ パステル【クラッスラ属】
クラッスラ属に発生しやすいタイプの黒い点々です。
こちらは、黒点の面積が広く… 腐っていくので厄介です。
梅雨明けと共に、一応… 治まったようですが、
感染した葉は、枯れていきます。
❸ 斑点系の病気
▲ 虹の玉【セダム属】
褐色の点々が、下側の葉に現れ…
枯死するとともに、上側の葉へと感染していきます。
放置していても… 涼しくなる秋頃に終息しますが、
多くの葉を失ってしまいます。
害虫は、カイガラムシが出現
▲ カビっぽいのは、カイガラムシが怪しい
カビっぽい葉を見つけたら…
近くにカイガラムシが潜んでいる場合が多いです。
2、3匹くらいでしたら、問題ないと思いますが、
大量に付かれると… 枯死する可能性があります。
冬以外は、発生しやすい
カイガラムシは、環境によって…
梅雨時に限らず、
春から秋にかけても、見られると思います。
病気や害虫は、予防が大切
管理する多肉の数によっては、
対策を行わなくても、被害がない場合も多いかと思います。
ただ、病気や害虫は面倒なので… 予防に努めるのが一番です。
- 雨の対策
- 殺菌剤の散布
❶ 雨の対策
病気の感染ルートは、
雨(水滴)によって、菌が運ばれるケースが多いようです。
さらに、水滴による多湿によっても…
菌が増殖しやすい環境となるようです。
環境を作っておくのが得策
軒下の件と同様ですが、
屋根が無い場合は…
透明なシートなどで、簡易的に屋根を作っておきます。
❷ 殺虫・殺菌剤の散布
予防として殺虫・殺菌剤を散布します。
特に、病気が発症してしまうと…
涼しくなるまで、完治できない感じです。
まずは、ベニカとオルトラン
色々と薬剤はありますが、
まずは… ベニカとオルトランでOKだと感じます。
オルトランは、カイガラムシ対策として…
ベニカは病気対策として… さらに、殺虫成分もあるので、
ケムシやアブラムシも即撃退できます。
自宅で管理するレベルの量であれば、面倒もなく… 十分だと思います。
粒剤のオルトランは、梅雨入り前に散布する
粒剤のオルトランは、水やりで固形の粒を溶かし…
根から吸わせるタイプなので、
日照不足の梅雨時では… 徒長と隣り合わせになってしまいます。
ですので、梅雨入り前の晴れている期間で、散布を済ませておきます。
◆ 最後は、感覚と慣れ
梅雨入りすると、何かしらのトラブルが起こる可能性がありますが、
それも、人によって異なります。
初心者の頃ですと… 事前の知識だけでは、そこそこ手強いと感じるので、
梅雨を経験して、水やりなどの感覚も養っていく必要があります。
慣れてしまれば、普通のルーチンワーク
難しいといわれる、梅雨と夏の管理も、
慣れてしまえば、普通のルーチンワークになります。
1年目は、判断が付かない場面もあるかと思いますが、
そこにも、興味を持って頂けると… より多肉栽培を楽しめます。
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